「あれ、どこいった?」と思ったら、冷蔵庫や棚の上に乗って寝ている猫。
猫を飼っているおうちなら、どこでも目にすることがある光景ですね。
では、猫たちはどうしてどのような場所に身を落ち着けているのでしょうか。
1.そもそも猫は高いところが好き
ご存知の方も多いと思いますが、猫はそもそも高いところが好きです。
ネコ科で百獣の王であるライオンもサファリパークでは岩の上、テレビで見るアフリカの風景では木の上にいることもあります。
ネコ科は基本的に肉食に分類され、生態系においては食う側に分類されます。
そのため、できるだけ視界の良いところ、あるいは物音の聞き取りやすいところで、常に獲物の気配を察知するよう努めているのです。
おうちの猫ですから、野生のライオンのように狩りをする必要はありませんが、遺伝的に備わった習性はなかなか抜けるものではありません。
いつも寝ているように見えますが、よく見ると耳だけは動いていたり、わずかな気配で目を覚ます姿が見てとれます。
2.安全を確保している
冷蔵庫や棚の上というのは高いところです。
先ほども述べたように、高いところにいる理由のひとつは狩りへの備えでした。
また、それと同時に自分の身の安全も確保しているのが高いところに身を置いている、もうひとつの理由です。
一度上ったら、すぐに目を閉じ、一見するとすやすや寝ているように見えます。
しかし、その本意は来たるべき狩りの瞬間に備えて、爆発的なエネルギーを発揮するため、体を休めているのです。
安心して体を休めるために選ぶ場所が高く、何者も容易に上がってこられない、限られたスペースである冷蔵庫や棚の上というわけです。
3.暖をとっている
冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品の上でくつろいでいる場合は、暖をとっていることがあります。
触ってみるとわかりますが、冷蔵庫の上部は常にほのかに暖かいです。
手の平をじっと当てていると、じんわり温まってくるのがわかると思います。
使用後の電子レンジももちろん、温度が上がっています。
そのような場所で腹部をベタッとつけて、前足をくいっとしまいこんで、こっくりこっくりとして目を閉じている場合は確実に暖をとっています。
普段からうろうろとしている猫だからこそ、経験から暖かく寝心地のいい場所を知っているのです。
4.自分の優位性を示している
おうちに一匹の場合もそうですが、複数匹の猫がいる場合、とくに高いところへ行く行動が顕著になります。
それは、他の猫に対して自分の優位性を示している場合がほとんどです。
複数匹の猫がいる環境で、よく観察してみると、頻繁に高いところへ行く猫とあまり行かない猫に分かれることがあります。
猫はお互いに縄張りを意識する傾向が強く、おうちで飼う場合は、そのおうちへやって来た順番で立場の優劣がつくことが多いです。
古株の猫にとって、後から来た新参の猫は後輩として認識されます。
性格が合わない場合などは、疎ましくさえ感じています。
そのような猫の習性はおうちの中の位置取りにも表れ、優位性を示したい猫は高いところにいることでそれを図っています。
日ごろの行動で意外と緻密な駆け引きが行われているのは、実に猫らしい面です。
5.ノミやダニを避けている
猫を飼っている方は定期的に錠剤やスポット(薬液)をする方が多いと思います。
猫の耳や首元にはノミやダニが住み着きやすく、一度住み着いてしまうと体の全体にまで広がってしまいます。
かゆみを伴うので、猫にとって非常に不愉快です。
それは猫自身も無意識から知っており、意識的にそのような虫害に遭う可能性の低いところに身を置こうとします。
カーペットやペットベッドを愛用している猫もいますが、それは自分の寝床として安心しているだけで、それ以外の場所に不要に長居することはほとんどありません。
デリケートな猫だからこそ、普段の行動からリスクを回避していると言えます。
6.すべてを見張っている
おうちで飼われている猫たちは、実は飼われているとは思っていません。
犬は人間との主従関係をスムーズに受け入れることが出来ますが、猫に関してはそうではなく、ただそこに住んでいるだけです。
飼い主である人間を主人とは捉えておらず、ごはんをくれる存在、たまたま同じ場所に生活している存在とまでしか認識していません。
ですので、猫にとってそのおうちは自分の縄張りであり、いついかなる事態が起ころうとも、それをいち早く知っておかなければなりません。
そのため、高いところから部屋の内側あるいは窓の外を見張りながら、違和感がないことを常に確認しています。
猫が高いところに乗りたがる心理を知ろう
以上が、猫が冷蔵庫や棚の上に乗りたがる心理です。
いつも高いところにいて、寝てばかりいるように見える猫も、実は自分を守り、あるいは仕事をしています。
もしかすると、あなたの安全も同時に気遣ってくれいているのかもしれません。
無理に抱っこしようとしたりすると、嫌われてしまうかもしれませんよ。