犬を飼う時にはメス犬を飼うべきか、オス犬を飼うべきか、誰しも迷うでしょう。

一般的な意見としては、犬初心者にはメス犬が良いということも時々耳にします。

実際のところどうなのでしょうか。

ここでは、メス犬を飼う時のポイントについてご紹介します。

避妊手術をするかどうか考える

メス犬を飼い始めたら、避妊手術をすべきか考えなくてはいけません。

メス犬は多くの場合、生後6か月~8か月の間に初回発情を迎えます。

その後はだいたい半年に一回くらいのペースで発情期が来ます。

避妊手術の目的は、女性ホルモンが関連する病気の予防や、発情に伴う負担を取り除くということ、そして望まない妊娠を避けるということでしょう。

まず、女性ホルモンが関連して発生する病気には乳腺腫瘍、子宮蓄膿症、卵巣腫瘍などが挙げられます。

中でも乳腺腫瘍は早期に避妊手術を行えば、その発生リスクを下げることができると研究で明らかになっています。

そのため、病気の予防の目的のために避妊手術を行う場合は、初回発情前に実施した方が良いと考えられています。

また、発情に伴ってメス犬はイライラしたり、食欲が低下したりといった行動の変化が見られることが非常に多いです。

体調を崩してしまうことも少なくありません。

この発情が半年に一回のペースで来るので、犬にとっても大きな負担になることは言うまでもありません。

これらの理由から、繁殖を希望しない場合は避妊手術をすることを選択されることが多いのです。

もちろん麻酔をかけて行う手術なので、リスクは伴います。

でも、それ以上に得られるメリットも大きいのです。

犬を飼ったら生後6か月までの間に避妊手術をするか検討しましょう。

信頼のできる獣医師にしっかりと相談してみることがオススメです。

避妊手術後は太りやすいので気をつける

避妊手術を実施した後のメス犬の変化としては、太りやすくなります。

避妊手術をすると、エネルギーの要求量が30%も減少すると言われているほど代謝が落ちてしまうという報告もあります。

そのため、避妊手術後は太りすぎないように体重を管理してあげる必要があります。

まず量を制限することが大切です。

その他、避妊手術を受けた犬のための食事も販売されているので、食事の内容を変えてみるというのも手です。

例えばロイヤルカナン ベッツプランフィーメールケアという食事はほとんどの動物病院でも取り扱われています。

人間で肥満は万病の元と言われるように、犬でも肥満は糖尿病や心臓病、腎臓病などのリスク因子です。

ちょうど良い体型を心がけましょう。

ボディコンディションスコアという指標を基準にしてみることをオススメします。

避妊手術をしない場合は、発情の時にマナーに気をつける

避妊手術をしない場合は、半年に一回のペースで発情期が来ます。

発情期というのはメス犬がオス犬を許容する状態なので、少し目を離した隙に性行為が始まってしまうことがあります。

もし、発情期のメス犬をオス犬が見つけてしまったら犬は本能的に飛び掛かってくるでしょう。

この状態の犬を無理やり引き離すのは、とても危険で、飼い主さんがケガをしてしまう可能性もあります。

そのため、発情期が始まったらドッグランの利用は避ける、散歩の時間帯をいつもとずらして他の犬と会わないように気を付けるなどのマナーを守る必要があります。

基本的には、他の犬と会わないようにしましょう。

出くわす相手がメス犬であっても、発情期のメス犬は気が立っていることが多いので、ケンカに発展してしまうこともあります。

ペットのことを守る意味でも、他の犬に迷惑をかけないという意味でも気を付けましょう。

メス犬でもしっかりとしつけをする

メス犬の子犬はオス犬以上に小さくて、華奢で叱るのも可哀想と思ってしまいがちですが、家に迎えた日から少しずつしつけを初めていきましょう。

メス犬はオス犬よりは従順なことが多いですが、犬は本能として「群れの中でリーダーになろう」と思うのです。

そのため、可愛い顔をしていても、まだ子犬でも、虎視眈々とリーダーの座を狙っていると思って良いでしょう。

一度犬の中で位付けが決まってしまうと、犬が下とみなした家族には噛みついたりワガママを言うようになったりしてしまいます。

飼い主さんの方がリーダーと、犬にしっかりと認識させることが大切です。

ただ単に怒ったりするのではなく、「ダメなものはダメ」と認識させることがしつけの上では大切です。

しっかりと褒めてあげたり、一緒に遊んであげたりしてコミュニケーションをとれば、良好な信頼関係も築けます。

メス犬は甘やかしても大丈夫ということはありません。

しつけは家族全員で頑張ってください。

メス犬特有の注意点がある

メスの犬は優しいことが多いので、飼いやすいと感じる飼い主さんは多いのが事実です。

ただ、メス犬を飼うとき、オス犬と大きく違うのはやはり発情期(生理)があることでしょう。

家族にメス犬を迎えた際には犬のためにどうするべきか、しっかりと考えて判断してあげることが大切です。