新陳代謝の一環としてある程度のフケが出るというのは、人間にとっても犬にとっても正常なことです。
ただし、その量が明らかに多くなってくると、体に何らの問題が生じている可能性があります。
では、犬のフケが目立つ時の対処法についてご紹介していきましょう。
病院で診察を受ける
対処法として最もシンプルで効果的なのは、病院で診察を受け、正確な原因を突き止めることです。
フケが多くなる原因には様々なものがありますが、中にはダニや寄生虫などが原因の皮膚炎や、脂漏症などの病気にかかっていることが原因である場合もあります。
自分の目視でそれらの原因を見分けることは難しいですので、専門家に診てもらうのが安心です。
ちょっと乾燥しているだけだろう、などと安易に判断して放置してしまうと、症状が慢性化したり、炎症が広がって二次的な病気に繋がってしまう危険性もあります。
いつもより明らかにフケが多いと感じ、原因も思い当たらない時は、まずは病院に連れていくことが大切です。
シャンプーのやり方を見直す
犬に限りませんが、シャンプー後のすすぎが足りず、毛や皮膚にシャンプーの液が残ってしまうとフケの原因になります。
シャンプー後は、必ず丁寧かつ念入りに洗い流してあげましょう。
また、シャンプーのしすぎも皮膚の健康に必要な皮脂を過剰に落としてしまい、結果的に皮膚にダメージを与える原因になります。
体質や毛の長さ、住環境などにもよりますが、多くの犬は月に1?2回程度のシャンプーで十分です。
他にも、シャンプー自体が体質に合わないという可能性も考えられます。
人間用のシャンプーは使わないというのは勿論のこと、肌に合っていないように感じたら、なるべく低刺激なものに替えるなどの工夫をしてください。
濡れたままの体をそのままにしておくとカビが繁殖しやすくなり、様々な皮膚病ひいてはフケの原因になります。
体が濡れた後は、必ずよく乾かしてあげましょう。
暖房による乾燥を避ける
冬場に特に気をつけたいのが、エアコンの暖房による乾燥です。
寒い時期はどうしても暖房をつける機会が多くなりますが、エアコンの暖房を長時間付けていると空気が乾きがちになります。
そして、皮膚の乾燥はフケが出やすくなる原因の一つです。
例えば部屋に加湿器や濡れタオルを置いたり、暖房をつける時間をいつもより少し短くしたりするなどして、室内の湿度を下げすぎないように工夫すると効果的です。
また、室内にサークルなどを置いて犬用のスペースを設けている場合、暖房の風が直接犬に当たると暖まりすぎて肌が乾燥しやすくなりますので、風が直接当たらないような配置にしてください。
フードを替えてみる
フケが増える原因の一つとして、食べ物が体に合っていないという可能性も考えられます。
特に脂質の不足がフケの原因になります。
最近は犬も食べすぎや運動不足から肥満化の傾向があり、脂質などはあまり摂らせないようにしている人も多いかもしれませんが、しかし脂質も必要な栄養素の一つです。
エネルギー源として、あるいは細胞膜や血液を構成する成分としての働きが有名ですが、皮膚や被毛を構成する成分の一つでもあります。
この栄養が不足することで、被毛のツヤがなくなったり、皮膚が乾燥しやすくなったりします。
何だか肌が乾燥気味で元気がないと感じたら、一度別のフードを試してみるのも良いかもしれません。
ただし、犬のフードを切り替える時はいっぺんに全てを替えるのではなく、消化器官への負担を考慮して1?2週間かけて少しずつ替えるようにしてください。
ストレスを避ける
意外に思うかもしれませんが、ストレスもフケが多くなる原因になり得ます。
ストレスから来る犬の問題というと、吠えたり攻撃的になったりといった行動面での変化を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、ストレスはフケや脱毛、体臭の変化などの肉体的な問題も引き起こすことがあります。
恐怖や緊張、寂しさ、痛みなど原因は様々ですが、そのようなストレスが慢性的に続くことで、これらの問題を引き起こすリスクが高まります。
最近フケが増えたけど原因が思い当たらないという場合は、コミュニケーションが不足していないか、厳しすぎる接し方をしていないかといった点を振り返ってみてください。
普段から愛犬とよくコミュニケーションを取り、こまめにブラッシングをするなどして、直に体に触れることはとても大切です。
毎日触れ合うことで寂しさによるストレスを解消するとともに、体調の変化にも気づきやすくなるからです。
犬のフケの原因を突き止めて対処しよう
他の病気にも共通して言えることですが、まず病気を未然に防ぐという意味では、やはり普段のケアやスキンシップが重要になります。
そして何か異変を感じた時は、「たかがフケくらい」と放置せず、正確な原因を突き止めるようにしましょう。
もちろん、自分で原因が分からないときは、無理をせず早めに病院に連れて行くという判断も必要になります。
是非、小さな体調の変化でも敏感に感じ取って、愛犬の健康を守ってあげてください。