最近では、うさぎの愛好家が自慢の愛うさぎを公園で散歩させたりする「うさんぽ」なる言葉も生まれるほど、密かなブームを巻き起こしています。
鳴かなくてニオイも少なく、そして何よりその愛くるしい風貌が人気の秘密でしょう。
そんなうさぎをペットとして買った場合、お風呂はどうしたらいいのでしょう。
基本的にうさぎはお風呂には入れないペットです。
入れることによって大きなストレスを与えてしまうことがあります。
しかし糞尿などがつきどうしてもお風呂に入れる必要が出て来るというケースも考えられます。
そこで、うさぎをお風呂に入れる際のポイントをご紹介します。
お風呂に入れる前に体調チェック
飼い主として当然ですが、うさぎの毎日の体調のチェックは欠かさないようにしましょう。
そうすることで、どんな状態が正常なのかわかるようになります。
反対に言えば、おかしなところがあったらすぐに気づけるようになります。
ウンチの様子がおかしいとか、グッタリしているなど、明らかに具合が悪そうな場合はもちろん動物病院を受診するべきですが、人間も医者に行くほどではないけど、いつもと少し様子が違う日や食欲のない日などはありますね。
うさぎも同じで、たまには体調を崩します。
いつもより餌の食いつきが悪い時や、動きが鈍い時はどんなに汚れが気になっても無理にお風呂に入れようとしてはいけません。
少し体力が落ちているので、いつもの調子に戻るまでいつも以上に気を配って安静にしてあげてください。
また、生後2ヶ月未満の子うさぎは、どんなに元気だろうとお風呂は避けましょう。
まだ体が出来上がっていないので負担が大きくなり、弱ってしまいます。
入浴の準備は念入りに
うさぎは臆病で繊細な生き物だとよく昔から言われています。
必要以上に神経質になる必要はありませんが、基本的にうさぎはやはり猫や犬に比べ警戒心が強く、いつもと違うことをされると強いストレスを感じます。
バタバタとならないようにシャンプーする前にきちんと手に届くところに道具を揃えておきましょう。
シャンプー後のタオルもすぐに出せる位置におき、ドライヤーはコンセントを入れておくなど、準備を整えてから段取り良くスムーズに進められるようにしましょう。
水温に注意
ストレスに弱いうさぎの心臓は、とても小さいです。
シャンプーする時の水温は、その心臓に負担のかからない体温よりやや高めの38度から40度の、ぬるめのお湯にします。
シャワーの出る時の音など人間はさほど気にすることはないと思いますが、うさぎにとってはそこそこ大きな音です。
怖がって暴れる場合もあります。
その場合は、蛇口からお湯を出し、風呂釜や桶に静かにお湯をためて洗うといいでしょう。
基本は部分洗い
うさぎはウンチやおしっこが、お尻周りの毛についてしまったりそのウンチやおしっこを踏んでしまったりして、毛に覆われた足が汚れることがあります。
そういった部分がニオイの原因となっていますので、基本は全身をジャブジャブ洗うのではなく、その汚れた部分だけをシャンプーで洗い流す方法がいいでしょう。
耳は注意
しかし、外に連れ出してひどく汚れた場合など、どうしても全体的に汚れがひどい場合は全身を洗う必要があります。
その時に気をつけたいのが、うさぎのチャームポイントである大きくて長い耳です。
ここはうさぎのデリケートゾーン。
この耳で周囲の物音を敏感に捉えて危険を察知したりするいわばセンサーのような役割を持っていますので、水が入らないように慎重に扱います。
大抵うさぎは、耳の近くに異物が近づくと、耳をたたんでぴったりと胴体にくっつけ防御するので水が入りにくいですが、急な場合は反応が間に合わずに、耳の中に水が入ってしまうこともあります。
放っておくと、炎症を起こしてしまう可能性もあります。
万が一水が入った時のために、準備の段階で近くに乾いたタオルや綿棒を用意しておくと良いでしょう。
しっかり乾かす
シャンプーする時のポイントとして一番重要なのが、意外にもこの項目です。
うさぎは大変湿気に弱い生き物です。
お風呂上がりに濡れたままでいるとたちまち弱ってしまいますので、シャンプーを終えたらしっかりタオルドライしたのち、ドライヤーで乾かします。
音の小さいドライヤーがあればベストですが、ない場合はターボを使わず弱風で、できるだけ静かに乾かしてあげてください。
冬の季節はファンヒーターの前に連れて行き、乾かすのも手です。
特に地肌はしっかり、濡れた部分のないように乾かします。
その後のチェックも怠らない
無事に汚れも落ち、キレイになったうさぎですが、終わったからとホッとするのはまだ早いです。
その後も最低1日は様子に変わりがないかいつも以上に観察してあげてください。
特にお風呂が初めて、もしくはまだ慣れていないうさぎの場合は要注意です。
異変を感じたら獣医さんに相談しましょう。
うさぎのシャンプーのタイミングを見極めよう
うさぎは自分でグルーミングをして、お手入れをしますし、体臭もないので、よっぽどのことがない限り積極的なシャンプーはしなくて大丈夫な生き物です。
しかし、季節によっては抜け毛がひどく、ブラッシングだけでは取りきれなかったりする場合があります。
大量の抜け毛をグルーミングの際に飲み込むと、うさぎのお腹の中に毛玉が溜まり、毛球症になる危険があります。
また、お尻の周りが濡れてしまった場合、放置するとただれたり皮膚炎の原因にもなります。
シャンプーせざるを得ない場合もあります。
今がシャンプーが必要な場合か否か飼い主が見極めて、なるべく負担のかからない方法でうさぎの健やかな皮膚と健康のためのケアを行ってあげることを心がけてください。