犬は好奇心が旺盛な為、興味ある物をかじったり、飲み込んだりする習性があります。

特にパピー(生後1年未満)時代の犬は、経験が無く見る物、触れる物全てが好奇心の対象になるので要注意です。

新しくペットとして犬を迎え入れる際は、生後半年を過ぎた頃であり、新居内にある全てが誤飲の対象となりますので、環境の整備が整ってから迎え入れる事が望ましいです。

しかし、誤飲は突如として起きる事ですので、注意していても発生します。

では、誤飲した場合、飼い主はどう対処すれば良いのでしょうか。

呼吸が荒く、明らかに様態がおかしい場合

これは異物が気管や胃などの内臓に影響を及ぼしている可能性が高く、気管支に引っかかっている、胃に突き刺さっている等、緊急対処が必要になります。

まずは慌てず、病院にて説明が出来る様に誤飲した物を確認し、犬の具合がどのように異常であるか、いつからおかしいのか、気が付いたのは何時かを頭の中で整理しながら動物病院へ連れて行って下さい。

緊急を要するので家を出る前に、動物病院へ電話を入れて様態を話す事を忘れないで下さい。

電話で予約を入れる事により到着後、即対応してもらえるようになり、間に合わなかったという最悪の状況を回避する事が出来ます。

食事を取らなかったり、食事を残す様になった

誤飲による明らかな変化は無いものの、食欲が無い、少量しか食さなくなったという日が続くようであれば、胃の中で異物が作用している可能性を考えて下さい。

食欲が無い日々が続くようであれば、犬が入り込みそうなベッドやソファー、テーブルの下に異物の破片が落ちていないか確認する事が必要です。

人形の綿カスや、プラスチック製品を噛んだ形跡があれば、誤飲を疑い動物病院へ連れて行きます。

異物があるかの診断はレントゲンで分かる物と分からない物がありますが、金属類を飲み込んでいた際には明らかにわかりますので、必要な対処を取る事が出来ます。

金属類を誤飲していた場合は、胃や腸に突き刺さる事も考えられますので切開手術を行い、術後の経過観察が必要になります。

普段から金属類は一番誤飲して欲しくない物なので、犬が触れる範囲に置かない事を心がけて下さい。

明らかな変化は無いが、誤飲した形跡がある

物にもよりますが、プラスチックを砕いた形跡や、人形等の綿をかき出した形跡が見られる場合は事を急がずに、まずは環境を変える事から始めましょう。

誤飲する可能性のある物は全て除外し、これ以上の誤飲を防ぐ事に努めて下さい。

そして、普段の排便をビニール袋へ入れ指で潰して異物が出て来ているか確認します。

プラスチックの場合はゴツゴツとした感触があり明らかに分かりますので、上手く排泄している様であれば数日確認を続け、異物を感じなくなるまで検査します。

大抵の場合プラスチックや綿の場合は、上手く胃や腸を通過してくれますので、全て排泄が終わる事を確認出来た時点で病院へ行く必要はないと思われます。

勿論、排泄物の確認と同時に犬の様態の変化も気にかけておきます。

特殊品を誤飲した場合

犬は、男性が使う「簡易髭剃り」等プラスチックと金属が混じった物を誤飲する事があります。

プラスチックは上手く排泄される可能性がありますが、金属は食道、胃、腸のどこかで刺さる可能性があります。

髭剃りの金属は細長い為、上手くいけば無事に排出される事もありますが、運悪く引っかかる事もあり、金属が錆びたり、腐食する事による二次的な症状が出る事も想定して下さい。

金属誤飲の際は慌てる必要はありませんが、動物病院へ行きレントゲンで確認を取って下さい。

確実に写真に反映されますので、病院と今後の処置について経過観察をするのか、切開手術を行うのか話し合う必要があります。

タバコを誤飲した場合

犬が誤飲する物で上位を占めるのがタバコの誤飲です。

人間では考えられませんが、犬には誤飲してはいけないという知識はありませんので、吸った後のタバコでも、吸う前の箱に入ったタバコでも決して犬の届く範囲に置いてはならない物です。

タバコの誤飲の場合、身体を通過すれば良いのでは無く、体内に長く留まれば、ニコチンによる二次被害が必ずありますので、即時に動物病院へ連れて行きましょう。

嘔吐させる事により、大抵のケースは対処出来ますので早期発見が必要です。

もし、発見が遅れた場合は動物病院の指示のもと、薬による療法や切開手術を行うといった判断を迫られますので、日頃から注意しておく事が必要です。

犬の誤飲を事前に防ごう

犬は、人間が思ってもいない不意な物にまで興味を示します。

そして、誤飲した際には何等かの身体的被害が出ます。

一般的に犬を迎え入れるのは生後半年から1年未満が多いと思われますが、一番誤飲しやすい時期でもあるので、飼い主が犬に対しての知識、犬を迎え入れる為の準備を行う必要があります。

折角の犬との楽しい日々を、誤飲といった飼い主の注意一つで解決出来るはずの事を怠ったが故に、下手をすれば一生後悔する事になりかねません。

不幸な事故を防ぎ、愛犬との楽しい生活を送るには、飼い主の配慮と自覚が重要となります。