うさぎの特徴といえば、ふわふわもこもこの毛。
その毛をうさぎが自分でむしってしまったら、一体何があったのかと心配になります。
うさぎが自分で毛をむしってしまうのには、どのような理由が考えられるのでしょうか。
妊娠している
妊娠している雌うさぎが、自分の毛をむしることがあります。
生まれたての子うさぎは、毛が生えていません。
体温調節もまだ出来ないため、そのままの状態でいれば体が冷えて弱っていきます。
最悪の場合、死んでしまうこともあります。
それを防ぐために、母うさぎが自分のお腹の毛をむしり、子うさぎのための暖かいベッドを作るのです。
また、お腹の毛をむしることによって、目もまだ見えていない子うさぎたちが乳首を見つけやすくなります。
これは、生まれてくる子うさぎのための自然な行為なので、病気ではありません。
無理に止めさせようとすると、母うさぎにストレスがかかり、体調を崩したり、育児放棄しかねません。
慌てず騒がず静かに見守りましょう。
偽妊娠
雌うさぎの中には、妊娠していないのに、妊娠しているような兆候を示す個体がいます。
これを、偽妊娠と言います。想像妊娠とも言います。
妊娠と同じく、つわりや体のだるさや食欲増進または減少が起こります。
妊娠中または出産後のうさぎと同じく、子うさぎのために、自分のお腹の毛をむしってベッドを作る様子も見受けられます。
原因は、ホルモンバランスの乱れと言われています。
治療法や予防法はなく、ある日突然自分で妊娠していないことに気が付き、止めます。
偽妊娠の期間も1から2週間くらいです。
なお、偽妊娠しているうさぎは、神経質になっていることも多いので、刺激しないで様子を見ましょう。
毛をむしるのが気になるようでしたら、ハンドタオルや牧草などベッドの素材に使えそうなものを与えてみましょう。
運んでいるうちに妊娠していないことに気が付き、通常の状態に戻ります。
ストレス
うさぎは神経質で臆病な生き物です。
環境の変化にも弱く、新しい環境に慣れるまでに時間がかかります。
また、ストレスを受けやすい生き物でもあります。
その結果、ストレスから自分の毛をむしってしまうことがあります。
ストレスの原因は様々です。
最近引っ越しをした、新しい家族が増えた、家の近所で工事をしている、来客の中に追いかけ回したりするなどが挙げられます。
うさぎが急に自分の毛をむしるようになったと思ったら、最近何か変わったことはなかったか今一度振り返ってみましょう。
人間にとっては些細な変化かも知れませんが、うさぎにとってはストレスの原因となっていることがあります。
ケージに布をかけて暗くしたりなど、うさぎが静かに穏やかに過ごせるような環境作りを心がけましょう。
また、来客にはうさぎの接し方に慣れていない人もいるため、うさぎが負担に思うことをしないように、事前に説明しておきましょう。
皮膚炎などの皮膚のトラブル
皮膚炎などの皮膚のトラブルから、自分で毛をむしるようになるうさぎもいます。
自分で毛をむしるのを止めさせるより、毛をむしる原因となっている皮膚のトラブルを治すことが第一です。
皮膚が濡れたり汚れたり湿ったりする状態が続いて不潔になったり、怪我などで傷があると、そこにカビや細菌などが感染し、皮膚炎になります。
かゆみや痛みがある場合もあり、それを治めようと自分で毛をむしってしまうこともあります。
そうすることにより、傷口に口腔内の細菌などが入り、皮膚炎が悪化することがあります。
皮膚炎を治すためには、皮膚炎を起こしている部分の毛を刈り取り、抗真菌剤などの塗り薬を用います。
抵抗力が落ちている場合に細菌などに感染して皮膚炎になることもあります。
ケージの中やトイレなどが不衛生になっていないか確認してみましょう。
季節の変わり目の気温の変化
春と秋は毛が生え変わる季節なので、よく毛繕いをします。
また、うさぎは季節の変わり目の気温の変化に敏感な生き物です。
気温が下がると寒さから身を守るために巣を作ろうとして、自分で毛をむしってしまうこともあります。
うさぎの毛はふわふわとして柔らかいので巣材としては良いですが、抜き続けるとハゲ、てしまい、皮膚が露出してしまいます。
寒がっているようなら、ヒーターなどを用意するようにしましょう。
また、毛を抜いたときに食べてしまい、消化管うっ滞(毛球症)を引き起こすことがあります。
毛を食べても吐き出すことが出来る猫と違い、うさぎは食べた毛を吐き出すことが出来ません。
乾燥パパイアやパインなどの毛を溶かす酵素を含んだエサを適量与えるのが、予防法として効果的です。
なお、消化管のうっ滞は毛繕いの際に毛を食べてしまうことだけではなく、ストレスや歯が悪くなって起こることがあります。
気になるようでしたら、動物病院を受診しましょう。
うさぎが毛をむしるサインを読み取ろう
うさぎが自分で毛をむしってしまうことは、通常の状態ではありえないことです。
妊娠中のうさぎのように毛をむしってしまうのが自然な行動である場合は問題ないですが、ストレスや病気が潜んでいる可能性もあります。
うさぎは自分の気持ちを伝えることが出来ません。
ストレスや体調不良、病気を抱えていても訴えることが出来ません。
飼い主がうさぎの出すサインに気付き、適切な判断をしてあげることが、大切な家族であるうさぎにしてあげられることではないでしょうか。