書店には数えきれないほどの絵本が並び、子供も大人も自分に合った絵本を探して目をキラキラさせています。
さて、そのたくさんの本の中で、犬が出てくる絵本はどれくらいあるのでしょうか。
ここでは、犬が出てくる絵本をご紹介します。
「ずーっとずっとだいすきだよ」
作・絵:ハンス・ヴィルヘルム、訳:久山太市、評論社
小学校の国語の教科書にも出てくるお話です。
エルフィーとの別れを描いた作品ですが、エルフィーが年老いて死んでしまった時、「ぼく」はいつも「エルフィー、ずーっとだいすきだよ」と言ってあげていたので、少しは悲しみが楽でした。
他の家族は、「言わなくてもわかる」と思って、誰もエルフィーに「愛してる」と伝えてやっていなかったのです。
これってなんだか人間同士にも共通する、大切なテーマですよね。
あなたは、愛している人に「愛している」と伝えていますか?
「ボクものがたり」
作・絵:いもとようこ、金の星社
表紙の小さな犬がとってもかわいい、いもとようこさんの絵本です。
表紙のかわいさのあまり手に取ってみる方も多いようですが、実はこれは捨てられた犬目線の、涙なしでは読めない一冊です。
「今日から家族だよ」って言ってくれた飼い主が、次第にかまってくれなくなり、犬は殺処分へと向かいます。
子供さんにもわかる内容ですので、親子で一緒に命の大切さを改めて考えてみるきっかけになりますよ。
犬を飼っている方も、これから飼いたいと思っている方にも、ぜひ一度手に取ってもらいたい絵本です。
「100ぴきのいぬ100のなまえ」
作・絵:チンルン・リー、訳:きたやまようこ、フレーベル館
表紙の女性が、飼っている100匹の犬の名前を次々に紹介していくという内容。
一頭目は「もわもわ」。そして「ちゃんと」や「いつも」と続きます。
絵本というよりは、名前辞典に近い感じもしますが、犬好きにとっては、それがなんだかかわいくて面白くて、ついつい微笑んでしまいます。
絵本ですから、こどもが面白いと思うことを意識して書かれているのかもしれません。
そして最後は100匹の犬の名前を遠くに向かって叫びます。
すると・・・結末が気になる方は、絵ぜひご自分で絵本を手にとってみてください。
「おいぬさま」
作:荒戸里也子、白泉社
変わったもの好きの殿様がようやく手に入れたペット「おいぬさま」は、なんとなんと、超巨大な犬だったのです。
狆(ちん)という小型犬なのに、超巨大。
この設定だけで面白いですよね。
この「おいぬさま」にふりまわされる家来たちの姿がまた滑稽です。
「おいぬさま」が散歩をしたり、おしっこをしたり、と普通のことをしても、ガリバーのような大きな小型犬ですから、家来たちは大変な騒ぎ。
江戸時代の話し口調もまたこの絵本の魅力のひとつです。
ついつい声に出して読んでしまうので、読み聞かせにもいいですね。
「いぬとねこのおんがえし」
日本民話、絵:太田大八、鈴木出版
「鶴の恩返し」は日本人ならほとんどの人が知っている話ですが、こちらは「いぬとねこのおんがえし」です。
ジブリの「猫の恩返し」とも違います。
家来に仏像を盗まれてしまった長者さんのために、長者さんのところでお世話になっていた犬と猫が仏像を取り戻しに行くというお話です。
野を超え山を越え、長者さんのために頑張ります。
日本の民話ですから、「お世話になった方にはご恩返しをしましょう」という教訓を含んでいるのですね。
犬、猫がみんな、飼い主さんに忠実であってくれると良いですね。
「いぬおいで」
作:武鹿悦子、絵:小野かおる、リーブル社
「うれしいうれしいぴきぴきうれしいうれしいぺろぺろ」と、犬の微笑ましい様子をリズミカルに綴っています。
ただただかわいく、温かい気持ちになれる絵本です。
悲しいことなど一切出てきませんので安心して読むことができます。
「いぬのおしりのだいじけん」
作:ピーター・ベントリー、絵:松岡芽衣、訳:灰島かり、ほるぷ出版
犬たちはどうしておしりの臭いをかぎあうの?という疑問から始まる物語。
犬好きにはたまらない、ユーモアたっぷり、犬の愛嬌たっぷりの絵本です。
犬たちは、パーティー会場の入り口で、当たり前のようにお尻を脱いで「おしりかけ」にかけるのです。
さてさて、一体どうして犬たちはお尻をかぎあうのでしょう?
ぜひ絵本を読んで確かめてみてください。
きっと犬好きの誰かに話したくなることでしょう。
犬が出てくる絵本たち
まだまだ、犬の出てくる絵本はたくさんあります。
とてつもなく明るいユーモアに溢れるものから、読むと心温まるもの、捨て犬という深刻な問題を扱ったもの、その主題はさまざまです。
犬好きさんも、そうでない方も、ぜひいろいろな犬の絵本を手に取って読んでみてください。
そして、笑ったり、少し考えたり、してみてくださいね。