道端に子猫が捨てられているとき、猫好きなあなたなら何とかしてあげたいと思うでしょう。

ただ、実際に拾うとなると準備も必要ですし、それに伴ってやるべきこともできます。

特に子猫は体力がないので、うまくやらないと生きていけなくなってしまいます。

今回は、捨て猫を拾ったときに何をすべきかについてご紹介します。

子猫の場合は温めてあげる

子猫は自分で体温調整ができません。

子猫が親猫の側にいるのは、親猫の体温によって温めてもらうためです。

このため、親から引き離された子猫は体温が下がりやすくなっています。

体温が大きく下がってしまうと命に関わるのは、人間も猫も同じです。

まずやるべきことは、子猫の体を温めてあげることです。

特に冬場はあっと言う間に体温が下がってしまいますので、早ければ早いほど良いでしょう。

体を温めてあげる方法に、特に決まりはありません。

湯タンポ、使い捨てカイロ、お湯の入ったペットボトル、何でも構いません。

とにかく暖かくなるものを用意してあげましょう。

部屋に暖房をしっかりかけておくのも効果的です。

その上で、子猫の体を何かでくるんであげましょう。

汚れても良い毛布でも、古くて着られなくなったセーターでも、何でも構いません。

大切なのは、早急に猫の体を温めてあげることです。

とりあえず必要なものを用意する

取り敢えず子猫の体が温まる目途がついたら、当面必要なものを用意しましょう。

最終的に飼うにしろ飼わないにしろ、絶対に必要になるものはあります。

まず、猫の運搬に必要になるキャリーです。

後述しますが、捨て猫は獣医さんに診てもらう必要があります。

獣医さんに連れて行くときに、キャリーは必要になってくるからです。

猫がキャリーの中で粗相をすることも考えると、ペットシートも必要でしょう。

また、猫は基本的にキャリーに入るのが好きではありません。

このため、キャリーに入れる際に抵抗し、引っ掻いてしまう可能性もあります。

これを予防するためには、手袋も必要になってくるでしょう。

捨て猫は必ずしも清潔とは言えませんし、どのような細菌を持っているか分かりません。

手の傷から細菌が入らないようにするためにも、手袋は必要です。

そして猫用のミルクも必要になってくるでしょう。

子猫の場合、牛乳は消化が良くないため、お腹を壊してしまう原因になりかねません。

そして、捨てられていたわけですから、親猫からミルクももらえず、お腹を空かしています。

体を温めてあげても、エネルギー源となるミルクがないとすぐに弱ってしまいます。

当面、必要となる分だけの猫用ミルクを用意しておきましょう。

獣医さんに連れていく

上にも書きましたが、捨て猫は獣医さんに連れて行き、診察を受ける必要があります。

まずは猫の健康状態を十分に把握する必要があるからです。

例えば風邪をひいている場合、子猫にとっては命取りになってしまいます。

くしゃみをしているような場合は、早急に手当てをしてもらう必要があります。

また、捨て猫にはノミや寄生虫がいる場合も珍しくありません。

放置しておくと体力が奪われてしまい、体力のない子猫の場合には命に関わります。

獣医さんに診てもらえば、駆除してもらうことができます。

そして、伝染病などのチェックも必要になってくるでしょう。

悲しいことに、白血病やエイズのキャリアの子猫もいるのです。

家に他猫がいる場合、一緒に飼えるかどうかの判断材料にもなるでしょう。

そのあたりは獣医さんに診てもらわないと分かりません。

捨て猫の今後を考えても、血液検査は受けておいた方が良いでしょう。

自分で飼えるかどうかを判断する

そして、ここが難しいところですが、自分が猫を飼える環境か判断しなくてはならないでしょう。

例えばペット不可の集合住宅で長期間、猫を飼うわけにはいきません。

飼うならば引っ越す、飼わないならば後の対処を考えなくてはなりません。

どちらを選ぶかを決めるのはあなたです。

飼うと決めたら、よりしっかりとした準備を進めましょう。

猫トイレを初め、必要となるものは他にもたくさんあるはずです。

ただ、もし飼えないと判断しても、最善を尽くしてください。

獣医さんの中には、有料で捨て猫の里親探しをやってくれる人もいます。

また、地元のNPO法人などを頼り、里親探しを行うのも良いでしょう。

あなたの努力が無駄になるような真似は、極力避けなければなりません。

飼うにしろ飼わないにしろ、自分にできる精いっぱいのことはしてあげましょう。

助けた命を無駄にしないようにしよう

捨て猫は犯罪ですし、猫を捨てた人間が許せないと思えるのは当然のことでしょう。

ただ、拾ったからにはその後の責任を持たないと、あなたも捨てた人と同じになってしまいます。

そのためには飼うにせよ飼わないにせよ、最低限、できることはやらないといけないのです。

あなたの目の前にいるその捨て猫は、ぬいぐるみではなく本物の「命」です。