長い耳が特徴のうさぎは、いつの時代も子供たちの人気者。

国内外を問わず、うさぎが登場する絵本もたくさんあり、「子供の頃に読んだ」という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

それでは、そんな可愛いうさぎの絵本をご紹介します。

ちいさなうさこちゃん

作・絵: ディック・ブルーナ 訳: いしい ももこ
出版社: 福音館書店

「ミッフィー」としても知られる、オランダ発の人気絵本です。

キャラクターグッズなどでも有名ですよね。

この絵本はシリーズとなっており、オランダらしい鮮やかな色使いとシンプルな線で、長いあいだ子供たちに親しまれてきています。

ちなみに、うさこちゃん(ミッフィー)のオランダでの名前は「ナインチェ・プラウス」。

「ナインチェ」はうさぎ、「プラウス」はふわふわであることを意味します。

日本版では「うさこちゃん」と訳されましたが、英語版では「ミッフィー」とつけられ、その名前が広まったようです。

ピーターラビットのおはなし

作・絵: ビアトリクス・ポター 訳: 石井 桃子
出版社: 福音館書店

原題は「TheTaleofPeterRabbit」。

イギリスの湖水地方で生まれた絵本です。

兄弟の中で、一人だけお母さんの言いつけを守らないピーター。

マグレガーさんの農場で勝手に野菜を食べしまい、それを見つけたマグレガーさんに追い掛け回されるなど、イタズラなピーターにハラハラドキドキします。

また、イギリス発の絵本ということで、随所にブラックユーモアが盛り込まれているところも魅力です。

例えば、「こいつらの皮を剥いで、頭をちょん切ってやる」なんてセリフが出てきたり、ピーターのお父さんが肉のパイにされてしまったり……。

なお、この絵本はシリーズ化されています。

大人も子供も楽しめる絵本です。

しろいうさぎとくろいうさぎ

文・絵: ガース・ウィリアムズ 訳: 松岡 享子
出版社: 福音館書店

広い森の中に暮らす、二匹のうさぎのおはなしです。

いつも一緒に遊んでいるのに、ふと、黒いうさぎが哀しそうな表情を見せることがあります。

その理由を聞くと……というお話。

最後、2匹は月光の中で結婚式をあげるのですが、そこに派手さはありません。

ただただ淡く優しいタッチで描かれているのです。

読者対象年齢は幼稚園くらいからのようですが、大人になってから読むと、また違った味わいがあります。

恋人や大切な人への贈り物としても、大変人気のある絵本です。

わたしのワンピース

作: 西巻 茅子
出版社: こぐま社

野原で白い布を拾ったうさぎは、その布でワンピースを縫います。

そのワンピースは、お花畑では花模様に、雨が降れば水玉模様に変化する、夢のようなワンピースでした。

「わたしのワンピース」は、1969年の刊行の日本を代表するファンタジー絵本です。

リズミカルな言葉が読み聞かせにピッタリで、作中に登場する「ララランロロロン」というフレーズに、聞き覚えがあるという方も多いのではないでしょうか。

おしゃれに目覚めたばかりの小さな女の子に、圧倒的人気を誇るロングセラー絵本です。

かあさんどうして

作: 谷川 俊太郎
絵: 中村 悦子
出版社: 佼成出版社

詩人の谷川俊太郎さんが若い頃に書いた一篇を、中村悦子さんが絵本にしたという作品です。

お母さんに「どうして?どうして?」と問いかける子うさぎたちの成長を描いた物語。

壮大な大自然の中にうさぎの親子の姿に、感動を覚えます。

絵柄が可愛らしく、一見子供向けの絵本のように見えますが、実は大人向けの絵本と考えたほうがいいのかもしれません。

繰り返し読んで、物語の深い部分をしっかりと汲み取っていきたいと思わせる絵本です。

いなばのしろうさぎ

作・絵: いもと ようこ
出版社: 金の星社

日本に古くから伝えられる神話を、いもとようこさんのかわいらしい絵柄で、分かりやすく書き綴った絵本です。

サメをだまして海を渡ろうとしたうさぎと、怒ってうさぎの皮をはがしてしまったサメ。

神話ならではの辛辣さを感じるストーリーですが、通りかかった神様の優しさに触れ、うさぎが心から反省するところなどは、小さな子供にも共感できる部分があるのではないでしょうか。

神話でありながら、さりげなく教訓も盛り込まれた、ステキな絵本です。

めがねうさぎ

作・絵: せな けいこ
出版社: ポプラ社

山でめがねをなくしてしまった、うさこ。

家に帰ってから気付き、夜なのに、山にめがねを探しに行くのですが、そこには、退屈で困っているおばけが……。

のんびり屋でマイペースなうさこと、イタズラ好きでちょっとドジなおばけがコンビとなった「めがねうさぎ」シリーズ。

1975年刊行のロングセラー絵本です。

おおらかなうさこと、それに翻弄されるおばけにほのぼのします。

うさぎが出てくるユニークな絵本たちを読もう

子供に読み聞かせたい絵本や、大人になってから自分のために読む絵本。

いろいろご紹介しましたが、その他にも「うさぎとかめ」や「ビロードのうさぎ」、そして「不思議の国のアリス」など、うさぎが登場する名作絵本はたくさんあります。

親しみやすく、また印象に残りやすい「うさぎ」という動物だからこそ、こういった名作絵本が生まれるのかもしれませんね。