猫は狩りをする動物なので、動いている物を見ると自然に捕まえようとします。
特に虫は猫にとって、格好の獲物です。
ただ、もし虫を食べてしまった場合、トラブルや健康状態の悪化は考えられるのでしょうか?
猫がよく捕まえるゴキブリや、他の虫を食べてしまった時に気を付けたい事をご紹介します。
ゴキブリを食べてしまった場合
ゴキブリは動きのスピードが速いので、猫にとっては獲物になりやすい虫です。
追いかけているうちに食べてしまったというケースも少なくありません。
もし、猫がゴキブリを食べてしまった場合、どのようなトラブルが起こるのでしょうか。
食べたゴキブリに回虫や条虫が寄生していた場合、猫も回虫・条虫に感染してしまいます。
感染した場合は駆虫の治療を行う必要があります。
また、そのゴキブリがほうさん団子など食べて駆除するタイプの殺虫剤を食べていた場合、
吐き気や下痢といった症状が起こる場合があるので注意が必要です。
最悪の場合、神経障害を起こしたり、命を失う危険性もあります。
殺虫剤がかかっていたりゴキブリを食べた時も、同様の症状が起こる可能性があります。
猫を飼っているご家庭は、ゴキブリがなるべく出ないよう部屋を清潔に保ちましょう。
ノミを食べてしまった場合
猫は体温が高く被毛も多い事から、ノミにとって格好の寄生先となります。
ノミが感染してしまうと痒みに襲われたり、血液を大量に吸われてしまい貧血になってしまうケースもあります。
猫はグルーミングといって、自分で毛づくろいをする動物です。
もしノミが寄生していた場合、グルーミングした時にノミが口の中に入ってしまい、食べてしまう事もあります。
ノミの中にはうりざね条虫という、寄生虫に感染している個体がいます。
条虫に寄生されているノミを猫が誤って食べてしまったら、猫自体もうりざね条虫に寄生されてしまうので注意が必要です。
うりざね条虫が感染すると回虫同様、駆虫の治療を行う必要があります。
猫が寝ていた所や便自体にゴマのような白いツブツブがついていた場合、うりざね条虫に感染している恐れがかなり高いです。
ゴマのようなものを見つけたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
うりざね条虫の駆虫を行う他に、体に寄生しているノミを駆除する治療もセットで行います。
蜂を食べてしまった場合
人は蜂を見ると刺されると思い逃げますが、猫は蜂も獲物として追いかけてしまいます。
もし、蜂を食べてしまった場合は、どのような症状が起こるのでしょう。
蜂に刺されたりすると、アナフィラキシーショックといって激しいショック状態を起こす可能性がると言われています。
人で起こる事はよく知られていますが、猫も同じようにアナフィラキシーショックを起こす動物です。
猫が蜂を食べてしまった場合に起こる、アナフィラキシーショックの症状には呼吸困難や下痢・元気が無くなる・興奮するなどが挙げられます。
これらの症状が出た場合は、やはり動物病院を受診しましょう。
猫が蜂を食べなくても刺されただけで、アナフィラキシーショック状態になると考えられます。
蜂と格闘している所を見たら、猫と蜂を遠ざけましょう。
毛虫を食べてしまった場合
庭に木があるお宅や、出入りが自由になっている猫の場合、毛虫を食べてしまう事もあるでしょう。
毛虫自体は条虫や回虫を持っていないので、食べても感染症を起こすという事はありません。
ただ、激しい嘔吐を繰り返す恐れがあります。
毛虫にはたくさんの毛がついていますが、猫が食べてしまうとこの毛が胃を刺激して吐き気の症状が現れるのです。
また、毛虫の中には毒刺毛といって、毛自体に毒を含んでいる種類がいます。
毒刺毛を持つ毛虫を食べてしまった場合、何回も嘔吐してしまう可能性が高くなります。
嘔吐が激しいと水分が不足し、脱水症状を起こすので大変危険です。
何回も吐くようであれば、動物病院を受診する事をオススメします。
虫を食べてしまった時の対処法
もし、虫を食べてしまっても、健康に変化が無ければそのままでも大丈夫です。
しかし、条虫や回虫といった寄生虫は猫に感染しているかどうか、自分の目で確認できません。
もしもの時を考えて、自分で出来る対策法は行っておきましょう。
うりざね条虫の原因となるノミを口にしないよう、日頃からノミの駆除を行っておけば感染を防げます。
蜂や毛虫を誤って食べないよう、完全室内外にするといった対策も重要です。
そして、何より異変を感じたらすぐに動物病院を受診し、正しい治療を行う事が1番大切な対策法です。
猫が虫を食べてしまった時に起こる症状を知ろう
猫は大人になっても狩りや遊びで、虫を追いかけてしまいます。
もし、虫を食べてしまった時、どのような症状が起こるのかを事前に知っておけば、その後の対策も取りやすくなります。
何も知らなかった場合、そのまま放置して猫の健康を害してしまう恐れも考えられます。
日頃から体調や様子をよく観察して、異変を感じたらすぐに対処しましょう。