犬の甲状腺機能障害とは。症状・治療法・予防法

最終更新日:2016年6月8日

私たち人間と同じように、犬の病気にも内分泌疾患があります。

ホルモンの分泌異常の病気です。

甲状腺機能障害には、甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症があり、犬では特に甲状腺機能低下症が多く見られます。

甲状腺機能低下症の好発犬種もあり、例えばビーグル、コッカー・スパニエル、ダックスフンド、ピンシャー、ミニチュア・シュナウザー、ポメラニアン、プードル、シェットランド・シープドッグなどです。

このように甲状腺機能低下症は、よく家庭で飼われている犬がかかることの多い内分泌疾患です。

では、実際の具体的な症状と治療法・予防法についてご紹介します。

1.皮膚の症状

湿性脂漏症と言って、皮脂が過剰に分泌されるため皮膚や被毛のベタつきとして現れます。

明らかにわかる程度で皮膚や被毛がベトベトし、独特な臭いもあります。

毛は、毛づやが悪くなりボソボソしているような状態になってしまいます。

脱毛もあり、これは特徴的です。

左右対称性の脱毛で皮膚が見えてしまうほど抜けてしまいます。

また、皮膚の状態としては黒ずんでくることもあります。

色素沈着が見られるのです。

皮膚肥厚と言って、皮膚が厚くなるのも一つの症状です。

象の皮膚に似たような状態です。


2.体重増加

病気になると体重は減るイメージが強いかもしれませんが、甲状腺機能低下症では体重は増えます。

体重が増えているため、飼い主さんは病気だと気づくのが遅れてしまうことが多いので要注意です。

これは食エサなどカロリー摂取量を減らしたとしても増加する傾向にあります。

体重に関わってくるものとして消化器系の症状もありますが、便秘になる下痢になる嘔吐するなど、その症状はその犬によって変わってきます。

3.元気消失

無気力のような状態です。

何となく元気がない、活動量が減った(あまり動かない)、散歩に行きたがらない、寝ている時間が増えた等、普段と少し様子が違うと感じます。

これも歳をとった犬の場合、年齢のせいかと思い、病気の発見が遅れてしまうことが多いので要注意です。

少しでも様子がおかしいと感じたら早めの受診が大切です。

甲状腺機能低下症の犬は筋力が弱くなり硬くなりやすいので、ひどくなると頭がまっすぐ維持できなくなったり、傾いたりしてしまうことがあります。

早期発見が重要な病気です。


4.神経系

てんかん発作があったり、平衡感覚障害により頭を傾けていたりフラフラ歩いたり等、麻痺症状が見られます。

麻痺症状は顔面神経や足などに現れます。

中には理由もなく攻撃性が増したり、不安感が増加したりすることもあります。

5.寒冷不耐性

体温が低下するため、寒さに弱くなります。

やたら寒がる様子でしたら要注意かもしれません。

例えばブルブル震えながら丸くなっている、より温かい場所に行くなどです。

また、心拍数が減ったり血圧が下がったりします。

脈拍が弱まることもあるので、日頃からチェックするのが理想的です。

犬は後ろ足の付け根、腹部側に太い血管があるので、その部分で脈がとれます。

わからなければ獣医さんなどに聞いてチェックしていると、異変に早く気づけるかもしれません。


6.予防法

甲状腺機能障害は予防がとても難しい病気です。

そのため、早期発見、早期治療がとにかく重要な病気ですので、少しでも異変を感じたら受診することをオススメします。

年齢のせいかな、と病院に行くのが遅れてしまうと、症状もどんどんひどくなっていってしまいます。

では、実際どのようなことをして甲状腺機能を調べるのかというと、甲状腺関連ホルモンの測定をする血液検査です。

希望すれば測定してくれる病院もあります。

健康チェックとして血液検査を受けておくと早期発見にもつながるので、犬ドックを受けておくのもオススメです。

7.治療法

治療は甲状腺機能低下症であれば、甲状腺ホルモンを補う薬の投与です。

基本的には生涯ずっと投薬が必要です。

内服薬ですが量や種類は慎重に決めていく必要があり、血液検査にて良い投薬量を調節していきます。

3~4ヶ月かけて緩やかに症状は改善されていきます。

甲状腺機能亢進症であれば、甲状腺ホルモンを抑制する薬の投与か外科的な治療です。

外科的な治療では甲状腺を切除します。

どちらの治療をするかはその他の体の状態によるので、獣医師と相談の元決めていきます。

甲状腺機能障害は早期発見が肝

このように、特に歳をとった犬では、発見が遅れがちな甲状腺機能障害ですが、そのままにしておくと命を落としてしまう恐い病気です。

完治が難しい病気なので生涯の付き合いとなってしまいますが、投薬にて良い数値を維持していけば元気に長生きすることができます。

正しい知識を持ち、日々異変はないか良く見てあげたいものです。

大切な愛犬が少しでも元気に長く過ごせるよう早期発見、早期治療をしていきましょう。

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