犬も人間と同様に、歯磨きをしないと歯石が溜まっていきます。
しかし、歯ブラシを嫌がる犬が多いため、子犬の頃何度かしたが、それっきりになってしまったという方も、多いのではないでしょうか。
犬の唾液には、ミネラル成分が多く含まれているので、人間より歯石が着きやすいと言われています。
特に口が小さい小型犬ほど、食べカスが口に残りやすく、歯石も着きやすいです。
歯石が溜まると、歯周病を起こして、肝臓や腎臓、心臓まで影響を及ぼし、大きな病気を引き起こすと言われています。
愛犬の健康を維持する為には、適切な口腔ケアが不可欠です。
そこで、歯石を除去する方法を、ご紹介します。
自分でスプレーを使う
動物病院で歯石を取ってもらうには、全身麻酔をしたり、無麻酔で行う場合は押さえられたりして、怖い思いをしなければなりません。
麻酔による愛犬の身体への負担が気になる方も多いのではないでしょうか。
犬にとっては、動物病院で処置を受けること自体、大きなストレスになるのも事実です。
最近では、歯石の着いた箇所にスプレーするだけで歯石が取れる商品が、多く販売されています。
自宅で飼い主が行ってあげられるので、愛犬のストレスも違ってくるでしょう。
病院で歯石を取ってもらうよりも、コストがかからないメリットもあります。
ただ、毎日、朝晩スプレーしなければならない事と、歯石の着き具合にもよりますが、キレイになるまでに半年近くかかることもあり、4ヶ月使うと、商品にもよりますが、17,000円ほどかかるので、病院で歯石を取るのと変わらなくなるケースもあります。
コストよりも愛犬への身体の負担を重視する場合に、良い方法と言えるでしょう。
愛犬に手間や時間をかけることが難しい人には向かない方法でしょう。
自分でスケーラーを使う
自宅で飼い主が自分で行える、歯石取りの方法として、スケーラーを使う方法があります。
スケーラーとは、歯医者さんで見かける、歯石を子削げ落とせる器具のことです。
様々なものが販売されていますが、犬用よりも人間用の方が質も良く値段も手頃なので、愛用している方が多くなります。
2,000円から3,000円で買うことができます。
スケーラーで歯石を取るためには、犬が口を開けて、ある程度じっとできることが前提となります。
これができない犬は、かえって歯茎を痛めたり、歯石をきちんと取り除けないので、オススメできません。
慣れもありますが、スプレーよりは技術が必要な方法です。
動物病院で麻酔をして行う
動物病院では麻酔を行う前に、必ず血液検査を行います。
麻酔をしても大丈夫か確認する為です。
結果が大丈夫であれば、全身麻酔をして、超音波スケーラーと手でスケーラーを使って、歯石を取り除いていきます。
研磨も行ってくれるので、表面が滑らかになり、処置後も歯石が着きにくくなります。
犬の大きさにもよりますが、金額的には、小型犬で20,000円から30,000円といったところでしょう。
抜歯をしなければならないケースもあり、そのような場合は料金が上がってきます。
日帰りではなく、一泊の入院をする病院もあるので、事前によく確認しましょう。
動物病院では、歯石を取った後のケアに力を入れているところも多いです。
獣医師がオススメのガムや歯磨き用品を販売しているので、そちらを購入することもできます。
動物病院で無麻酔で行う
最近の動物病院では、老犬や持病がある犬などになるべく身体に負担をかけないために、麻酔を使わない、無麻酔の歯石除去を行っているところもあります。
無麻酔の歯石除去なら毎年行うことができ、費用も麻酔を使うより低料金です。
ただ、歯の裏側や下の歯に行うのが難しく、歯周病が進んで抜歯が必要な状態では行うことができません。
無麻酔での除去方法は、獣医師やスタッフがしっかりと保定してスケーラーを使って除去していきます。
麻酔を使用しないことで身体への負担額は少なくなりますが、痛みや恐怖といった、精神的な負担を危惧する声もあります。
料金は6,000円から8,000円位が相場です。
それぞれの犬に合った方法で歯石ケアをしよう
犬、それぞれの年齢や体調、病歴などによって、歯石のケア方法も変わってきます。
飼い主への従順度などにもよるでしょう。
一番良いのは、毎日歯磨きをして歯石を溜めないことですが、なかなか難しい現状の中で、それぞれでの犬に合った方法を選択してあげることが大切です。
その為には、どの様な選択肢があるか、飼い主が知っていなければなりません。
日々、動物の医療もケアの方法も進歩しています。
ついこの間まで当たり前だったことが、当たり前ではないこともあります。
飼い主が、犬の口腔ケアの重要性をしっかりと認識し、愛犬の健康と幸せな毎日のために努力してあげましょう。