ペット番組やインターネットの動画で、水浴びやお風呂に入る犬などの映像を観ることがあります。

そもそも、うさぎは水浴びをしても良いのでしょうか。

うさぎは水が苦手な生き物だと言われています。

うさぎに水浴びが必要ない理由をご紹介します。

うさぎは水が苦手だから

うさぎは水が苦手な生き物です。

敏感な足の裏に水が付いただけでも、怒ってスタンピングをしたりします。

仮に水浴びをさせようと洗面器の中などに水を張って入れても、緊張で固まって動かなくなることでしょう。

人間にとってお風呂は気持ち良いものですが、水が苦手なうさぎにとっては苦痛以外の何物でもありません。

ひどい下痢で体が汚れてしまったなど、余程のことがない限りは、水浴びやお風呂などに入れないようにしましょう。

また、水に濡れたあとに毛が生乾きだと、風邪を引いたりカビなどに感染するリスクが高くなります。

そして、カビの感染から皮膚炎を引き起こす可能性もあります。

体温調節が出来ないから

生き物にとって、体温調節は重要な役割を担っています。

うさぎは体温調節を耳の裏で行います。

耳の裏から放熱することにより、体温調節しています。

また、耳にはたくさんの毛細血管があり、それを冷たい外気に触れさせることによって、体温が上がりすぎることを防いでいます。

人間は全身から汗をかくことにより体温調節を行いますが、うさぎは汗をかくことが出来ません。

耳の裏だけで体温調節をするので、うさぎは体温調節が苦手であると言えます。

水浴びをさせることにより体温が急激に下がり、通常の状態に戻すのは、体温調節が苦手なうさぎにとって、負担がかかることです。

体臭が少ないから

うさぎは、もともと肉食動物に捕食される側の生き物です。

天敵から逃げるときに体臭があると、においをたどって捕まってしまう可能性があります。

そのため、うさぎは皮脂腺が少なく、あまり体臭が出ないような体の作りをしています。

したがって、体臭が少ないため、水浴びをする必要がないと言えます。

しかし、うさぎ自身に体臭が少ないということは、においのきついものの側にうさぎがいると、においが移ってしまうこともあるということです。

トイレなどの掃除を怠り不衛生な状態だと、そのにおいがうさぎに移ります。

においだけではなく、不衛生な環境で飼育することにより、病気などになりやすくなります。

ですので、掃除はできるだけこまめにしてあげるようにしましょう。

濡れると乾きにくいから

うさぎの毛は量が多く、毛の中に空気を含んでおり、断熱効果があります。

しかし、毛の量が多い分、一度水に濡れるとなかなか乾きません。

しかも、うさぎは体温調節が苦手な動物です。

体全体が濡れると急激に体温が下がり、どんどん体が冷えて弱っていきます。

さらに湿気もカビが生えやすくなり、体に良くありません。

乾かすためにタオルでゴシゴシ拭かれるのも負担がかかりますし、ドライヤーを使っても乾くまで1時間くらいかかってしまいます。

ドライヤーから出る風や音は、耳が良く、神経質なうさぎにとって辛いものです。

その結果、ストレスで体調を崩す可能性があります。

ストレスに弱いから

うさぎは神経質で、ストレスに弱い動物です。

さらに水が苦手です。

水浴びをすること自体、うさぎには大変負担がかかり、ストレスになります。

ストレスがかかると、うさぎはイライラして自分で自分の毛をむしってしまったり、自律神経のバランスが狂い、体調不良を起こしてしまったりします。

子育て中の母うさぎを水浴びさせたりお風呂に入れると、ストレスから育児放棄を起こすこともあります。

人間は気分転換に水浴びやお風呂に入ることもありますが、うさぎにその必要はありません。

気分転換になればと水浴びやお風呂に入れるのは絶対に止めましょう。

うさぎは慣れないことをする、またはされることがとても苦手です。

アナうさぎだったときの名残

ネザーランドドワーフやホーランドロップ、ダッチやミニレッキスなど、うさぎにはたくさんの品種がいます。

大きさや毛の長さや質は異なりますが、現在ペットとして飼育されているうさぎ(カイうさぎ)は、全てアナうさぎを祖先として品種改良されて生み出されました。

アナうさぎは、土の中に穴を掘り、トイレや出産や食事のための部屋など、用途に応じた部屋を作り生活しています。

1日のうち、大半を地中の穴の中で過ごすため、水分をあまり必要としない体に進化しました。

ですので、水と関わる生活を送る必要がなく、水浴びをする必要がないのです。

ちなみに、うさぎを土の上に置くと穴堀りを始めます。

これもアナうさぎだったときの名残です。

毛繕いで清潔を保っているから

うさぎが行う仕草の中に毛繕いがあります。

うさぎは毛繕いをすることにより、体の清潔を保っています。

うさぎの唾液の中には体を洗浄する作用がある成分が含まれています。

前足に唾液を付け、それを全身にくまなく塗りたくることにより、体の衛生状態を良好なものにしています。

お風呂などに入って清潔を保たなくてもキレイな体のままでいられますので、水浴びをする必要はありません。

毛繕いは、時間をかけて念入りに行っています。

また、苦手な人に触られたなど、ストレスを感じたときに毛繕いを行うことにより、落ち着きを取り戻し平常状態になります。

うさぎの水浴びは避けよう

うさぎのような水が苦手な生き物にとって、水浴びはストレスにしかなりません。

万が一、ひどく汚れてしまったなど水浴びをせざるを得ないときは、うさぎがストレスを感じないように素早く終わらせる必要があります。

そして、うさぎが体調を崩さないようにしっかりと乾かしてあげましょう。