チョコレートは6~8時間ほどで吸収されると言われているので、早めの対処が必要となります。
少しかけらを食べただけでは中毒症状が出ないとも言われていますが、すぐに対応することをオススメします。
今回は、犬がチョコレートを食べたときの対応方法をご紹介します。
獣医師に連絡する
まずは落ち着いて、専属の獣医師、動物病院に連絡をしましょう。
連絡が取れたら、指示に従って、どんな対応をすれば良いか聞きましょう。
また、チョコレートの種類(カカオの分量)によって変わりますが、どれ程、どんなチョコレートを食べたか(ミルクチョコレート1枚まるごと、など)、銀紙などは食べたのか現在の様子などもきちんと伝えましょう。
危険とされる量の目安は下記です。
◆板チョコ1枚を60gと考えた場合
小型犬…約4分の3枚/中型犬…約2枚/大型犬…約4枚
病院へ向かう際にも、愛犬の変化などをチェックしておきましょう。
万が一連絡が取れない場合も、家で可能な対処法があるので、落ち着いて行いましょう。
吐かせる
一番良い方法は、すぐに吐かせることです。
何も周りにない場合は、とにかく水を飲ませましょう。
あまりにも飲んでくれない場合は、スポイトやスプーンを使って無理やりにでも飲ませて下さい。
飲ませるときに上を向かせ、口をふさぐと飲んでくれます。
その他、自宅の場合には下記をプラスして対処して下さい。
◆薄めたオキシドール(過酸化水素水)を使う
オキシドールは薬局などで販売しています。
体重約5kgに対して1ccを目安に、薄めてあげましょう。
胃に酸素が溜まり、吐き出してくれます。
◆食塩を使う
まず、塩(ティースプーン7杯程度まで)を食べさせ、そのあと大量に水を飲ませて下さい。
もちろん、食塩水でも結構です。
ただ塩はあげすぎてもいけないので少しでも不安に思うときは獣医に確認をとってから行動してください。
様子を確認する
吐かせることが第一ですが、そのあとは愛犬の様子確認も大切です。
チョコレートを食べると、中毒状態になります。
初期の症状として、排泄で異常を確認、嘔吐や下痢などが見られます。
また、興奮したり、抗うつのような状態となる事もあります。
そして症状が進行すると、体温が上昇したり、呼吸が荒くなったりします。
最悪の場合はこん睡状態に陥り、死に至る事もあります。
現在、どのような症状が出ているのか、下記を参考に確認してみてください。
◆中毒症状に見られる症状
下痢/多尿/嘔吐/興奮状態/抗うつ状態/体温上昇/痙攣/呼吸困難/こん睡状態など
なぜ犬はチョコを食べてはいけないのか理解する
なぜ食べてはいけないかの理解をしておくことも大切です。
それは、チョコレートに含まれる「テオブロミン」という物質が入っているからです。
これは、大脳を興奮させる作用、精神面にも影響を与えるなどの作用もあります。
私たちは、このテオブロミンを体内で解毒できるのですが、犬にはその解毒する力が弱く、中毒症状を起こしてしまいます。
テオブロミンは、カカオの含有量によって変わるため、どんなチョコレートを食べたかが重要だと最初に言ったのはそのためです。
例えば、特に多いと言われているのはブラックチョコレートです。
これは、ミルクチョコレートを食べた場合と比べ、早く中毒症状が起こります。
また、先程記載したように、体の小ささから危険な摂取量は変わってきます。
実際に危険な量を理解する
犬の体重約1kgで危険なテオブロミンの摂取量は、一般で下記の量だと言われています。
◆中毒症状100~200mg/㎏
◆致死量240~500mg/㎏
◆チョコレート別テオブロミンの含有量(目安)
ダークチョコレート…約559mg/100gミルクチョコレート…約130~177mg/100gホワイトチョコレート…ほぼ含まれていない
※商品によって含有量が違います
カカオの成分が多ければ多いほど、進行具合も早くなります。
ホワイトチョコレートの場合、テオブロミンがほぼ含まれていないと記載していますが、必ず獣医師への確認を行ってください。
犬がチョコレートを食べても慌てず対処しよう
バレンタインの時期などに、チョコレートを使用しているときに、愛犬が思わず食べてしまったという事や、ついつい可愛くて食べさせてしまった、ということがあります。
しかし、今まで書いてきたように、可愛い愛犬にとってチョコレートは非常に危険な食べ物になります。
他にも、サプリ系など人間の薬や、玉ねぎ、長ねぎなどのネギ類、キシリトール、ブドウやアボガドなど、人に害はなくとも犬にとっては危険なものは意外と身近にあります。
愛犬の命を守るためにも、これらのものは手の届かない場所に置き、人間の食べ物はあげないように気を付けてあげて下さい。
愛犬に危険なチョコレートの量なども記載しましたが、その他の愛犬の危機に、飼い主がしっかり知識を付けることも対処のひとつです。
万が一食べてしまった場合も、慌て過ぎず、病院へ情報を正確に伝えたり、対処を行ったりするなど、落ち着いて行動するようにしましょう。