パンティングとは何か

パンティングとは何か。犬の異常なパンティングは肺や心臓の病気かも

最終更新日:2015年10月16日

愛犬家の皆さん「パンティング」という言葉をご存知でしょうか?

夏などの暑い時期や散歩終わりに、犬が舌を出してハァハァと激しい呼吸をしていますよね。

あの行為がパンティング(あえぎ呼吸)と呼ばれるものです。

犬が舌を出している様子を見ると「暑いのだろう」と思うのが一般的だと思いますが、実はそれ以外にもいくつかの理由があるのです。

そこで今回は、パンティングとその主な理由について解説します。


1.パンティングとは?なぜパンティングするの?

全身から汗を出して、その気化熱により体温を下げている人間に対して、犬は肉球と指の間からほんの少しの汗が出るだけなので、発汗による体温調節はほぼ出来ません。

その代わり舌を出して唾液を蒸発させ、その気化熱により体温を下げています。

パンティングとは、犬が体温調節をする為の重要な生理現象です。

犬がパンティングをしている時は部屋を冷やしてあげたり、日陰に避難して水を飲ませるなどの対処をしましょう。

ただし、ここで注意しなければならない事があります。

健康な犬の呼吸は1分間に15~30回と言われ、それよりも極端に多い数の呼吸をしていたり、胸や腹の動きが普段と比べておかしいなどの症状が見られる場合は何らかの病気の可能性があるので、すぐに病院で受診する様にして下さい。

実はパンティングの裏に、大きな病気が潜んでいる可能性があるのです。

そこで、パンティングから考えられる病気についてご紹介します。


2.心臓の病気〈心不全〉の可能性

心機能に異常が現れると充分な血液を送り出す事が出来なくなるので、全身が酸欠状態になってしまいます。

これが「心不全」と呼ばれる病気です。

初期ではパンティングや空咳が見られますが、進行すると安静にしていても咳が出たり、呼吸困難になりチアノーゼという舌が紫色になる症状が出て来ます。

時には失神してしまう事もあり、この様な状態になると残念ながら長生きをする事はかなり難しいとも言われています。

マルチーズやプードルなどの好発犬種もありますが、ほぼ全ての犬種が罹患する可能性のある心臓病です。

一度発病すると完治させる事は不可能になりますが、早期発見により内科的治療で進行を遅らせる事が出来るので、決して諦めないで下さい。

心不全になると必ず心臓に雑音が入るので、予防接種などで病院へ行った時には心音を聴診してもらい、雑音が無いか確かめてもらいましょう。

3.肺の病気〈誤嚥性肺炎〉の可能性

飲み水や食べ物が口腔内常在菌と共に誤って肺に入り、肺が炎症を起こしている状態を「誤嚥性肺炎」と呼びます。

飲み込む力が低下してよだれを吸い込んでしまったり、吐いた時に嘔吐物を気管支に飲んでしまって発病する事もあるので注意が必要です。

症状としては、苦しそうな呼吸をしたり咳をしたりするので風邪と間違われる事もありますが、肺炎を起こしていると肺に白い影が映るので、レントゲン撮影をすればすぐにわかります。

軽症の場合は抗生物質の服用のみで治癒しますが、肺の中は菌の繁殖にとても適している為、一週間程度で急に悪化してしまうケースもあります。

誤嚥性肺炎にならない様に、ゼラチンで作った嚥下食に切り替えたり、食事をゆっくり食べる様に普段からしつける事が大切です。


4.ホルモンの病気〈クッシング症候群〉の可能性

クッシング症候群は、脳下垂体や副腎に出来た腫瘍により副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気で、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれています。

大型犬よりも小型犬の方がなりやすく、8歳頃から発症する事が多いと言われます。

主な症状はパンティング・腹部の腫れ・左右対称の脱毛・多飲多尿などで、環境や生活に大きな変化が無いのにいつも以上に水を多く飲んでいる時は要注意です。

好発犬種はプードル・ポメラニアン・ダックスフント・ボストンテリア・ボクサーなどです。

腫瘍が出来る場所ですが、脳下垂体が全体の約80%、副腎が約20%で、それぞれ良性の場合と悪性の場合があります。

治療法については腫瘍のタイプや出来た場所によって、外科手術・放射線治療・薬物治療を行いますが、薬物治療は一度投薬を始めると一生薬を飲み続けなければならない事があります。

また、免疫力が低下する為に様々な感染症になりやすく、糖尿病や高血圧症を併発する事も多いので放置しておくと命の危険を伴います。

5.心の病気〈分離不安症〉の可能性

暑い訳でもなく、身体的異常も見られないのにパンティングを繰り返す場所は不安症の疑いがあります。

そんな不安症の中でも「分離不安症」は、人と共に暮らす犬が特にかかりやすい病気と言えます。

この病気になると、むやみに吠えたり遠吠えをしたり、パンティングや下痢嘔吐など様々な症状が出て来ます。

飼い主の気を引く為に自分の足などを舐めて、毛が抜けたり炎症が起きてしまう舐性皮膚炎もしばしば見られる事があります。

これらの症状を抑える為には、飼い主と犬がお互いに強い依存心を持たない様にする事が重要になります。

犬との程よい距離を保ち、規則正しい生活を送って、犬が落ち着ける静かな環境を作る様にして下さい。

犬の異常なパンティングは病気のサイン

一見、熱を発散させているだけだと思っていたパンティングも、実は裏には病気が隠れている可能性があります。

言葉を話す事の出来ない犬にとって、私達飼い主に危険な状態を知らせる唯一の手段です。

様々なシグナルを見逃さない様に注意して、大切な愛犬の命を守ってあげて下さい。

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