猫の発情期の声がどのようなものか、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

どれも奇妙な鳴き声ですが、個体によっては鳴き方が微妙に違って聞こえます。

今回は、そんな発情期の猫の鳴き声をご紹介します。

人間の赤ん坊のような声

猫という生き物は通常、可愛らしい声で鳴きます。

しかし、発情期においてはとてもおかしな声です。

例えるなら、人間の赤ちゃんが何か構って欲しくて泣く声です。

「オギャーオギャー」と夜中に鳴かれると、せっかくスヤスヤ寝ていたところを無理やり起こされ、不機嫌な気持ちになったという体験のある方は、決して少なくないはずです。

真っ暗な中でそんな声が聞こえてきたら、ゲゲゲの鬼太郎に出てくるキャラクター「子泣き爺」を思わず想像してしまいます。

いかにも切実な鳴き方をする上に、音量が高いため、しばらく不気味さと不機嫌さが入り交じったような気持ちになると思うので、速やかに追い払うのが得策と言えるでしょう。

また、家の中のどこかの窓が開いていて、そこから侵入されて家の内部で鳴かれた場合は、かなり驚きます。

それほど猫が発情したときの鳴き声は、不可思議なものです。

ハスキーボイスのような声

たまに低音のしゃがれた声を出す個体がいます。

全く可愛くない声なので、不快な印象を受けるかも知れません。

「なあぉぉぉぉん」というかすれた音質は、下手なロックンロールでも聴いているかのようです。

くぐもって、擦り切れたような声は、聞く者の心をかき乱し、すぐに追い払ってしまいたくなります。

でも、それは人間が聞いたときの印象なので、その声を聞かされた意中の猫がどのように感じるかは、その猫次第という話になります。

優しい人は、二匹の猫の恋路を放っておくと思いますが、睡眠不足の人が安眠を邪魔されたとなると、きっと怒りの感情が芽生えることでしょう。

また、飼い猫が去勢や避妊をしているなら、発情されても仕方がないので、追い払ってしまうのが良策です。

「ハスキーボイス」・・・猫にとっては切実に異性を求める気持ちの表われなのでしょう。

ケンカのときと似た声

オス猫同士のケンカは、かなり凄いものです。

特に発情期に入ると、メスを巡って熾烈なバトルを繰り広げます。

「アァァァァオォ」という鬼気迫る声は、相手を威圧して圧倒するかのような迫力です。

ケンカにおいて、勝ちが濃厚なオスが強気になって威嚇している声です。

あんな小さな体からどこにそんな大きな声を出す力があるのかと、思わず感じてしまうほどの大音量です。

それと同じようなノリで、発情したときにも似たような声を出す個体がいます。

さすがにケンカのとき程の音量では鳴きませんが、辺りいっぱいに響く声で、メスへの情愛を精一杯に表現します。

基本的にケンカのときの鳴き方と似ているため、人間が聞くと「うるさい」と感じるはずです。

それを夜寝ているときに鳴かれると尚更たまりませんので、追い払う人が多いことでしょう。

誰かの注意を引くときに発する声と似ている

猫は誰かの注意を引きたいときに、「あおーん」と鳴きます。

「ちょっと用事があるよ」という意味ですが、これはメス猫が発情期に入って、「準備できたよ」とオス猫にアピールするときに発する声でもあります。

こういう声なら可愛らしく感じることができます。

オス猫にもこれに似た鳴き声で発情をアピールする個体がいますが、こちらの場合は「あおぉぉぉぉん」ともっと切実な声をあげ、メス猫に近づいて行こうとするでしょう。

もしオス猫が野良猫(メス猫でも)で、自分の飼い猫に近寄って来たら、これは追い払った方が良いでしょう。

なぜなら、野良猫には「ノミ」がくっついているかも知れず、それを飼い猫にうつされたら、飼い主も悲惨な目に遭うからです。

「地獄の痒み」を味わい、一か月以上もの間、寝床が使用できなくなる恐れがありますので、「アオーン」と来たら追い払うのが賢明です。

落ち着きなく唸るような鳴き声

今まではメス猫よりもオス猫の方がうるさく鳴くイメージでしたが、実はメス猫の方が一日中せわしなく鳴くのです。

メス猫は発情期に入ると落ち着きがなくなり、自分の臭いをあちこちにこすり付けだします。

今まで飼い主にツンとした態度を取っていたメス猫でも、発情期に入ると飼い主に急にすり寄ってきたり、「んにゃ~うおぉ~ん」と鳴いたりします。

それは全てオス猫を呼び寄せるためで、オス猫はそんなメス猫の鳴き声や臭いに反応して、それに「応えて」いるだけに過ぎないのです。

きっかけはメス猫が作っているので、避妊してないメス猫がいるところでは、発情期に入ると一日中ざわついた感じになるでしょう。

猫の発情期の鳴き声を知ろう

このように猫が発情したときに出す声は、個体によって様々であり、微妙な違いがあることが分かります。

人間にとっては不快に感じることが多いとは思いますが、猫にとっては厳しい自然界の中での子孫繁栄の行為です。

飼い主や近隣の住民に被害が及ぶなど、どうしても仕方ない場合を除き、追い払ったりせずに自然のまま放っておきましょう。