子猫のうちは吸収が早く、飼い主の努力でお行儀の良い猫に育てることができます。
お互いに暮らしやすい生活を送るためにも、生活の基本となることは生後一年までにしつけておきましょう。
1.トイレのしつけ
トイレのしつけは、子猫が離乳を終えて自分で排泄できるようになった生後2カ月頃からはじめます。
エサのあとや寝る前、子猫が床の臭いを嗅いだり、前足で掘る仕草をはじめたらトイレのしつけ開始のサインです。
はじめのうちは飼い主が子猫をトイレまで連れて行き、ここがトイレだと教えてあげましょう。
あらかじめ子猫のおしっこの臭いが付いたものをトイレに入れておくと、場所を覚えやすくなります。
トイレはできるだけ目立たず静かな場所に置きましょう。
子猫のトイレ中は、できるだけ音を立てずに静かに見守ります。
子猫が覚えやすいようにトイレの位置は動かさないでください。
うまくできたら優しい声で褒めてあげましょう。
もしトイレ以外でおしっこしてしまっても、子猫は叱らないでください。
おしっこをすること自体を怒られたと勘違いしてしまうとおしっこを我慢してしまい、膀胱炎の原因になることがあります。
トイレ以外でおしっこをしてしまった時は、臭いが残らないようキレイに掃除します。
猫はとてもキレイ好きです。
トイレが汚いと嫌がって他の場所でしてしまうので、できるだけキレイな状態を保つようにしましょう。
2.爪とぎのしつけ
猫にとって爪とぎは、爪を整えるだけでなく精神を安定させる大切なストレス解消法です。
お互いが気持ちよく生活できるよう、所かまわず爪とぎをしてしまわないように爪とぎの場所を教えてあげましょう。
爪とぎのしつけは、トイレのしつけと同時にはじめます。
子猫を爪とぎまで連れて行き、前足を持って爪とぎの仕草をさせましょう。
タンスや壁などの爪とぎをされたくない場所で爪とぎをしてしまったら、ガムテープを裏返して貼ったり、市販の爪とぎ防止のシートを貼りましょう。
ここで爪とぎをするのは不快だと覚えれば、ガムテープを取ってもタンスや壁で爪とぎをしなくなります。
猫によって好みの爪とぎは違います。
もし爪とぎを教えてもタンスや他の場所で爪とぎをしてしまう時は、用意した爪とぎが子猫の好みに合っていないのかもしれません。
子猫が好んで爪とぎをしてしまう場所の特徴を参考に、爪とぎの位置や素材を変えてみてください。
室内飼いの猫は、爪とぎのお手入れだけでは十分にケアできていません。
猫自身や飼い主、家具の傷を減らすためにも、こまめに爪をカットしてあげましょう。
3.食事のしつけ
離乳が始まり3ヵ月ほど経つと子猫の成長は緩やかになります。
この頃から徐々に成猫と同じキャットフードを与え、食事の決まりを教えましょう。
エサの量や与える時間をきっちりと決めましょう。
食べたいだけ与えたり、子猫が欲しがったからといつでもエサを与えてしまうと肥満の原因になります。
さらに、要求すれば飼い主がいつでもエサをくれると思ってしまい、無駄鳴きやエサの食べ残しの原因になります。
子猫の健康のためにも食事のしつけはきちんとしましょう。
もし子猫がエサの時間以外に欲しがった時は、お気に入りのオモチャなどを使って思いっきり遊ばせるなど子猫の気がまぎれるよう工夫してください。
エサの時間がわかるようになると子猫も安心できるため、無駄鳴きの防止にも繋がります。
4.噛み癖のしつけ
兄弟の猫と一緒に育てば、じゃれあいの遊びの中で噛む力をコントロールすることを覚えます。
しかし、子猫のうちにひきとられて一匹で育つと力加減のできない猫に育ってしまいやすくなります。
子猫のうちは思いっきり噛まれても怪我をすることがなかったとしても、成猫になれば噛み癖は大怪我に繋がります。
トラブルを避けるためにも子猫が小さいうちから人を噛んではいけないことを教えていきましょう。
子猫と遊んでいる時、噛まれたら「痛い」とできるだけ短く低い声で言い、すぐに遊びをやめて子猫から離れましょう。
なんども繰り返すうちに強く噛むと遊んでくれなくなる、飼い主が嫌がっているとわかり興奮しても噛む力をコントロールできるようになります。
5.通院のしつけ
子猫は、ワクチン接種や急なトラブルなどで頻繁に病院へ行くことになります。
トラブルが起きてもすぐに対応できるように日頃から通院のしつけをしておきましょう。
成猫になった時、通院に恐怖心を持ってしまっているとキャリーバッグを見ただけで逃げ回ってしまい、捕まえるだけで一苦労ということもあります。
通院中の不安を減らすため、キャリーバッグに慣れさせておきましょう。
いつも猫がいる部屋にキャリーバッグを出しっぱなしにしておきます。
狭い所が好きな猫は、蓋を開けっ放しにしておけば自然と中でくつろぐようになります。
慣れてきたら時々蓋を閉めたり、飼い主が持って部屋の中を移動したりして徐々に慣れさせます。
出たくなったらいつでも出られると覚えさせるとキャリーバッグへの恐怖心が育ちにくくなります。
生後一年までに犬をしつけよう
子猫のしつけの上で最も大切なことは、子猫が失敗してしまっても強く叱らないということです。
猫は犬と違い叱られても理解できません。
気難しい性格になってしまったり、人に対して臆病で警戒心の強い猫に育ってしまいます。
その方が心地の良い状態になると子猫自身が思えるしつけが、お行儀のよい猫に育ってもらう一番の近道です。