忙しい日々の暮らしの中、あののんびりとした姿が癒しを与えてくれる猫。

いつでもリラックスしているように見えますが、不機嫌になったり、怒ったりすることはあるのでしょうか。

そんな、猫の怒ったときの行動にはどのようなものがあるのかをご紹介します。

しっぽを大きく振る

犬であれば喜びを表現しているといわれるこちらの行動、猫たちも喜んでいるのかと思ってしまうかもしれませんが、実は猫にとっては機嫌が良くない合図です。

例えば、リラックスモードで日向ぼっこをしてのんびりしているときや、ひとりで気持ちよく眠っているとき。

近くで猫が気持ちよさそうにしていると、ついつい撫でたくなって触ってしまうことがありますね。

そんなとき猫たちは、ばたんばたんと床にぶつかると大きな音がするくらいに強くしっぽを強く振ります。

それは、「触られたくなかったのに」や、「ひとりにさせてよ」という気持ちを表しているのです。

直接噛みついたり引っ掻いたりするのではなく、しっぽに表情が表れるわけです。

毛が逆立っている

こちらは比較的わかりやすい猫の態度です。

完全な家猫であればあまりそのようなことはありませんが、もともと野良猫から飼い始めていたり、外へ出かける習慣のある猫にはときどき見られる行動です。

犬と同様に、猫もマーキングをします。

マーキングとは、自分のテリトリーだということを示すために、自分の行動範囲にある石や木、電柱などにおしっこをかけて回る行動です。

そのようにして守っている自分のテリトリーに他の猫が入ってきたりすると、毛を逆立てて怒りを表します。

よく見ると、そのとき一緒に牙をむいていることもあります。

そんなときの猫は完全に気が立っているので、あまり近寄らず、怒りが収まるのを待ちましょう。

一見普段と変わらない様子に見えるかもしれませんが、不用意に触ると思いがけない怪我に繋がってしまうかもしれません。

ひげが前に向かって突き出て、耳が後ろに引き寄せられている

猫のひげや耳は、実に様々な気持ちを表しています。

ひげを顔に張り付くようにさせていたり、大きく広げていたり。

耳も、ぴんと立てているときもあれば、まるで耳をふさぐように寝かせているときもあります。

けれど、特に怒りの割合が高いときに見せる行動がこちら。

何かに興味があるときも、ひげを前に向かって突き出します。

そのときの耳は正面に向かってアンテナを張るように広げているのですが、怒りが混ざっているときの耳はぴんと立って後ろにぐっと寄っています。

違いが耳の向きだけになるので少しわかりにくいかもしれませんが、周りの状況などもよく見ておき、猫の気持ちを察してあげてくださいね。

このような表情を見せているときも、極力なでたり抱いたりせず、機嫌が直るのを待ってあげましょう。

フーやシャーなどと威嚇行動をしている

猫がこのような行動をしているときは間違いなく怒っています。

猫同士のケンカや散歩中の犬とすれ違ったときなどによく見せる行動です。

とても警戒心が強くなり気も立った状態なので、そのとき自分に触ろうとするものは全て危害を加えようとしている存在として認識されます。

どんなに大好きな飼い主であっても、そのときばかりは関係ありません。

ペットとして飼われていても、自立心が強く依存しないのが猫です。

ふとした瞬間に野生の感覚がよみがえって、飼い主に攻撃することだって十分に考えられます。

ましてや小さな子どもが不用意に近づくと大変なことになるかもしれません。

猫はもともと、自分がストレスを感じる相手には近づかないようにしています。

いつどんな風に触ってくるか、行動が予想できない相手が苦手です。

「猫は小さな子どもが嫌い」と言われるのはその理由からかもしれません。

もしご自身のお子さんが怒っている猫に近づきそうになっているときは、注意して見てあげてくださいね。

大きな鳴き声を出しながら相手の周りをぐるぐるまわる

これはもう、誰が見ても間違いなく怒っていますね。

春になるとノラ猫などがよくケンカをしながら大きな声で鳴いています。

相手を威嚇し、「近寄らないで」と完全に拒絶しているときに見せる行動です。

特に春は、猫の繁殖期です。

オス猫がメス猫にアプローチをかけるのですが、だいたいはこのように威嚇されケンカになってしまうようです。

見ていると可哀想で助けてあげたくなりますが、ノラ猫の場合は決して近寄らないでくださいね。

病気を持っていたり、狂犬病などのウイルスに感染している可能性があるからです。

引っ掻かれたり噛みつかれたりすることで感染してしまうことも考えられますので、十分に注意をしてください。

猫の怒りのサインを見極めよう

あまり怒らないようなイメージの猫たち。

よく見てみると色々な怒りの表現があります。

ひとつひとつとってみれば些細な行動ですが、注意深く観察し、大切な愛猫と良い関係を築いてくださいね。