外に出かけると、野良猫に会うことがあります。
撫でるなどして、可愛がる人もいますが、その後は手を洗うことが大切です。
では野良猫に触れた後、手を洗った方が良いのはなぜでしょうか。
1.猫ひっかき病を予防するため
人獣共通感染症とは、動物から人間に感染する病気のことを言います。
人獣共通感染症は、日本で約100種類くらいあります。
その中の一つに、猫ひっかき病という病気があります。
この病気は猫の口腔内やネコノミ等に存在する、バルトネラ属菌の感染で発症します。
保菌している猫にひっかかれたり、噛まれることで引き起こされます。
特に子猫が保菌していることが多いです。
野良猫の場合、飼い猫と違って、屋外でずっと過ごしています。
恵まれない不衛生な環境のため、病気を持っていることが多いです。
また野良猫にも個体差はありますが、触れると不意にひっかかれることもあります。
野良猫に触れたら、感染予防のため、手を洗って雑菌を洗い流すことが大切です。
猫ひっかき病にかかると、患部が腫れて赤くなります。
重症化すると、発熱や肝機能障害を引き起こすこともあります。
気になる症状が見られる時は、病院に受診するようにしましょう。
2.パスツレラ症を予防するため
人獣共通感染症には、パスツレラ症という病気もあります。
パスツレラ症は、パスツレラ属菌が原因となって発症する病気です。
猫の常在菌として、口腔内に存在しています。
猫にひっかかれたり、噛まれることで、感染して病気を引き起こします。
症状として、患部やリンパ節が腫れることがあります。
特に基礎疾患がある方は、重症化することもあるので、注意が必要です。
野良猫は前述したとおり、不衛生な環境で過ごしているため、感染予防が重要になります。
野良猫に触れた後は、流水で手を洗って、雑菌を洗い流すようにしましょう。
またこの病気は、猫に触れることで、呼吸器から感染することもあります。
気管支炎などを引き起こす可能性もあるので、うがいもしっかりと行いましょう。
3.疥癬症を予防するため
猫の疥癬症は、多く見られる皮膚の病気です。
ネコショウセンコウヒゼンダニが寄生することで、引き起こされる病気です。
猫がこの病気にかかると、かゆみが酷くて、頻繁にカラダをひっかくようになります。
疥癬症にかかっている猫に触れることで、人間に感染することがあります。
でも猫が疥癬症になるヒゼンダニは、人間に寄生しても、3週間以上生きることができません。
自然に治ることがほとんどです。
ただし抵抗力の弱い方に寄生すると、症状が重くなるケースもあるので注意が必要です。
野良猫の場合、草むらなどで過ごしたり、他の猫と接触することが多いです。
そのためヒゼンダニなどの、寄生虫を持っている可能性が高いです。
野良猫に触れた時は、石鹸などでしっかりと手を洗って、感染を予防することが大切です。
4.クラミジア感染症を予防するため
猫がかかる病気の一つに、クラミジア感染症があります。
クラミジア感染症は人獣共通感染症でもあるので、注意が必要です。
クラミジア感染症は、ネコクラミジアによって、感染して発症する病気です。
猫がこの病気にかかると、くしゃみや鼻水、目やに、目の充血などの症状が見られます。
クラミジア感染症にかかっている猫の目やにや、鼻水などに触れてしまうことで感染します。
特に野良猫の場合、感染しやすい環境で過ごしているので、病気を持っている可能性が高いです。
人間に感染して発症すると、結膜炎を引き起こします。
病気に感染しないために、野良猫に触れた後は、しっかりと手を洗うようにしましょう。
5.カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症を予防するため
人獣共通感染症には、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症という病気があります。
カプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌が原因となって、発症する病気です。
猫にひっかかれたり、噛まれることで感染します。
野良猫に触れて、ひっかかれてしまい、病気になるケースもあるので注意が必要です。
カプノサイトファーガ・カニモルサスは、猫の口腔内に常在しています。
人間に感染すると、発熱や倦怠感などの症状が見られるようになります。
抵抗力が弱い方が感染すると、重症化する恐れがあります。
敗血症や髄膜炎などを引き起こす可能性もあるので、注意しましょう。
病気の予防のために、野良猫に触れた後は、手洗いを必ず行いましょう。
付着した細菌を洗い流し、清潔にすることで、病気の発症を防げる確率が高くなります。
病気の予防のため野良猫に触れた後は、手洗いをしよう
野良猫は屋外で過ごしているため、様々な病原菌を持っていることが多いです。
また人獣共通感染症と言って、動物から人間に感染する病気もあるので注意が必要です。
病気の予防のために、野良猫に触れた後は、手をしっかりと洗うことが大切です。
でも発熱や患部の脹れなど、気になる症状が見られる時は病院に受診しましょう。