水槽内に生えるヒゲ状のコケ。
黒っぽいものが多く、緑や灰色のことも。
見た目も悪く手作業でも取りづらいこのコケはなぜ生えるのでしょうか。
またどうやれば生えにくくなるのでしょうか。
その対策も見ていきましょう。
なぜヒゲ状のコケが生えるのか
このヒゲ状のコケが生える最大の原因は水流の強さです。
他のコケだと生えにくい出水パイプの穴から長く伸びるように生えていたりするなど、水流が強い所によく生えます。
他の原因としてはフィルターの汚れやろ過能力不足、肥料やえさのあげ過ぎで富栄養化(特にリン)している。
また水替えをあまりしていなかったり、魚の入れ過ぎなどで飼育水が汚れていることも原因として考えられます。
次項からはヒゲ状のコケが生えないように、また生えた場合の対処法を見ていきます。
水流を弱める
黒いヒゲ状のコケは、外部式ポンプや水中モーター式フィルターのように水槽内に水流を送り込むパイプがあって、そこから出る水流が強い場合に発生しやすいです。
パイプの穴から黒いヒゲ状コケが長く伸びたり、水流が当たる水草やストラクチャ類にも絡まるように発生したりします。
まず真っ先に考えることは水流を弱めることです。
出水パイプの先や穴から黒く伸びるのは、その強い水流を好む証拠です。
水流を変えられるならば、水草がかすかに動く程度まで弱くします。
水流が変えられない場合は、出水パイプの穴を広げてみてください。
これで流れは弱まります。
またパイプの穴を水槽の壁面に近付けて、強い水量の場所を少なくするのも少しは効果があります。
水槽内全体の水流を弱めることをまず考えましょう。
照明を使う時間減らす
コケは日照時間や照明の時間が長いほどよく育ちます。
ヒゲ状コケも例外ではありません。
光量にもよりますが、基本的には1日8時間程度にすることが望ましいです。
また照明器具でコントロールする方が容易なので、日光は当たらないようにする方が良いでしょう。
ただし点灯時間を短くし過ぎると、珪藻などのプランクトンが発生したり、水草の成長に影響が出たりします。
水草は光合成する時にヒゲ状コケの栄養源でもあるリンが必要なのですが、あまり照明の時間を短くするとまた逆に影響が出てしまいます。
どうしても照明をもっと長い時間点灯させたい場合には光量を減らします。
2灯式なら1灯だけ点灯する。
電球や蛍光灯を外して減らせる場合は一部を外してみる。
ホテイ草などの浮草を浮かべて光が必要以上に、水槽内へ入らないようにしてみる。
また照明をリフトアップすることで光量を減らすこともできます。
こうした対策でヒゲ状コケを増やさないようにしましょう。
水替えと掃除
水槽内の掃除をします。
壁面はスポンジなどでこすり落とします。
落としにくい場合はプラスチック製の板などでそぎ落とします。
また水槽のふちは歯ブラシなどでこすり落とします。
少しコケが残っていると、そこから瞬く間に増えていくのがコケです。
頑張って取ってしまいましょう。
また、そこの砂利や土を掃除します。
市販の水替え用ホースなどで砂利内のごみも吸い取ってしまいます。
砂利の中は見た目以上に汚れている場合もあり、悪臭を漂わす原因にもなっており、コケの発生を助長することがあります。
そして、水槽内の器具を取り出して水洗いします。
パイプに付いたヒゲ状のコケはブラシでよくこすって落とします。
歯ブラシは大きめのものと小さめのもの2種類を使い分けると落としやすくなります。
水中モーター式フィルターは本体の周りも中もかなり汚れますので、特に丹念に洗います。
他のフィルターでも内部の掃除は出来るだけやってみましょう。
フィルターにコケが付着していて、水槽内に撒き散らしていることも考えられます。
またパイプ類は台所用の漂白剤で漂泊するのも手です。
ただし水洗いは丁寧に。
水替えですが、ヒゲ状コケが発生している場合は換水回数を増やします。
1度にたくさんの水を替えるより、少ない量で回数を増やす方が効果的です。
バクテリアの減少が少なくて済むため、水槽内の生体にも影響が少ないというメリットもあります。
エサのやりすぎに注意する
掃除をする前に考えることがあります。
そもそもの水質悪化の主原因はエサのやりすぎです。
たくさん食べることで排泄物も多くなりますし、また食べ残しも増えます。
その食べ残したエサにより飼育水の富栄養化が進みます。
特にリンが増えすぎることにより、ヒゲ状コケが良く育つ原因となります。
水草にはある程度のリンが必要ですが、過剰になるとヒゲ状コケの発生につながります。
水替えと掃除はアクアリウムでは当たり前のことですから、サボらずに取り組むのは当然です。
その水替えや掃除を頻繁にしなくてはいけない主原因はエサのやりすぎです。
可愛いからと言ってエサをたくさんあげてしまうことは避けるようにしましょう。
ヒゲ状コケ対策としてまずは水流を抑えよう
ヒゲ状コケは1度発生するとなかなかなくなりません。
掃除をして除去したつもりでも、すぐまた発生してしまいます。
必要以上に強い水流を水槽内に起こさないことと、エサのやりすぎを防止することでその発生はかなり抑えられるものです。
日ごろから注意してヒゲ状コケを発生させないようする工夫と努力が必要です。