飼い鳥としてインコと並んで人気があるのが文鳥です。

手乗りに訓練して愛する人も多く、文鳥がテーマの漫画なども人気があります。

文鳥にもいろいろな羽色がありますが、文鳥という鳥のイメージとして写真が使われたりすることが多いのは桜文鳥、白文鳥です。

カラフルで色鮮やかなインコ達に比べるとおとなしめの印象ですが、実はとても個性豊かな鳥でもあります。

桜文鳥の特徴

原種の文鳥に最も近い羽色をしています。

日本で誕生した「白文鳥」と原種の文鳥との交配から誕生したものだと言われています。

基本は原種の文鳥の羽色で、頭の黒い部分や胸に白い「ボカシ」が入った羽色が特徴になっています。

このボカシ部分が桜の花びらのように見える、ということでつけられたのが桜文鳥という優雅な名前です。

ボカシの入り方は様々で、桜文鳥とされていてもほとんど頭が真っ白だったり、ゴマ塩状態だったり、逆に頭に小さい白い斑点があるくらいで胸のボカシもほとんどない、というタイプもいます。

また、桜文鳥同士の交配で白文鳥のような羽色が誕生することもあります。

丈夫で鳴き声もうるさくないので、マンションなどの集合住宅でも飼育することができます。

文鳥の寿命は約7~8年とされています。

桜文鳥の性格

優雅な品種名からは想像できませんが、桜文鳥はとても気が強く、自己主張をしっかりとする鳥です。

自分よりも体の大きな鳥でも平気でケンカしようとしますので、インコなどと同居させると「インコが攻撃される」ということもよく起こります。

また、人によく懐く性格は「飼い主にべったり」ということにもなりやすいです。

手のひらに潜り込んで眠ってしまったり、肩の上に座ってぴったりと首筋に寄り添ってきたりということは当たり前になります。

そのために特に手乗りに仕込んだ場合は、飼い主の姿が長期間見えなかったり、遊んでもらえなかったりするとエサを食べなくなるというトラブルが起こりやすくなります。

飼い主を愛するあまり、他の鳥に対する嫉妬も相当なものです。

文鳥同士、異種の鳥に対しても同じで、飼い主と自分の間に割り込もうとする存在、と見なされると執拗な攻撃の対象になります。

文鳥と他の鳥を同時に放鳥する場合は、人間側がよく注意してケンカが起こらないようにするか、放鳥時間をずらすようにしましょう。

桜文鳥の値段と入手方法

ペットショップから購入するか、里親募集サイトでもよく募集があります。

価格帯は約1,000円から3,000円程度が多くなっていますが、値段によって「ヒナの丈夫さ、成長したときの羽色の美しさ」が保証されるものではありません。

桜文鳥は白文鳥、シナモン、シルバーといった他の羽色の文鳥よりも価格が安い傾向にあります。

もちろんだからといって他の羽色の文鳥よりも魅力が劣るということはありません。

むしろ羽色の鮮やかさのコントラストは他の羽色よりもはっきりしているし、表情がより豊かに見えるとして熱烈なファンも多い鳥です。

里親募集サイトでも完全無料の場合と、ある程度の金額を支払う場合があります。

転売を防ぐためでもあります。

現在取引されている文鳥は日本国産のものと台湾から輸入されたものです。

国産のヒナは台湾産のヒナよりも価格が高い場合があります。

出身地によってヒナの良し悪しが決まる、といったこともありません。

手乗りにするために少しでも若いヒナが欲しい、という人もいますが、差しエサは慣れた人でないとそれほど簡単ではありません。

羽の生えそろっていない時期のヒナは保温にも気を付ける必要があります。

文鳥を購入する際に、これらのことも考えた上できちんと相談に乗ってくれそうなお店を選ぶようにしてください。

桜文鳥のエサ

桜文鳥のエサはフィンチ用のシードでOKです。

殻付きのものとムキエとして殻がむいてあるものの両方がありますが、栄養価的には殻付きのほうが優れています。

文鳥は自分の好みのシードを探すためにエサ箱の中をかき回すことがあります。

また、剥いた後の殻が散らばるので、ケージの中やケージを置いてある部屋が散らかりますが、ぜひ殻付きを与えてください。

最近は総合栄養食としてのペレットもフィンチの大きさに対応したものがあります。

ボレー粉もカルシウムの補給のために与えてあげたいものです。

この他に新鮮な野菜や果物を与えてあげましょう。

小松菜、チンゲン菜、豆苗などを与えます。

果物はリンゴ、ミカン、ブドウ、バナナなど人間が食べるものを少し分けてあげればOKです。

ただし、身体を冷やしたり糖分の摂りすぎの原因にもなります。

喜ぶからと与えすぎないようにしてください。

また、リンゴの種など「バラ科の植物」の種は鳥にとって有害ですから、文鳥が間違って食べないようにしてください。

桜文鳥と暮らすために気をつけたいこと

文鳥は水浴びも大好きですから、冬でも好きなときに水浴びができるように、水浴び用の水盤は常にキレイな水を入れて用意してあげましょう。

その際、寒いだろうからとお湯やぬるま湯で水浴びさせてはいけません。

羽をコーティングしている脂分が落ちてしまい、逆に風邪を引きやすくなってしまいます。

手乗りにした文鳥は、人間にぴったりくっついて過ごすことが多くなります。

放鳥時の窓、ドアの開閉には特に注意しましょう。

知らないうちにドアに挟まったり、外に飛びだしてしまったりという事故の防止のためです。

また、飼い主のすぐ後ろをついて歩いていたり、座っていた椅子の上で遊んでいたりということもあります。

うっかり踏んづけたりしないように、常に「文鳥がどこにいるのか」を確認してから行動してください。

好奇心旺盛で食いしん坊な文鳥はとにかくクチバシに入りそうなものはなんでも「食べようとする」ところがあります。

シャープペンシルの芯、ビーズ、タバコの吸い殻などもあっという間に拾ってしまいますから、気を付けてください。

観葉植物にも鳥にとって有害なものがあります。

文鳥がいたずらできないように別室に移動するなどしておきましょう。

文鳥のおもちゃはブランコ程度です。

個体差もありますが、インコのように様々なおもちゃを必要とするということはありません。

それよりも飼い主さんが一緒に遊んだり話しかけてあげるほうが重要です。

桜文鳥の特徴を知ろう

感情豊かで頭のいい桜文鳥ですが、自分だけでは生きていくことはできません。

スズメと同じような鳥だから、野性でも生きていけるということはないのです。

世話ができなくなった、飽きたなどの理由で「外の世界に放してあげる」ということは絶対にしないでください。

特に手乗りになると飼い主に対して寄せる愛情は深く激しいものになります。

それだけに愛する飼い主さんから見放されたり、引き離されたりということは文鳥にとって非常に大きなダメージになります。

縁があって一度一緒に暮らすことになった文鳥は、どうか最後までお世話してあげるようにしてください。