うさぎを飼っていると、飼い主さんの手を舐めることがよくあります。
うさぎが小さな舌でペロペロと舐める様子は、何とも言えず愛らしいものです。
では、手をなめている時のウサギはどういう気持ちなのでしょうか。
今回は、飼い主の手をなめるうさぎの心理についてご紹介します。
うさぎの愛情表現
うさぎが手をなめる理由として、多くはこれが当てはまるでしょう。
「飼い主さんのことが大好き」ということを伝えたくて手をなめるのです。
こういう時に優しく頭や背中を撫でてあげると、うさぎとの信頼関係がより深まります。
手だけでなく腕や足など他の部位をなめてくる場合もあります。
また、中にはなめた後に軽く甘噛みをしてくるうさぎもいます。
これは反抗心ではなく、なめる行為の延長として行う愛情表現ではありますが、エスカレートすると痛みを伴い危険です。
甘噛みしようとしたら撫でながら少しだけ体を離すなど、コントロールしてあげましょう。
催促の表現
うさぎが寂しい時、かまってほしい時に甘えたい気持ちで飼い主さんの手をなめるケースもとても多いです。
手をなめた後に鼻でツンツンとつついてくることもありますが、これは「遊んで」と催促しています。
また、お腹がすいている時やおやつが欲しい時に、それを訴える手段として手をなめる場合もあります。
エサ入れに手を伸ばしたときにペロペロとなめてくる場合は、ごはんが待ちきれず催促していると考えられます。
うさぎが何を要求しているのかはその時々によって異なりますので、状況に応じてうさぎの気持ちを考えてあげるようにしましょう。
優位性を示したい
ケースとしては少ないかもしれませんが、縄張りを広げようとする思春期に見られるパターンです。
うさぎが思春期になると、トイレ以外の場所でオシッコや糞をして「ここは自分の縄張り」とアピールすることは多くみられます。
ケージの外で遊んでいる時などに飼い主さんの手をなめるのも、自分の縄張りを広げようとしている場合があります。
この場合、中には手だけでなく顔をなめようとするというケースも見られます。
飼い主さんより上に立ち、優位性を示したい心理からくるものですが、エスカレートすると上手に上下関係が築けなくなってしまいますので気をつけましょう。
距離を縮めることが常に良いとは限りません。
うさぎが身体的にも精神的にも健やかに成長するように、飼い主としてしつけをすることが大切です。
「塩分補給のためになめる」は嘘
「うさぎは人間の汗に含まれる塩分をなめて補給している」という説は以前からあり、肯定派と否定派に分かれています。
うさぎの飼育本に書かれている内容を見ても、肯定派、否定派の意見が様々です。
うさぎ用の甘いおやつを触った手に近づいてきてペロペロとなめることがありますが、汗をかいた人間の手もにおいや味がいつもと違うため、うさぎがついついなめてしまうのかもしれません。
ただ、「塩分が足りないから、塩分を含むエサを与えなければいけない」と考えるのは誤りですので気をつけましょう。
通常のペレットや乳酸菌やパパイヤなどの各種サプリメント、牧草などで必要な栄養はきちんと摂れています。
塩分は心がけてうさぎに与える成分ではなく、むしろうさぎにとっては有害なものなのだということを認識しましょう。
なめられるときはハンドクリームに注意
ハンドクリームや保湿クリームを手足に塗られる女性は多いと思います。
もちろん、それらにはうさぎにとって有害な成分が含まれています。
クリームを塗ってからある程度時間が経っている場合に少しだけなめられたくらいでしたら、過度に神経質になる必要はありませんが、うさぎと遊ぶ直前にはクリームを塗らないなど気を付けることが必要でしょう。
うさぎと親密であればあるほどスキンシップも多くなりますが、その距離が近いほど感染症のリスクも高まります。
あまり知られてはいませんが、うさぎに触れることで人間側に生じる感染症もあります。
なめられたり噛まれたりした後は、必ず洗浄するようにしましょう。
うさぎは家族の一員ですが、人間とは違う動物であり、接し方や距離感を誤ることはうさぎにとっても人間にとってもリスクがあるのです。
なめないうさぎは懐いていない?
うさぎは懐くと必ずなめてくるわけではなく、かなりの個体差があります。
飼い主を信用して懐いていても、なめるという行動はあまりしないといううさぎもいます。
また、幼少期はよくなめてきたけど思春期になるとピタリと止んだ、といった例や、シニアになってから急になめるようになった、など時期によって様子が違うことも多々あります。
飼い主さんとして、そのうさぎの性格や成長の変化を見つめて愛情いっぱいに対応してあげましょう。
なめることでうさぎは何かを伝えようとしている
うさぎが手をなめるときの心理やその注意点についてご紹介しました。
なめるという行為はうさぎの感情表現であり、そこからうさぎの気持ちを汲み取ってあげることで信頼関係につながります。
前後の行動や様子を見た上で、何を求めているのか、どう接すべきかを飼い主さんとして判断していきましょう。