愛犬をふと抱きしめたとき、なんとなく耳の臭いが気になっとことはありませんか。

それは犬に耳に何かしらのトラブルが起きている証拠です。

一刻も早く原因を突き止め、対策をとりましょう。

耳の汚れ

犬の耳はとても汚れが溜まりやすく、特に耳が垂れている犬種は不衛生になりやすいです。

汚れを放置すると、耳の病気になってしまいますので、マメにケアをしてあげましょう。

耳の中の毛は、あまりにも量が多い場合はカットしてあげると、蒸れの対策になります。

表面部分は専用のウエットティッシュで拭いてあげ、耳の中は、専用洗浄液を使って汚れを出すか、ペット用綿棒にペットショップで売っているイヤーローションを塗って、お掃除をしてあげましょう。

ただ、綿棒を使う場合、犬が嫌がって動いてしまったときに傷をつけてしまう恐れもありますので、自信がないという場合は、先ほど挙げたウエットティッシュを指に巻き付けて、軽く耳の中を吹いてあげましょう。

これをマメに行ってあげるだけでも、耳の中の環境は変わってくるはずです。

耳垢の異常が見られない場合、ほとんどこのケアで異臭はなくなるでしょう。

外耳炎

臭いの他に、ただれていたり、異常なほど耳垢が出るなどの症状がある場合は、外耳炎の可能性が高いです。

すぐに病院へ連れて行ってあげましょう。

垂れ耳の犬は、その通気性の悪さからこれになりやすいのでマメなケアを心がけましょう。

やはり、耳掃除を怠ると外耳炎になりやすく、また気付きにくく悪化させてしまうこともありますので気を付けましょう。

疥癬(かいせん)

これは主にミミヒゼンダニと呼ばれるダニが繁殖して炎症を起こすことです。

特徴として強い異臭、また、かなりの痒みも伴うようです。

犬が頭を振ったり、異常に耳を掻く場合はこれを疑いましょう。

また、耳が黒ずんでいる場合も疥癬の可能性が高いです。

これも病院での治療が必要です。

原因としては日ごろのケア不足、また既にミミヒゼンダニに感染している動物からうつることもあるそうです。

耳垢に大量に卵を産むので感染力が大変強いものです。

二匹以上の犬を飼っている方は拡散してしまうのを防ぐのも重要です。

ダニ、卵を耳の中から除去するには、耳の洗浄と投薬を数週間行う必要があります。

カビ

マラセチアというカビが原因で結果的に外耳炎を引き起こしているケースです。

これも耳垢の量が増えるため異臭を放ちます。

人間でいう水虫感染のような状態と言えるでしょう。

この場合も専用の薬を使った治療が必要なので、獣医さんに診てもらいましょう。

外耳炎が長引くと耳が腫れあがったり、最悪の場合、鼓膜が破れてしまうこともあります。

そして、このカビは犬の皮膚のどこにでも存在しているので、ケア不足は繁殖の大きな原因になります。

少し手間のかかる作業ではありますが、愛犬のためですので、しっかり時間をかけてあげましょう。

アレルギー

アレルギーが原因で炎症を起こしている場合です。

これはケアというよりも基礎疾患を治療する必要があります。

薬をもらったり、アレルギー用のドッグを食べさせて体質改善をしてあげましょう。

もちろん、耳のお掃除もしてあげてください。

耳の異臭について、いくつか原因を挙げてきましたが、それらは全て日ごろのケアで防げるものばかりです。

とは言え、耳の外側はともかく、犬の耳の中の皮膚は思いの外デリケート。

傷つけるのが怖くてなかなかできないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、耳の中の掃除のポイントをご紹介します。

まず、犬が動かないように、しっかり押さえます。

次に、耳用洗浄液をたっぷり入れ、耳の根元をよくも揉みます。

あくまで、マッサージをするつもりで優しく行ってください。

そのあと、犬が頭を振るのを待って、それによって外に出てきた汚れを柔らかいコットンなどで拭いてあげましょう。

できたら、専用のウエットティッシュを使ってあげると良いでしょう。

これで、耳の中のケアは完了です。

終わった後にご褒美をあげるのを忘れずに。

6.寄生虫の感染

犬や猫の耳に寄生する虫はいくつかありますが、主なものにミミヒゼンダニというものがいます。

多くは子犬の際に、感染した母親もしくは兄弟犬との濃密な接触によって感染します。

成犬が普通に散歩している程度ではまず可能性は低いでしょう。

最近2頭目を迎え入れた、子犬と長い時間遊ばせたなど、心当たりはありませんか?

複数の犬を飼っている場合は、すでにみんなが耳ダニに感染しているかもしれません。

激しい痒みと真っ黒な耳垢がごろごろ出る事が特徴で、ぽろっと落ちた耳垢をよく見ると、動くダニが見えたりもします。

このダニが移動し感染します。

掃除をした後の綿棒やコットンについている事もあるので、後始末はきちんとしましょう。

治療の多くは点耳薬になりますが、この数年ではフィラリア予防と同時にできるスポット剤も発売されました。

毎月の予防と一緒に出来れば一石二鳥ですね。

フィラリアの予防薬はいくつか種類がありますので、かかりつけの病院に相談してみましょう。

掃除のしすぎ

汚れやすい体質の子であっても、掃除の頻度は一週間に一度くらいにしておきましょう。

立ち耳の柴やミニチュアピンシャーなどは二週間に一度、軽く拭くくらいで十分です。

綿棒でぐりぐりと奥までキレイにしようとしたり、お手製のイヤークリーナーなどは、逆効果になってしまいます。

軽い汚れ程度であれば、見える範囲を市販のイヤークリーナーで浸したコットンで優しく拭いてあげて下さい。

頭をぶんぶんとふる日常の動作で、耳道の奥の汚れは自然に押し出されてきます。

定期的にシャンプーカットをサロンにお願いしているならば、たいていのメニューに耳掃除は含まれていますので、お迎えの際にお耳の汚れについて尋ねてみましょう。

自宅でのお手入れの参考になります。

耳毛を抜くのは、熟練の飼い主さんなら自分で行う方もいますが、鉗子やピンセットで耳を傷付けてしまう原因の一つです。

無理はしないようにしましょう。

犬の耳の臭いを解消しよう

耳の異臭の他に、耳垢に異常が見られる場合は、まず病気を疑いましょう。

そして、そうならないためにも、定期的に耳のお掃除をしてあげましょう。

そうすることによって、臭いだけではわからない耳の異常を見つけてあげられますし、早期発見すれば、長引かずに済みます。

また、彼らの動きにも注意を払ってあげることも大事です。

しきりに耳を気にする・掻くなど、わかりやすく合図を出してくれていることもあります。

彼らは言葉でそれを伝えられないので、我々が気にかけてあげることが大切です。