アクアリウムをしていると、「コケ」の発生や水質の悪化は避けて通れない問題です。

そんな問題を解決するのにオススメなのは「ヒメタニシ」を水槽に導入することです。

どうして「ヒメタニシ」を導入するのが良いのでしょうか。

ここではヒメタニシ導入のメリットを飼育方法その他と合わせてご紹介します。

水槽のコケを食べてくれる

ヒメタニシを水槽に導入するメリットとして一番に挙げられるのは、やはり「コケを食べてくれる」ことでしょう。

これはヒメタニシ以外の巻貝にも言えることですが、淡水性の巻貝はコケ掃除のために水槽に導入されることが多いです。

ヒメタニシはコケを食べてくれることに付け加えて、エサの食べ残しや魚の死骸なども食べてくれます。

水槽内をキレイに保つのに一役買ってくれるでしょう。

またヒメタニシはその名前の通り、普通のタニシに比べると小型で目立ちにくい外見をしています。

そのため小型の水槽やレイアウトの美しい水槽に導入しても目立ちにくく、景観を損ねないというメリットもあります。

水槽の水質を改善してくれる

ヒメタニシが他の巻貝と決定的に違うのは、「水質浄化能力」があることです。

ヒメタニシはアサリのように直接水を吸い込んで、水に含まれたプランクトンや汚れなどを食べる性質があります。

こういった水質浄化能力は2枚貝等によく見られ、普通タニシなどの巻貝は、コケやデトリタス等を食べることはあっても直接水を吸い込んでキレイにしてくれることはありません。

コケを食べる巻貝の特徴と、水をキレイにする2枚の特徴の両方を併せ持つヒメタニシ。

水槽に導入すれば、水槽内の問題を一挙に解決してくれる優秀な掃除屋としての活躍を期待できるでしょう。

またヒメタニシは他の巻貝に比べると、フンから栄養塩が溶け出すことがほとんどなく、飼育していても水を汚すことが少ないです。

他に貝に比べて水槽をキレイにしてくれる能力が高いことに加えて、水を汚すことも少ないヒメタニシは、まさにメリットしかない掃除屋と言えるでしょう。

ヒメタニシの飼育方法

水槽をキレイに保つ能力が高いヒメタニシですが、その飼育は比較的安易で、初心者でも決して難しくはありません。

ヒメタニシは自然界ではドブ川などの汚い水辺にいることが多く、自身の水質浄化能力もあってか、水質の悪化には非常に強いです。

基本的に魚を飼育できる環境でさえあれば飼育は可能で、環境変化への適応力にも富み、身体も丈夫です。

適水温も5度~30度までと範囲が広く、また弱酸性を好む淡水性の貝の中にあって、弱アルカリ性の水であっても生きていける等、かなりの生命力を有します。

ヒメタニシを飼育するのであれば、水槽内に目の細かい砂利を厚めに敷いてください。

ヒメタニシは水温が下がって冬眠状態になったり、活動が低下すると砂に潜って身体を休める習慣があるからです。

また室内で飼育するのであれば、強めの照明を当てるようにすると元気が出ます。

ヒメタニシは非常に大食漢な貝であるため、エサが不足すると死んでしまう可能性が高いです。

従って室内で飼育するのであれば強めの照明で藻が発生し易い環境を作る必要があります。

ヒメタニシの繁殖方法

ヒメタニシは石巻貝等とは違って、水槽内でも繁殖が可能な貝です。

ヒメタニシは繁殖させるのに特にこれと言った特別な措置を必要とせず、単純に雄と雌を水槽に入れておけば勝手に繁殖します。

雌雄の見分け方は、触覚の違いで見分けがつきます。

雄は触覚が丸まっているのに対して、雌は触覚が真っ直ぐに立っています。

自然界では6月から8月にかけて繁殖が行われ、大体30~40匹くらいの稚貝を出産します。

ヒメタニシは卵生ではなく卵胎生で、雌が直接稚貝を出産しますので、水槽内に卵を産み付けて景観を損ねてしまうことも無く、他の巻貝のように際限なく増えてしまう心配もほとんどありません。

またヒメタニシの雌は、雄の精子をストックしておく機能があるため、一度交尾した雌がいれば雄がいなくても繁殖します。

そのため自然界から採集してきた雌の個体は、1匹だけで飼育していても繁殖する可能性があります。

ヒメタニシの寿命

ヒメタニシは通常のタニシと同様に、自然界では2~5年程度生きると言われています。

平均としては3年前後が多いですが、飼育下だと短命になることが多いです。

その理由として飼育下の水槽が「キレイすぎる」事が挙げられるでしょう。

ヒメタニシは本来汚れた河川にいることが多く、そういった場所はヒメタニシのエサとなるプランクトンもデトリタスも大量に存在しています。

それに対して水槽内はろ過フィルターや水替え等で常にキレイな水を保っているため、ヒメタニシのエサが乏しく、その結果短命になってしまうと言われています。

ヒメタニシは日本原産の純粋な巻貝ですので、手入れがされたキレイな水槽よりも、屋外のビオトープのような環境の方が長生きし易いです。

ヒメタニシを水槽に入れてみよう

ヒメタニシは「浄化専門の貝」と言われるほど水質浄化能力に優れ、近年注目を集めている巻貝です。

コケ取りにも使え、水質も良くしてくれて、更に飼育も繁殖も容易ともなればヒメタニシを水槽に導入しない理由が見つかりません。

コケや水質悪化に悩んでいるアクアリストの皆さんに、是非ヒメタニシの導入をオススメします。