未曽有の災害に巻き込まれる可能性はどの地域に住んで居てもあります。
私達人間の身を守ることが最優先ではありますが、犬を飼っていらっしゃる方は愛犬を切り捨てるなど出来るはずもありません。
ですが、被災地では人間の支援の方が優先されます。
ご自身で飼ってらっしゃる犬はご自身で守るしかありません。
そこで、被災した際、愛犬の為に備えておくと良い必要最低限のものをご紹介します。
大前提。エサ・水
被災後は被害が大きければ大きいほど、人間でさえままならない食糧確保。
分けてもらえるなど考えずにしっかり備蓄しましょう。
災害発生時は混乱や状況把握に時間がかかります。
支援も道路が寸断される可能性もあり、助けも無いまま幾日も過ごす事はザラです。
最低でも3日分は用意しましょう。
エサはドライフードを与えているご家庭が一般的だと思いますが、1kg2kgという重さを持ち運ぶのは現実的ではありません。
持ち運ぶのに便利な缶詰をオススメします。
その上で、ドライフードを多めに備蓄しておけば、場合によっては避難所から自宅に取りに行くことも可能です。
水の用意も忘れないでください。
断水されれば水分補給の方法が断絶されてしまいます。
人間の水はミネラルが多すぎてオススメ出来ません。犬用の水を用意してください。
喉が渇くと、雨水や泥水など危険な水を体内に取り入れてしまいます。
その後のケアが大変になってしまいます。
また、エサ・水を与える為の簡易トレイの準備も必要です。
折り畳み式の軽量なトレイが販売されているので手軽で持ち運びやすいものをお選び下さい。
エサ・水は最低でも3日間と記載しましたが、被災地、避難所の環境を考えるとペットの支援は遅れがち。
余裕を持って1週間は常備しておきたいですね。
トイレ用品
犬の排泄場所は避難所に設置されていない為、こちらも自分で用意しなければなりません。
排せつ物の処理も自ら行います。
まず、ペットシート。
薄手で軽量なので、避難が長引いた際にも対応できるように余分に持っていた方が心配がありません。
そして、折り畳み式の簡易トイレの用意。
何時もと違う場所で混乱するのは犬も同じ。
緊張でトイレを我慢することがないよう、使い慣れたものがあると便利です。
非常用。と銘打っていなくてもお出かけ用として販売しているので、普段から一緒に外へ出かける場合はこの折り畳み式簡易トイレを使用し、被災した際も同じものを使うことをオススメします。
排泄したあとの処理ですが、断水されていれば人間用のトイレに流して処理することは出来ません。
ビニール袋に保存する場合、匂いが一番気になります。
犬用消臭スプレーは排泄以外でも使う場面が多いので、必ず一本用意しましょう。
人間用にも使えるビニール袋は大目に準備しておく事が妥当です。
リード・キャリーケース
犬同伴で避難、というのはペットを飼っていた方にならその気持ちは分かってもらえますが、根からの犬、動物嫌いの方も多数いらっしゃいます。
そういった苦手な方、また犬が吠えたり逃げ回ったりしない様に飼い主が安心し、また犬も安心できる環境を整えてあげることが必要です。
リードは普段使っているものを持って避難して頂いて構いません。
ただし、取り出しに時間が掛かるような場所に置くこと避けてください。
犬用の非常用持ち出し袋の近くに置き、いざというときすぐに手に出来る様にしてください。
それが出来なければ別に準備をしてください。
キャリーケースも普段使いの物で構いません。
しかし、網タイプで中と外にあまり区切りが無いものを使用している場合は、布を一枚別に持ってカゴを覆うようにしてください。
普段と違う状況で興奮する犬を抑える働きと、犬が苦手な方への配慮です。
証明書・薬
避難所にペット同伴で入ることが可能な場合がありますが、その際持っていないと追い出されてしまうものがあります。
それは「狂犬病ワクチン接種済み証明書」です。
何度も言いますが、同一空間に不特定多数の人が出入りする避難所。
病気、感染症は避難者に一気に広がります。
少しでもその不安要素は取り除きたいのです。
「狂犬病ワクチン接種済み証明書」を頻繁に取り出す機会が無いのであれば、初めから非常用持ち出し袋の中に保存しておけばわざわざ探す心配もありません。
犬が持病を持ち、薬を服用しているのであれば、その説明書も入れておくべきです。
薬が無く、苦しむのは犬たち。
主治医に相談し、非常時の為に余分に薬を貰い用意しておくなどの対策を今のうちに行ってください。
犬のために災害に備えよう
以上が災害の際に備えておくべき犬用の「家庭内備蓄」です。
勿論これらのものは本当に最低限です。
飼っている犬に合わせて必要なものもあるでしょう。
例えば、寝るときにいつも使用している毛布だったり、ストレス解消のためのおもちゃであったり。
小型犬であれば、ガラス、がれきを踏んで怪我をしない様に服や靴を履かせるという対策もあるでしょう。
人間と同じように犬も災害が起こった場合非常に強いストレスを感じます。
そのストレスを出来るだけ軽減するのが飼い主さんの役目です。
そして、その家族である犬の事をわかってあげられるのも飼い主さんです。