犬は、何でも食べたがりますし、何でも食べてしまうところがあります。
特に飼い主が食べているものには、興味津々になり激しく食べたがることが多くあります。
その中でも、パンは犬にとって食べたがる要素を多く持った食べ物です。
どの犬もパンを見せると食べたがりますし、パンを与えるとよく食べます。
しかし、犬にパンをあげることに問題はないのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
犬にパンをあげることについて、どのような注意点があるかご紹介します。
犬にパンを与える量
犬にパンを与える最大量の目安は、通常与えているドライフードを握った量より少なめ程度だと考えてください。
ご存じの通り、パンは小麦粉を膨らませた食べ物です。
人がパンを食べた時に、満腹感が得られるのは、パンと水分が胃の中で合わさり、パンが膨張するからだと言われています。
犬の水の飲み方を見ると、食べ物に対して多量の水分を摂取していることがよくわかります。
また、パンには油分・塩分が多く含まれているため、自然と犬は多くの水を飲むようになります。
犬が多くのパンを食べたとすると、さらに多くの水分を摂取し、胃の中は膨らんだパンでいっぱいになります。
このような場合、最悪は消化不良を起こしてしまい、嘔吐できればまだしも、胃拡張や胃捻転の症状を引き起こすこともあります。
パンの種類
犬にパンを与えるとしたら、食パンやロールパンなどプレーンなパンしましょう。
普段人がよく食べるお菓子パンやお惣菜パンには、様々な食材が含まれています。
その食材の中には、犬が苦手もしくは禁忌の食材が入っている可能性も高いです。
例えば、お惣菜パンには犬には禁忌の食材であるネギ系の食材が入っています。
また、お菓子パンは砂糖やバターなどが比較的多く使われているため、継続的に与えることで、犬の肥満や糖尿病にすぐ繋がります。
チョコレートがチップになって含まれているものがありますが、これは犬にとっては禁忌の食材なので、与えることは絶対にやめましょう。
人が普通に食べている食べ物であるパンであっても、犬にとってはあまりよくない食べ物であることが、これらのことでよくわかります。
パンに含まれる塩分
パンを作る時には、プレーンなパンであっても多くの塩を使います。
犬の適切な塩分摂取量は、人の適切摂取量とほぼ同じと言われています。
前述の与えても良い量さえ気をつけていれば、パンに含まれる塩分の犬への悪影響はないと考えても良いでしょう。
ただし、高齢の犬や、心疾患・腎疾患を持つ犬には、パンは控えてください。
犬が通常食べているドッグフードには、適切量もしくはそれ以上の塩分が含まれています。
その塩分量に加えて、おやつのつもりのパンが含む塩分量を摂取することは、心臓や腎臓に悪影響を与えることになりかねません。
パンの原材料を確認する
パンは人が食べるために作られています。
そして、人が食べたくなるように様々な工夫がされていて、その工夫に利用されている材料が、人にも犬にも身体に良い影響を与えない成分である場合もあります。
従って、パンの原材料は必ず確認するようにしてください。
昨今話題になっているマーガリンは、トランス脂肪酸が多く含まれているため摂取を控えた方が良いと言われています。
犬への影響がどの程度あるのか、公式な見解は見たことがありませんが、犬にも人と同じ動脈硬化や心疾患があるのですから、気をつけてあげる方が良いと考えます。
また、合成保存料や着色料が使われている製品も少なくありません。
プレーンなパンであっても、これらの成分を含むパンを与えることはやめましょう。
パンを食べる犬の様子を観察する
犬にパンを与える時は、ちぎって小さくして与えるようにしましょう。
そして、食べる様子は観察しておいてください。
犬が普段食べているものに比べて乾燥している食べ物であるパンをがぶ飲みして喉に詰まらせることもあります。
特に大型犬の場合は、小さくちぎって与えても、口に全てを含んで丸呑みする傾向があります。
これは喉に詰まらせる原因の一つになります。
また、パンを食べた後に水をがぶ飲みして、それが喉に詰まって咽せることも少なくありません。
喉に詰まった様子をみつけたら、背中を軽く叩き、さすってあげることで吐き出せることがほとんどです。
パンの種類を選んで適量を犬にあげる
必ずしもパンが犬に悪影響ばかり与えるとは言えませんが、与えることは控えた方が良い食べ物であると考えた方が良いでしょう。
犬専用のパンも市販されていますので、それらを適量与えることを検討してください。
可能であれば、飼い主お手製の無塩バター・塩抜きのパン、もしくは蒸しパンを適量与えることをオススメします。
パンに限ったことではありませんが、犬は食べ物を与えれば与えただけ食べてしまうものです。
飼い主がきちんと管理した食べ物を、適切な量だけ与えるようにすることが重要です。