皆さんは犬にも花粉症があるというのをご存知でしょうか。
意外かもしれませんが、犬にも私たちと同じように、花粉症というのがあります。
「そんな犬、見たことない」と思うかもしれませんが、今回は犬の花粉症とその治療法について紹介します。
犬の花粉症とは?
犬の花粉症の治療法を知る前に、まずは犬の花粉症について知っておきましょう。
「犬に花粉症なんてあるの?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、人間と同じような犬にもアレルギーというものはあります。
ですので、アレルギーのひとつである花粉症ももちろん存在します。
花粉症だけでなく、犬にアレルギーがあるということはぜひ知っておいた方が良いでしょう。
花粉症というと、目の痒みやくしゃみを連想する人が多いと思います。
しかし、犬の花粉症の場合、主な症状は皮膚の痒みです。
ですので、引っ掻いてしまって赤くなったり、毛が抜けてしまったりすることがあります。
また目の充血や、涙が増えたりするような症状も見られたりします。
犬の花粉症は5月頃から
私たちにとっては、花粉症を引き起こす原因になっているのはスギやヒノキの花粉であることがほとんどです。
時期的に言えば、2〜4月頃が花粉の飛散するピークになります。
しかし、犬の花粉症は、ブタクサやイネ科の植物の花粉によって引き起こされることが多くなります。
時期としては5月〜秋にかけて、こうした花粉の飛散はピークになります。
犬の花粉症は私たちの花粉症と症状や症状の出るタイミングも異なります。
そのため、アトピーなどと思われたりして、花粉症は見落とされがちです。
毎年決まった時期に起きる症状であれば、花粉症の可能性が高いということを覚えておきましょう。
まずは動物病院へ
実際に、犬が花粉症かも…というときにはどうすればよいのでしょうか。
まずは早めに動物病院に連れて行き、診察を受けましょう。
花粉症やアレルギーは血液検査などではっきりと結果が出てくることが多いです。
まずはアレルギー反応を引き起こす原因が何かを突き止めることが大切になります。
通常でしたら、皮膚の赤みや湿疹にはステロイドが処方されます。
数日薬の効き具合を様子見することになるでしょう。
引っ掻いてしまったりして、傷があったり膿んでしまっているようなときには抗生物質がでることもあります。
ステロイドや抗生物質は対症療法
犬を飼うときには、犬と皮膚病の関係は切っても切れません。
何かの機会でステロイドなどを処方されることもあるでしょう。
ご存知のように、ステロイド薬は湿疹などに非常に効果がありますが、長期の使用は副作用が心配されます。
ステロイドにしろ抗生物質にしろ、どちらも対症療法的な意味合いが強いものです。
人間の花粉症は、仕事や日常生活に支障をきたすことも多いため、積極的な治療を望む人も多くいます。
しかし、犬の花粉症は根本的な治療とられることはあまりありません。
費用も高額になりやすいことから、今だにこうした状況が続いているのです。
花粉症を治す減感作療法
花粉症の症状が重いときには、減感作療法という治療をすることがあります。
これは、少しずつアレルギーの原因になるアレルゲンを摂取して体を慣れさせる方法です。
しっかりと期間をあけて、徐々にその量を増やしていくことで、アレルギー反応を穏やかにする効果があります。
根本から花粉症を改善するとなると、こうした方法がほぼ唯一の治療法です。
しかし、100%治るというわけではなく、また犬によって効き方も異なる部分があります。
治療も長期間に渡るため、それほど一般的な方法ではないのが現状です。
普段からできる花粉症対策
もし犬が花粉症になってしまったら、いちばんの対策はなるべく症状を和らげてあげるようにしてあげることです。
晴れた日の日中や雨の降った翌日などは、空気中の花粉の飛散量が多くなります。
そうしたタイミングでの散歩を避けたり、花粉の着いた服や洗濯物に注意しましょう。
こうした対策は、人間の花粉症対策と何ら変わりません。
また、ドッグフードを見直してみるというのもひとつの方法です。
アレルギーは仕方ないとしても、犬を皮膚の病気から守ってあげるように心がけることはできます。
直接花粉症に効くわけではありませんが、健康な皮膚のためにオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸を豊富に含むドッグフードが市販されています。
獣医さんとも相談しながら、症状や対策を見極めてみましょう。
犬の花粉症の治療法を知ろう
止まらないくしゃみやムズムズする鼻、集中力を削がれてしまうような目の痒み…私たち人間にだって花粉症は辛く、しんどいものです。
犬が花粉症になると、私たちとは症状が違うので、なかなかピンときません。
しかし、もしかしたら、初夏から夏にかけて花粉症で苦しんでいる犬たちが、いっぱいいるのかもしれません。
犬の花粉症や、その治療法についてしっかりと頭に入れて、早めに気付いてあげられるようにしたいですね。
季節的に湿疹ができやすかったり、痒がっているような仕草があるときには要注意です。