うさぎの可愛らしい特徴は山ほどあり、アゴをすりすりとこする仕草もそのひとつ。

ですが、そうやってアゴをすりよせているとき、うさぎは何を思っているのでしょうか。

人間にはないその行動に意味はあるのでしょうか。

においをつけるため

うさぎのアゴの下には臭腺という、においのついた液体を出す特殊な器官があります。

発情期や縄張りを主張するときなどは積極的にアゴをすりよせ、物にはもちろん飼い主の手や服にもにおいをつけて自分の存在をアピールします。

臭腺と聞いて不快なにおいを想像されるかもしれませんが、アゴから出る分泌液には人間ではわからない程度なので安心できます。

においをつけることは動物として様々な意味があり、その上、仕草まで可愛らしくて良いですね。

うさぎによってにおいのつけ方、こだわりもあり、うさぎの個性の一つにもなり得ます。

ただ、本能の赴くままにアゴをすりつけているばかりではなく、そこにはうさぎたちなりの思惑があるのかもしれません。

飼い主への愛情表現

においをつけるということは、自分のものだと主張して独占しようという意志の表れとも言えます。

毎日世話をしてスキンシップをとっているのであれば、うさぎにとってあなたはかけがえのない存在になっていくはずです。

うさぎの頭を撫でてあげるように、うさぎの方でも飼い主にアゴをすりよせることで、その愛情を伝えているのでしょう。

また突然やってきた来客や、初めて見るものにもアゴをするよせることがあります。

うさぎは警戒心が強く、すぐに新しいものを受け入れられるとは限りません。

ですが自分のにおいのついたものなら、多少なりとも安心できます。

そうやって少しずつ打ち解けていくために、アゴの器官は必要不可欠なものになります。

また、においをつけるということは相手を自分のもの、格下だと思っている可能性もあります。

あんまりわがままを言われても困るので、うさぎとの関係もしっかり保っていきたいですね。

嫌なやつがいる

もしあなたがうさぎを複数飼っていたり、別の動物と一緒に飼っている場合、色々なにおいが混然一体となった空間でうさぎは生活していることになります。

仲良くやれているのならそれで良いのですが、うさぎだって気に入らないにおいや相手はいるでしょう。

そうした相手のにおいを打ち消すために、せっせと部屋の中に自分のにおいをつけていく子もいます。

可愛らしい仕草なので見惚れてしまいがちですが、もしうさぎのストレスになっているのなら大問題です。

原因を確かめ、もしそれが他の動物にあるのなら対策を考える必要があります。

家族と同居している飼い主の場合、普段自室でしかうさぎを遊ばせないという人もいるかもしれません。

たまにはお家全体をうさぎに開放して、思うままににおいをつけさせてあげるのも良いでしょう。

うさぎ同士でにおいつけ

うさぎをつがいで飼っている場合、片方が相手にアゴを乗せることがあります。

うさぎの多頭飼いはたとえ去勢していてもケンカの危険がありますが、もし仲良くやってくれるならそれに越したことはありません。

そんな場面を見ることができたら、飼い主としてはうれしいですね。

ですが前述したとおり、うさぎはアゴをのせることで相手を格下だと示すこともあります。

あんまりうさぎ同士力関係に差が出てしまうことは好ましくないので、そこは飼い主さんが上手に対応してあげてくださいね。

毎日しつこく

うさぎの正確によっては、毎日のように同じ場所をにおいつけしたり、物や場所に執着する子もいるかもしれません。

そういうときは、できるだけうさぎにその場所を譲ってあげるようにしましょう。

うさぎは狭い世界で生きています。

その中にお気に入りの場所があるとしたら、飼い主は優先してうさぎに渡しましょう。

こまめな掃除や消臭も大事ですが、あんまり徹底してしまうとうさぎは自分のにおいのなさに困惑してストレスになることもあります。

毎日しつこいくらいにおいをつけているような場所を見つけたら、できるだけそのままにして、においをつけさせてあげるのがベストです。

その近くにはうさぎの食べれないものや危険なものがないように注意して、快適に過ごさせてあげる努力をしてみてください。

うさぎのアゴにはとても大きな意味がある

うさぎは時々その可愛らしいアゴをのせ、私たちを魅了します。

でもそこには何かしらの意味があり、もしかしたら不満の意思表示であることも考えられます。

一度自分のうさぎとしっかり向き合い、その行動の意味を考察する時間を作ってあげてください。

それから、うさぎの方からアゴをすり寄せてもらえるような飼い主でいてください。

うさぎの感謝を受け続けることが、うさぎを飼う幸福の一つなのです。