飼っている猫のおしっこの状態を日ごろからチェックしているでしょうか?
猫がおしっこをしたあとのトイレの猫砂に、もしも血がついていたら、泌尿器系の病気が疑われます。
場合によっては命に関わることもありますので、飼い主さんは日ごろから猫のおしっこの状態に気をつけてあげるようにしてください。
おしっこに血が混じる原因には大きく3つのことが考えられます。
尿路結石症
まず、真っ先に疑ってみなければならないのが尿路結石症です。
尿管に結石が詰まって尿が出にくくなる病気です。
尿を出そうとする際に、膀胱や尿路を結石が傷つけてしまい、おしっこに血が混じるのです。
猫がトイレを出たり入ったりして落ち着きがなかったり、普段鳴かないような声で鳴いたりしているのなら、尿路結石症の可能性があります。
特に雄猫ですと、雌猫にくらべ尿管が長くカーブしているので、結石が詰まりやすく、尿路結石症の可能性はより高くなると言えます。
結石で完全に尿管が塞がってしまうと、尿が全く出なくなり、急性腎不全にかかり尿毒症などを起こして命に関わることになるので、おしっこが出ていないようなら、速やかに動物病院で処置をしてもらう必要があります。
適切な処置を施してもらえれば治りますので、冷静に対処することが大事です。
いったん膀胱内の尿を外に出すことができたら、尿管に細い管を通して尿がいつでも出る状態にしてしばらく様子を見ます。
結石の溶解は、主にエサで治療します。
結石を溶かすエサを猫が食べて石が溶けたようなら、今度は別の療法食に切り替えます。
尿路結石症は、飲む水の量が少ないと引き起こされる一因となります。
ところが、猫は砂漠出身ということもあって、あまり水を飲もうとしない生き物です。
特に冬は寒いので水分量が減りがちになります。
なので飼い主さんが、水を猫に飲んでもらうために工夫をしてあげる必要があります。
水皿を置いておくポイントを、1か所だけでなく複数か所に増やすなどして、できるだけ水を飲みたくなるような環境を整えてあげると良いでしょう。
それから適度な運動を日ごろさせることも尿路結石症防止には大事です。
膀胱炎
膀胱炎は、猫では割と遭遇することの多い疾患です。
尿路結石症とだいたい似たような症状を見せます。
トイレで落ち着きがなく鳴いたりします。
一見すると尿路結石症か膀胱炎か素人では見分けがつかないかもしれません。
ただ、雌猫の場合ですと、病院で膀胱炎と診断されることがほとんどです。
雌猫は尿道が広く短いので、雄にくらべると尿路結石症になる確率が低いのです。
そして尿道が広く短いことで、細菌が膀胱に侵入しやすく膀胱炎になりやすいということになります。
こちらの場合も動物病院で診てもらえば、抗生物質投与によって治療することができます。
症状が慢性化すると治りが悪くなるので、膀胱炎になっていると気付いたら、できるだけはやく病院に連れていってあげるようにしましょう。
膀胱炎は細菌感染やストレスなどが主な原因になります。
特に年をとった猫は、免疫力が低下していることが多く、膀胱炎に罹りやすいとされているので注意してあげるましょう。
そしてトイレをいつも清潔にしておくこと、ストレスをできるだけ溜めさせないように気を配ってあげましょう。
ネギや玉ネギなどの中毒
猫が誤って、ネギや玉ネギなどのネギ類を食べてしまうと中毒症状を起こしてしまいます。
血液中の赤血球が壊れて溶血性貧血を起こし、おしっこにヘモグロビンが混じって血尿となります。
他にもふらつき、元気がなくなる、心拍数上昇、貧血、嘔吐、下痢などの様々な症状が出ることがあります。
自然治癒する場合もあるのですが、幼猫、老猫、体調を崩している猫などの場合だと、重い貧血症状になったり、命を落としてしまったりする危険性もあるので注意しなければなりません。
とにかくネギ類を猫が食べないようにすることがなにより肝要です。
人間が食べても大丈夫なものでも、猫には毒になるものがあると、猫を世話する人が知っておく必要があります。
ネギ類そのものを食べなくても、ネギの入った煮汁だけでも中毒を起こすので気をつけましょう。
そして普段からネギ類は、猫が誤って食べることのないように、猫の見つからないところにきちんと保管しておきましょう。
血尿の原因を解決しよう
猫のおしっこに少しでも血が混じっていたら、何か異常のサインですので、これらのことを疑ってみなければいけません。
トイレの掃除をするときにも、できるだけおしっこをした猫砂などをよく観察しながら掃除をするようにしましょう。
飼い主さんが猫のおしっこに普段から気を留めていることで、病気を早く発見することに繋がります。
病気を早く発見できれば治りも早くなります。
大切な愛猫がいつも健康なおしっこを気持ちよくできるように、普段から病気の予防をしておくことも大事です。