コモンマーモセットはもともとはブラジル東部に生息していました。

しかし飼育下にいた個体が逃げ出したり、飼い主によって故意に放獣されたことで、ブラジル南部にまで生息域が広がっています。

本来の生息地でない場所では外来種として取り扱われています。

そのため、シロミミマーモセットなどの近縁種との交雑や、在来種の鳥類の巣や卵を襲ってしまう事が問題なっています。

飼育は難しくない種ですが、購入する場合には最後まで飼育できるかをよく検討してから行いましょう。

耳の白い長い毛と長い尾が特徴

コモンマーモセットは頭から胴までの長さが16~21cm、尾の長さが24~31cmの小型のサルです。

オスメスでそれほど体の大きさに差はありませんが、メスの方がやや小ぶりです。

平均体重はオスが256g、メスは236gと言われています。

しかし、家庭で飼育されている場合には、この数字よりも大きくなることが多くなります。

顔の皮膚は露出しており、おでこの中央部分に白い斑があります。

顔周りの毛は黒褐色で、耳の周りに生えている白い長い毛が特徴的です。

体の色合いは茶色、灰色、黄色の毛が混ざっています。

長い尻尾はキレイな縞模様になっています。

子ザルの体毛は茶色をしていて、黄色の毛と耳の部分の白い毛は成長してから生えてきます。

コモンマーモセットの指には他のマーモセット属と同じように鉤爪があります。

足の親指だけは、平爪です。

樹上で生活をしていて、樹の間を飛び移ったり、垂直に掴まって移動したりします。

枝の上を四つん這いになって歩いたりもします。

鉤爪はこれらの生活様式に適応したためと考えられています。

とても寂しがり屋でストレスで病気になることも

人間と同じように昼間行動し、夜は寝る昼行性です。

感情表現が豊かで「チッチッチッ」という小鳥のような高い鳴き声でコミュニケーションを取ります。

時々発する超高音はかなり遠くまで響いていきます。

飼育の難易度は難しくない種ですが、とてもデリケートでストレスに弱い性格をしています。

ストレスをなるべく感じさせない飼育環境を整えてあげましょう。

トイレのしつけはできません。

無理に行おうとするとストレスで病気になってしまうこともあります。

ケージの外で遊ばせるときなど、お漏らしされるのが嫌ならば、おむつの訓練を小さいときからして慣らすしかありません。

とても寂しがり屋な性格でもあります。

寂しさがストレスになり、尻尾を食べてしまうこともあるので注意しましょう。

コモンマーモセットの価格は30万円~50万円

コモンマーモセットの価格は30万円~50万円くらいと幅があります。

野生の生息数が減少しているため、ワシントン条約で「保護動物」に指定されています。

そのため、現在輸入は禁止されていて国内で販売されている個体は全て、国内で繁殖されたものになります。

実験動物として大量に飼育されているため、多く繁殖して余った場合には売却され市場に出回ることもありますが、その数は少ないです。

個人で繁殖させているブリーダーさんの場合は予約制になっているところがほとんどのため、値段は40万~50万円前後とかなり高価になります。

コモンマーモセットは骨に異常が出ることの多い種です。

質の悪いペットショップやブリーダーから購入してしまうと、骨の異常や先天的な病気を持っていたり、購入してすぐに死んでしまうこともあります。

必ず、信頼できる相手から購入するように、飼育状況や繁殖環境など下調べをしっかり行いましょう。

個体の購入費用の他には、飼育に必要な道具(大き目のケージや、エサ入れ、止まり木、モンキーフード、ホットスポット用ライト、首輪、胴輪、リードなど)を購入する費用が2~5万円かかります。

コモンマーモセットの寿命は約10~15年

コモンマーモセットの寿命は約10~15年です。

人に飼育されている個体は長生きするものも多く22年を超えた個体も記録されています。

寒さに弱い種なので、冬場は暖房で30度以上になるように温度管理をする必要があります。

野生では昆虫や木の樹皮、果物、果汁、花のつぼみなどを食べています。

ペットとして飼育する時には、朝夕2回、モンキーフードに木の実、野菜、果物を加えて与えます。

時々、生きエサ(ミルワーム、コオロギなど)も与えます。

モンキーフードが手に入らない場合は子犬用のドッグフードでも代用可です。

散歩させる必要はありませんが、毎日一時間はケージから出してたっぷり遊んであげましょう。

毛が汚れてきたらブラッシングしたり、体をタオルでふいてあげます。

シャンプーはしなくて大丈夫です。

たくさん一緒にいてあげることのできる人に向いているコモンマーモセット

コモンマーモセットは先にも書きましたが、とても寂しがり屋でストレスに弱いサルです。

そのため、一日のうち、長時間一緒に過ごしてあげる時間を取ることのできる人に向いているペットと言えるでしょう。

寂しがらせないように、たくさん遊んであげてください。

購入前に、エキゾチックアニマルを診療できる動物病院も見つけておくのも大切です。

下調べと飼育準備をしっかりしてから、かわいい子ザルを家族に迎えましょう。