ペットとして多く飼われている猫。
ペットの健康を考えるには基本的な知識を身に着け、一番身近にいる飼い主が日々ケアをしてあげることがとても大切です。
ペットフードも味にこだわったものや健康を考えたものなど多くの種類が出ていますので、健康に長生きできるよう飼い猫の健康状態を日々観察し、適切なものを選んで与え、理想的な体型の維持を心掛けるようにしましょう。
猫の標準体重は3.5㎏~4.5㎏
まず最初に、猫の標準体重とはどのくらいなのでしょうか?
また、家で飼っている猫の体重は今どのくらいですか?
猫は100g程度の体重で生まれます。
その時はまだ目も開いておらず、一人で歩くことも排便することもできません。
2か月程経つと少しずつ子猫用のキャットフードなどを食べれるようになり、排便も一人でできるようになります。
この頃の体重がおおよそ1㎏です。
そうして早ければ7カ月頃、通常でも9カ月頃には初めての発情期を迎え、大人の仲間入りをします。
その後も少し体は成長するので、“成猫”と呼ぶのにふさわしい時期は1歳頃からとなるでしょう。
1歳を過ぎた成猫の標準体重は、その猫の種類にもよりますが、ほとんどの場合3.5㎏~4.5㎏の間に入っており、基本的に例外はないと考えて間違いありません。
痩せすぎている場合も肥満の場合も、猫の健康には良いものではありません。
病気・肥満の予防はまず今の状態を知ることから始まります。
ご家庭の猫の体重はぜひ定期的に測定し、健康状態を把握するようにしましょう。
1歳の頃の体重・体型が理想的
猫にとって理想的な体重・体型とはどのようなものなのでしょうか?
通常、“成猫”の仲間入りをした1歳ごろの体重・体型がその猫にとっての理想であると言われています。
目で見てろっ骨がくっきりと見えるのは痩せすぎです。
パッと見てろっ骨がはっきりと見えるほどではないけれど、手で触るとすぐに触れるくらいの状態で、上から見ると腰のあたりがキュッとしまっているくらいが標準です。
去勢・避妊後は要注意
去勢・避妊手術をすると猫は太りやすくなります。
それは本能として持っていた異性への関心が減り、食事への関心が強くなる傾向があることが、理由の一つとして考えられます。
また、生殖機能を維持するために使われる消費カロリーは多く、その分のカロリー消費が減るため、それまでと同じ食生活を送っていても肥満になる場合があります。
メス猫の場合は特に、子宮で消費するカロリーは全体の3割にも上ると言われ、避妊手術後はしっかりとした体重管理が必要になります。
飼い猫の去勢・避妊を済ませたら、キャットフードを見直し、食事量の管理を行い、理想的な体型を維持するための健康管理を始めましょう。
体重が理想体重の15%を超えると肥満
猫の肥満は、数値で言えば体重が理想体重の15%を超えるとそう判断されます。
けれども15%とは理想体重が3.5㎏の猫なら525g程度で、肥満となっても標準体重の範囲内に入っていることがあり、飼い猫の理想体重を数値のみで知るのは困難です。
そこで猫の体を手で触り、しっかりと見て、肥満かどうかのチェックをすることが必要となります。
猫は顔の大きさはほとんど変化しないため、肥満と気づいていない隠れ肥満になることが多くあります。
肥満の猫は腰からお腹にかけての脂肪が増えていきますから、座っているときはお尻がどっしりとした洋ナシのような姿になります。
猫を上から見下ろした場合、標準的な猫は腰骨の辺りでキュッとしまって見えますが、肥満の猫はその部分のくびれがなく、腰からお腹に掛けてふっくらと膨らんで見えます。
また、ろっ骨部分を目で見た場合にろっ骨が浮き出ていては痩せすぎですが、手で触ってみると、ろっ骨や腰骨に容易に指が触れるくらいが標準です。
ろっ骨や腰骨に指が触れず、腰のくびれがないときは皮下脂肪がついてきており、肥満傾向にあると考えることができます。
例外。大型猫とのMIXだったら
猫の中にも、犬並みに大きくなる大型の種類がいくつかあります。
そのような種類の大型の猫の場合は例外として、上記の標準体重には当てはまりません。
大型猫の種類でよく聞くものとしてはメイン・クーンやノルウェジアン・フォレスト・キャット、ラグドール、ラガマフィン、サイベリアン、ターキッシュバンなどがあげられます。
どの猫もメス猫よりオス猫の方がより大きくなる傾向にあります。
また大型の猫は成長が遅く、体が十分に成長するのに3~4年かかります。
中には10キロを超える猫もいるそうですよ。
大型の猫には毛の長い種類が多く、体重よりもう一回り大きく見え、堂々とした貫禄さえ感じられます。
もし、この種類の猫の血統を受け継いでいるMIX猫の場合は、稀に大きくなる場合があります。
その場合は無理にダイエットをしても、体重を標準内に収めるのは難しいでしょう。
腰のくびれやお腹の膨らみなどを見て、肥満ではないと判断した場合は、それがその猫の標準だと考えるようにした方が良いでしょう。
猫の適正体重をキープさせてあげよう
猫にとって肥満は健康の大敵です。
心臓への負担が増え、皮下脂肪が増えることによって皮膚病にもかかりやすくなります。
また人間と同様に、糖尿病にかかるリスクも高まります。
体重が増えることにより、関節にかかる負担も増え、怪我をしやすくなったり、動くことを面倒くさがるようになり、さらに肥満が進んだりすることもあります。
肥満の予防、解消には日々の食事のケアがとても重要です。
エサの種類や量をしっかりと管理し、健康な一生を送れるよう気を付けてあげましょう。