子猫は生後1カ月から1カ月半くらいまでは自分で便を出すことができません。

母猫と一緒の場合は、母猫が子猫の肛門を舐めて刺激し、排便を促します。

しかし、母猫がいない場合は飼い主が代わりに手伝ってやらなくてはいけません。

毎日定期的に肛門刺激を与えても子猫が便秘になってしまう場合は、いくつかの原因が考えられます。

また、月齢が進んでいくうちに便秘の要因は増えていくものです。

そこで今回は便秘の主な原因をまとめてご紹介します。

肛門への刺激不足

肛門刺激が弱すぎて、刺激として子猫の体に伝わっていないケースが考えられます。

肛門刺激の基本は、母猫の舐める刺激と同程度です。

母猫の舌をイメージして、温めたお湯(40度位)に浸したコットンかティッシュを軽く絞って子猫の肛門を撫でるように、何度か刺激してあげましょう。

優しく、トン、トン、と肛門を刺激しても大丈夫です。

水分不足

水分不足も便秘の主な原因です。

特に冬場はミルク以外に水を与えても飲まないことがあるので、ぬるま湯に変えて水分補給をしても良いでしょう。

または、ミルクを若干多めの水で溶かして与えるのも水分不足解消になります。

運動不足

子猫でも、飼い主が積極的に遊びに誘ってやらないと、あまり運動をしないものがいます。

特に、1人で留守番をさせる時間が長いと、一日中じっとしてお気に入りの場所から動かない猫もいます。

体を動かさなければ腸の動きも緩慢になってしまいます。

あまり運動をしない子猫の場合は、オモチャなどを使って気を引きたくさん遊ばせてみてください。

全身を使って十分な運動をさせ、同時に水分補給をしてやることで便秘解消につながります。

異物の誤飲

プラスチック片や紐の一部などの異物を誤飲していて、それが腸内に詰まって便秘になっている可能性もあります。

子猫なので大きな物は飲み込めませんが、オモチャを口に入れて遊んでいるうちに一部が欠けてしまい、それをうっかり飲んでしまうことはあります。

特に、紐の類は危険です。

大喜びでじゃれついて遊んでいるうちに飲み込んでしまうケースが多いと言われています。

普段から子猫が咬んで遊ぶオモチャの状態はしっかりチェックし、誤飲の危険性がないものを使用することも大切です。

ストレス

子猫はとてもデリケートなので、飼育環境の変化や悪天候、恐怖を感じるような体験などがあると、非常に精神的ストレスが溜まって便秘になってしまうことがあります。

ストレスの原因が特定できれば改善することができますが、子猫の気持ちが落ち着くまで時間がかかることもあります。

猫はキレイ好きです。

室内用のトイレが汚れていると、ストレスから便を我慢してしまうケースが多く報告されています。

トイレはいつも清潔に保ってあげてください。

巨大結腸症

猫の巨大結腸症は、腹筋や腸の蠕動運動の低下や脱水などによる慢性的な便秘が悪化し、大量の便が結腸に溜まってしまうことで発症します。

子猫にはあまり見られない病気ですが、事故で骨盤を損傷したり、排せつをコントロールする神経が損傷を受けたりすることが原因になることもあります。

便が溜まって結腸が巨大化すると、さらに蠕動運動が低下するので排便がより難しくなってしまいます。

また、先天的な骨格異常で巨大結腸になってしまうことも稀にありますので、排便異常がある場合は獣医師に相談してください。

腸閉塞

猫の腸閉塞は、異物の誤飲が大半の原因を占めています。

腸内に便やガスが溜まって痛みを感じるため、じっと丸くなって動かなくなります。

触られると嫌がり、食欲もなくなって、嘔吐を繰り返すようになると腸閉塞の可能性が疑われます。

嘔吐が激しいと脱水症状が起き、悪化すると命に関わるので至急治療を受ける必要があります。

回虫症

回虫症は、猫回虫が猫の小腸に寄生することで発症します。

この病気は、母猫が猫回虫に感染していると母乳を通して子猫に感染します。

また、子猫が屋外で遊んでいる際に何かの拍子に回虫の卵を口に入れてしまうと感染します。

猫回虫に感染した猫が屋外で排便すると、便と一緒にたくさんの虫卵が排出され、それが色々な場所に散らばってどんどん他の猫に感染していくのです。

子猫が回虫に寄生されると、食べた物の栄養分が回虫に横取りされてしまうため、発育不全に陥ったり、腸閉塞を併発したりことがあります。

一般的にここまで重症化するのは稀ですが、腸閉塞は非常に危険な病気なので早期治療が必須になります。

2日以上の子猫の便秘には注意

子猫が便秘になる時に考えられる原因はいくつかありますが、主な原因は肛門刺激が足りないことと、水分不足、運動不足があげられます。

しかし、中には深刻な病気が原因で排せつできない状態になっていることもありますから油断はできません。

便秘の症状をよく観察してみてください。

猫の場合は2日以上便秘が続いていると異常です。

獣医師に相談して何らかの対策をとりましょう。