猫は驚くような高さに軽々とジャンプすることができます。
猫のジャンプ力がすごいのは確かですが、どのくらいすごいのでしょうか?
猫のジャンプの能力や、なぜジャンプが得意なのかについてご紹介します。
1.これが猫ジャンプ
猫が遊んでいるのを見ていると、よくキャットタワーなどの高いところに軽々とジャンプします。
本棚の上や冷蔵庫の上など、思いがけない高さのところにもジャンプして乗ります。
ジャンプして木に登ることも得意です。
助走無しの垂直ジャンプでもかなりの高さに飛びます。
そして高いところから飛び降りるときの身のこなしも鮮やかです。
猫の高い身体能力には思わず見とれてしまいます。
2.猫のジャンプ力と人間との比較
猫のジャンプ力は個体差はありますが、身長の約5倍です。
成猫の平均的な身長は30cmほどなので、1m50cmはジャンプできるということになります。
実際ジャンプが得意な猫は2m近く飛ぶことがあります。
人間はスポーツ選手でも自分の身長プラス1mくらいがやっとです。
猫のジャンプ力の高さは人間とは比べ物になりません。
もし人間が身長の5倍も飛べたら、1m60cmの身長の人で8mも飛べることになりますね。
3.猫がジャンプ力を身につけたわけ
猫はなぜこのような高いジャンプ力を身につけたのでしょうか?猫は人に飼われるようになる前は、野生の環境で獲物を捕って生活していました。
森の中で小動物を捕まえていたので、木に登ったり、木から木へ飛び移るのにふさわしいように体が進化してきたのです。
猫は鳥を捕って食べることが多いですが、素早く飛び立つ鳥に負けないように動く必要がありました。
そうしたところからも猫のジャンプ力が発達してきたのです。
また猫は肉食動物ですが、身体があまり大きくないので、いつも敵に襲われることを警戒しなければなりませんでした。
いざというときにはジャンプして木の上に逃げられるようにする必要がありました。
こうした野生時代の生活環境から猫は優れたジャンプ力を身につけたのです。
4.猫の体の構造とジャンプ力
猫の優れたジャンプ力の秘密を猫の体の構造から見て行きましょう。
猫は後ろ足の筋肉がかなり発達しています。
この強い後ろ足の筋肉こそが、猫のジャンプ力の一番の源です。
また猫の後ろ足は、歩くときには曲がっているのでそれほど目立ちませんが、実は伸ばすとかなり長いです。
普段曲がっている足を一気に伸ばすと、ばねの力で瞬間的に大きなジャンプ力が生まれます。
猫がジャンプするときの姿勢を見ると、一瞬姿勢を低くして、それから一気にジャンプしています。
こうするとばねの効果がさらに高まるのを猫は本能的に知っているのでしょう。
猫の柔軟な背骨もジャンプ力を作る助けになっています。
縮めた姿勢から一気に体を伸ばすためには柔軟な背骨が役立っています。
こうした体の構造から、猫の素晴らしいジャンプ力が作り出されるのです。
5.猫は着地も得意
猫はジャンプに加えて着地も得意です。
高いところから飛び降りても骨折することなく、キレイに着地します。
これは脚の靭帯や腱が強く、身体が柔らかいためです。
またそれに加えて平衡感覚が非常に優れているためです。
猫は空中で逆さまになっても、くるりと回転して足から着地します。
こうした優れた平衡感覚は、猫の耳の中の前庭神経と三半規管から作り出されます。
人間も同様ですが、猫の耳の中には聴覚のための聴神経と、バランスを取る前庭神経があります。
前庭神経は三半規管とつながっていて、三半規管は頭や顔の重力に対する向きを整える機能があります。
猫の三半規管は極めて高機能・高性能なので、高いところから飛び降りて着地したり、回転して着地することを可能にします。
6.ジャンプしない猫はなぜ?
猫がジャンプすることは本能なので、普通に遊んでいれば時たまジャンプするものです。
しかし中には全くジャンプしない猫もいます。
脚に怪我をしていたり、腫瘍があったり、爪が割れていたり、関節痛があるとジャンプしなくなります。
脚以外でも何かの病気があるとジャンプしなくなります。
肥満の猫は体が重いのでジャンプできなくなります。
高齢の猫も筋肉量が減るのでだんだんジャンプは苦手になります。
精神的なストレスや、何かの理由で不機嫌になったり落ち込んでいるときはジャンプなどの派手な動きはなくなります。
前にジャンプに失敗して怪我をしたり怖い思いをしてトラウマになっている可能性もあります。
猫が全くジャンプしないようなら、何か原因があるはずなので確かめてみましょう。
猫のジャンプ力について知ろう
猫は身長の5倍もジャンプすることができます。
人間とは比べ物にならない高いジャンプ力を持ち、しかも着地も得意です。
猫の優れたジャンプ力は、獲物を捕ったり敵から身を守るために野生の頃に発達した能力です。
猫が特技を発揮して生き生きと遊べるように、キャットタワーなど高さがあるものを与えて思い切りジャンプさせてあげましょう。