猫は人間と同じようにまず乳歯が生えて、その後永久歯に生え変わります。
猫の歯の生え変わりは、猫がだんだん成長していく印なので嬉しいものですね。
猫の歯が生え変わるときにはどんなことが起きるのか、また注意点をご紹介します。
1.猫の乳歯が抜けるまでの注意
猫は生後2週間後くらいから歯が生え始め、1か月後くらいには生えそろいます。
乳歯は計26本です。
乳歯は生後3か月から6か月後くらいに永久歯に生え変わります。
この時期は抜けそうな歯茎が痒くなるので身近にあるものを何でも噛もうとします。
乳歯は小さくてかわいい歯ですが、硬いものを食べられないので歯が削られず尖っています。
噛まれると痛いので気をつけましょう。
また家具や身の回りのものを噛んで傷つけることがあるので気をつけましょう。
2.永久歯に生え変わるときの注意
人間の場合、乳歯が抜けた後に永久歯が生えてきますが、猫は乳歯が生えている間にすでに永久歯が歯茎の中で作られています。
永久歯が生える頃になると乳歯の根が溶けて、乳歯は永久歯に押し出されるようにして抜けます。
まず犬歯から抜けて、次第に奥歯へ移ります。
上より下の方が早く抜けて生え変わることが多いです。
永久歯は乳歯になかった後臼歯が加わって、計30本です。
乳歯が抜けるときに出血することがありますが、普通はすぐにおさまります。
乳歯と永久歯が混在しているときは食べ物が引っかかりやすく、口臭が発生したりよだれが増えることがありますが、永久歯が生えそろうと解消されます。
生え変わりのときに特にエサを変える必要はありません。
食べにくそうでも柔らかい食事にする必要はなく、ドライフードでも大丈夫です。
抜けた歯は、普通は飲み込んで後で便と一緒に排泄しますが、時々床に落ちているものを見つけることがあります。
猫用の乳歯ケースが販売されていますので、記念に取っておきたい人は利用しましょう。
3.出血が止まらないときは注意
乳歯が抜けて生え変わるときには多少出血があるのが普通です。
口を真っ赤にしていて驚くこともありますが、5分か10分でおさまります。
服やカーペットに血が付きやすいので気をつけましょう。
しかしいつまでたっても出血が続くようなら病気の可能性があります。
「猫白血病ウイルス感染症」や「猫エイズ」や「血友病」かもしれません。
疑わしいときは獣医師に連れて行きましょう。
4.残存乳歯に注意
時々乳歯がうまく抜けずにそのまま残ってしまうことがあります。
「残存乳歯」といって、永久歯が生える妨げになったり歯肉炎や歯周病の原因になります。
また放置すると嚙み合わせが悪くなってしまいます。
生え変わりがほぼ完了する生後7か月目くらいに獣医師でチェックしてもらうことをオススメします。
もし永久歯が生えそろっていなくて残存乳歯があるようなら、麻酔をかけて乳歯を抜歯する治療をします。
また歯茎が腫れていたり口内に炎症を起こしているときにも獣医師に連れて行って治療を受けさせましょう。
完全に永久歯が生えそろって安定する生後1年目くらいまでは、注意深く猫の歯を観察しましょう。
5.噛み癖がつかないように注意
歯が生え変わる時期の子猫は歯が痒いためにいろいろなものを噛みます。
飼い主の指を噛んだりすることもありますが、この時期にうまくしつけをしないと噛み癖がついてしまいます。
人の指をおもちゃと勘違いして噛んでも良いと思い込んでしまうことが原因なので、そうではないことをわからせなければいけません。
まず噛まれたときは、無理に指を引き抜くと切れて傷ができてしまうので、指を軽く猫の口の中へ押し込むようにして、猫をひるませて口を開けさせてから引き抜くようにします。
そして「ダメ」「痛い」などと言って少し大げさにリアクションをして叱りましょう。
それから猫を置いて無視して出て行ってしまいます。
猫に「噛むと遊んでもらえなくなる」と理解させるためです。
野生の猫は子猫のうちに兄弟姉妹間で嚙み合って「これくらい噛むと相手が痛がる」といった加減を学びますが、飼い猫はそうしたことを学ばずに育っていることがほとんどです。
そのために加減がわからず、遊びのつもりでも強く噛んでしまうので、人間が教えてやらなければなりません。
猫におもちゃを与えることも必要です。
噛むときには人の手ではなくておもちゃを噛むようにしつけましょう。
またいつも人がかまってやると噛み癖がつきやすいので、一人遊びができるようにして、一人で噛んで遊べるおもちゃを与えてください。
6.歯磨きの習慣をつける
猫の永久歯が生えそろう6か月目までに歯磨きの習慣をつけましょう。
子猫のうちに慣れさせると後が楽です。
猫は虫歯にはなりませんが、歯垢や歯石が溜まると歯周病になって歯が弱ったり抜けてしまうので、日ごろの歯のケアが必要です。
最初から歯ブラシを使うと嫌がるので、まず猫の口に触ったり口に指を入れることから慣れさせましょう。
最初は猫を抱いてリラックスさせてから、口の中に指を入れて歯を触ってみましょう。
次にガーゼを使って歯を拭きましょう。
このときに猫用の味付きの歯磨き粉やエサの汁をしみ込ませても良いでしょう。
ここまでできるようになったら、歯ブラシを使って歯を磨くようにしましょう。
子猫の歯の生え変わり時に注意すべきこととは
猫の乳歯が永久歯に生え変わるときには、歯が痒くなっていろいろなものを噛んだり、出血や口臭などがありますが普通は心配ありません。
ただ出血が止まらなかったり残存乳歯や歯茎の炎症があるときには獣医師に診てもらいましょう。
また生え変わりの時期に噛み癖を直したり歯磨きの習慣をつけることも大切です。