お酒のつまみや、小腹が空いた時のおやつに定番のピーナッツ。
美味しくて噛みごたえもあり、ずっと食べてしまって後悔するという方も多いのではないでしょうか。
節分には大豆ではなく、殻付きのピーナッツを撒く地域もあります。
スーパーでは一年を通して購入出来るので、人には大変馴染みのある食べ物です。
しかし、犬には食べさせるべきではないと言われています。
どうして犬にピーナッツをあげるのはダメなのでしょうか。
消化が悪い
犬にピーナッツをあげるべきではない理由の一番に挙げられるのが、消化しにくいという点です。
犬にとって豆類の消化は得意な方ではなく、食べた形のまま便に混ざって排泄されるのがほとんどです。
乾燥しており、硬さのあるピーナッツは特に消化されません。
そのため、大量に食べると下痢をしたり、胃腸内で詰まって閉塞してしまったりする危険があります。
特に子犬や小型犬のような体の小さい犬は消化管も細く、詰まりやすいので注意が必要です。
高カロリーで脂質も多い
乾燥ピーナッツ100gのカロリーは562kcal、脂質は47.5gとなっています。
小型の成犬5kgが必要とする一日のカロリーは約400kcal前後、脂質は5.5gです。
もちろん運動量や健康状態にもよりますが、これだけを比べても、いかにピーナッツが高カロリーで脂質も多い食べ物か分かると思います。
ピーナッツをすり潰すと油分が滲みでてきて、何も入れなくとも最終的にはペースト状になります。
それだけ油分は多いのです。
100gもあげない、と思いかもしれませんが、量にすると手のひらに少し乗る程度の量しかありません。
喜んで食べるからといってちょこちょこあげていると、思っているよりも多く食べている可能性があります。
マグネシウムが多く結石になる可能性
ピーナッツが含んでいる栄養素で、特に多く含まれているのがマグネシウムです。
100gあたりだと170mgのマグネシウムが含まれています。
5kgの成犬が一日に必要とするマグネシウムは70mgですので、犬にとっては過剰摂取になるかもしれません。
マグネシウムは体内の酵素の働きをサポートする働きがあり、骨や歯の健康に欠かせない栄養素ではありますが、多量に摂取すると余分なマグネシウムは尿として排泄されるため、軟便や下痢になることがあります。
また、結石の原因になることもあります。
一度の摂取で発症することはありませんが、多くの量を毎日のように食べさせるのは止めましょう。
さらに、腎機能が低下している犬がマグネシウムを多く取ると、高マグネシウム血症になる危険性があります。
塩分の問題
人用のピーナッツはただ乾燥させたものや炒ったものの他に、味がつけてあるピーナッツがあります。
バターピーナッツや柿の種のようなものがそうです。
乾燥しただけのピーナッツにはほとんどナトリウムが含まれていません。
ですので、ナトリウムだけを問題視するなら、乾燥ピーナッツは問題ではありません。
しかし、バターピーナッツなどの味が付いたものだと、ナトリウムは格段に跳ね上がります。
バターピーナッツ100gに含まれるナトリウムは120mg程度です。
犬が一日に必要なナトリウム量は諸説ありますが、1kgあたり50mgだと言われています。
5kgの成犬なら250mgですので一日分は超過しないと思われるかもしれませんが、ナトリウムはドッグフードだけでなく、肉や魚、野菜にも含まれている成分です。
それらに含まれる量を考えると、塩分の取り過ぎになってしまうと考えられます。
ピーナッツアレルギー
犬でもピーナッツにアレルギーを起こすことがあります。
皮膚の腫れやかゆみ、目の充血など軽い症状で収まるようなら命の危険はありませんが、気管が腫れあがると呼吸が出来なくなってしまいます。
食べた後に様子がおかしくなるようなら、ピーナッツはあげないようにしましょう。
元々アレルギー体質の犬なら、最初から食べさせないのが賢明です。
アレルギーは、突然発症することもある怖い病気です。
これまで大丈夫だからと与え続けていると、重篤な症状を引き起こす可能性もあります。
犬にピーナッツは控えよう
以上の5つの事からも、犬にピーナッツを積極的に与えるべきではないということが分かると思います。
しかし、ピーナッツが大好きという犬も少なくはないでしょう。
人が落としたのをさっと拾い食いしてしまうことも良くあります。
ですが、一粒二粒程度なら、おやつ代わりに与えても問題はありません。
消化されないことが心配なら、何も入れていない100%ピーナッツのピーナッツバターを少量舐めさせたり、ピーナッツを柔らかく茹でたものをあげたりするのが良いでしょう。
それでもやはり、ピーナッツの栄養面から考えると、特に意識して食べさせるものではないと言えます。
いくら消化されずに排泄されると言っても高カロリーですし、脂質も多い所をみると、肥満のリスクを上げる要因に成りかねません。
おねだりされても、犬にピーナッツをあげるのは控えた方が良いでしょう。