マダガスカルにて作出され、その当時は貴族に愛されていただけでなく、水夫からも、ネズミ狩りや番犬として親しまれていたという変わった犬種のコトンドテュレアール。

一時期は貴族から、「庶民はコトンドテュレアールを飼ってはいけない」という法令が出たのですが、それがほとんど無視されるほどの人気だったようです。

現在でもアメリカを始め、カナダやイギリスなどで人気を集めているコトンドテュレアールはどのような犬なのでしょうか。

愛情深くかつ活発な性格

人懐っこい性格で、飼い主に対しては愛情深く忠実です。

甘えん坊で怖がりな一面も持ち合わせており、少しでも飼い主や家族と離れると不安になってしまうため、長時間の留守番などは苦手です。

その人懐っこい性格のため、子供や他の動物などとも比較的仲良くできます。

警戒心が強いため番犬にも向いていますが、その警戒心の強さや怖がりな性格で、時には長時間大声で吠えてしまうこともあるため注意が必要です。

イタズラ好きで活発な部分も見られるため、そのイタズラが行きすぎないように注意することも必要となります。

コトンドテュレアールの特徴

コトンドテュレアールの体重は5.5kg〜7kg、体高は25cm〜30cmで、分類としては小型犬になります。

披毛は、乾いた綿花のようにふわふわしており、その披毛の様子から、犬名に綿花を表す「コットン」が入っているほどです。

披毛の色は、ホワイト系が多いのですが、中にはブラックやクリーム色の斑が入っている個体もいます。

抜け毛は少なく、においもそれほど気になりません。

耳は垂れ耳で、巻き尾は飾り毛で覆われています。

飼い主や家族を楽しませるため、体を大きく動かしたりする仕草も見せることがあります。

寿命とかかりやすい病気

コトンドテュレアールの寿命は、14歳〜16歳となっています。

かかりやすい病気としては、股関節形成不全や進行性網膜萎縮症などがあります。

股関節形成不全は、関節に歪みが生じ、それによって体に痛みを感じる病気です。

この病気は主に肥満が原因で起こります。

軽症であれば痛みから動くことを嫌がったり、足を浮かせて歩く程度ですが、重症になると歩くこと自体が困難になる可能性があります。

食事管理や運動によって体調管理を徹底すると共に、少しでも違和感を感じたら受診するようにしましょう。

進行性網膜萎縮症は、網膜が萎縮して正常に働かなくなる病気です。

初期の段階では夜に目が見えづらくなり、散歩中などにつまづいたりする程度ですが、悪化してしまうと日中も目が見えづらくなり、最終的には失明してしまう可能性もあります。

この病気は見た目はあまり変わらず、進行も徐々に起こるために見えないことに順応してしまい、なかなか気付きにくいものです。

見極めが難しいため、少しでも違和感を感じたらこちらも早急に受診しましょう。

しつけ方

コトンドテュレアールは少々頑固な面もあるため、まずは服従訓練を行い、飼い主がリーダーだと教えてあげることが大切です。

特にメスの方が独立心が強いと言われているため注意が必要です。

ただ、元々は賢い犬種のため比較的しつけはしやすいです。

先にも記したように、警戒心の強さと怖がりな性格で大声で吠えてしまうこともあるため、無駄吠えしないように教えることも必要です。

しつけ次第では、とても良い番犬にもなります。

基本的に人見知りなどする犬種ではありませんが、他の動物や人物と関わりを持たせないのも良くありません。

子犬の頃から沢山の動物や人に触れ合わせてあげましょう。

飼う際の注意点

活発な面を持っているコトンドテュレアールは、毎日中型犬並みの長めの運動をする必要があります。

毎日1時間前後の運動量が理想的です。

元々が飼い主や家族と過ごすことが大好きなため、思う存分一緒に遊んであげましょう。

ドッグランなどで走り回らせてあげるだけでなく、泳ぐことが好きな一面もあるため、川や海に連れていってあげても喜びます。

披毛は、伸びが早いため毎日のブラッシングやコーミングが必要となります。

お風呂は2週間に一度を目安に入れてあげましょう。

トリミングについては、難しい毛質をしているため、プロに任せる方が安心かと思います。

飼う際は、甘えん坊で飼い主や家族と一緒に過ごすことを好む犬種のため、室内で飼うことが望ましいです。

コトンドテュレアールの特徴を知ろう

人懐っこい性格で、しつけもしやすく、比較的飼いやすいコトンドテュレアール。

しかし、甘えん坊で怖がり故に無駄吠えがあるなどの難点もあります。

披毛の手入れも少々大変で、決して楽なわけではありません。

特性をきちんと理解した上で飼うことが出来れば、とても良い家族になると思います。

どの犬種もそうですが、飼いやすそうだからと安易に飼わず、きちんと特性を理解して飼うようにしましょう。