ホテイアオイ

メダカなどの水生動物が飼われている水槽には、ホテイアオイを一緒に入れてあることがありますが、それには理由があります。

そのメリットと、ホテイアオイの育て方についてご紹介します。

水槽内部の状態を良好に保ってくれる

メダカなどの水生動物を飼っていれば、それらのフンや食べ残したエサのせいで水槽内にアンモニア、窒素やリン等が溜まっていきます。

ホテイアオイは、それらを養分として吸収し成長するので、水質をキレイに保ってくれます。

ホテイアオイが水中の養分を使ってしまうので、コケは栄養が足りなくなります。

よって水槽内でのコケの増殖を抑えることができます。

水質が良い状態が長持ちするので、水換えの頻度が減ります。

日差しが強い場所に何も入っていない水槽を置くと、水槽内の水温はかなり上昇します。

しかし、ホテイアオイが入っている方は、葉が日差しを遮ってくれるので水温上昇を抑えることができます。

気温の高い時期に水槽から水が蒸発し水かさが減るのを防いでくれます。

昼間たっぷりと日差しを浴びて光合成をしたホテイアオイは、酸素を供給してくれます。

ホテイアオイを入れることでメダカが生活しやすい場所を提供してくれる

屋外に水槽を置く場合には、ホテイアオイが外敵の目からメダカを守ってくれます。

メダカの体温は水温に大きく影響されます。

暑さには比較的強いメダカですが、急激な温度変化はやはり好ましくありません。

暑い夏ホテイアオイの葉はメダカに日陰を提供してくれ、メダカの体温の急激な上昇を防いでくれます。

ホテイアオイの発達した根は、室内で人が近づいてメダカが驚いた時などの隠れ場所になります。

何も入っていない水槽に比べたらホテイアオイがあることで、植物が育つ自然の生活環境に近づくため、メダカが落ち着きます。

その結果、メダカのストレスが軽減され繁殖を促す生活環境になります。

メダカ、特に稚魚は成長するのに日光を浴びることが必要です。

その点、日差しが大好きなホテイアオイはメダカと生活条件が一致します。

メダカに繁殖場所を提供してくれる

メダカのメスは卵を腹に抱えたまま泳ぎ回り、その途中でオスが卵に精子をかけて受精します。

その卵はかなりベタベタしており、フサフサと毛が生えたホテイアオイの根に絡みつきます。

水槽内部で盛んに伸びた根が産卵床の役目を果たすのです。

メダカの親は卵から孵化した自分達の赤ちゃんをパクパク食べてしまいます。

稚魚を別の水槽に移して育てるなどしない場合は、ホテイアオイの根が稚魚達の避難場所になり、生き残るチャンスが増えます。

ホテイアオイの根に卵がたくさん絡みついているのを見つけたら、その株ごと別の入れ物に移してしまいます。

そうすると親と卵の仕分けを手軽にすることができます。

こうすれば孵化した稚魚達の生存率を更にアップすることができます。

稚魚の成長にも個体差があります。

先に大きくなった稚魚が小さいのをつつき回したりもするので、稚魚同士の水槽にも、やはり避難場所が必要です。

こんな時もホテイアオイの根が役に立つのです。

ホテイアオイの育て方

ホテイアオイは熱帯原産なので強い日光が大好きです。

日当たりのよい屋外に置いてやれば育ちます。

室内で日光不足な場合、茎がふっくらとせずに痩せて細長く伸び、最終的には枯れてしまったりします。

たっぷり日の当る窓際などに移してやる必要があります。

室内が暗い場合、通常の水草用照明などでは光が弱く枯れてしまいます。

アブラムシがたかることがありますが、殺虫剤などは使用しません。

虫を水で洗い流すか、ホテイアオイを何日間か水中に沈めておけば虫を駆除できます。

水槽側面に着くコケを退治する薬品など入れると、ホテイアオイも枯れてしまうので使いません。

メダカの排泄物が充分な栄養になります。

肥料を与えると大繁殖してしまうので必要ありません。

繁殖力が強く、株が分かれて次々と増えます。

すぐに水槽がいっぱいになるので、適当に間引いてやる必要があります。

伸び過ぎて邪魔になった根は梳くように切ってやります。

かなり梳いても大丈夫です。

ホテイアオイの越冬

冬の屋外でも5度以上気温があり、それほど寒くならない地方なら越冬できます。

日光の良く当たる場所で、霜に当たらないようにし、凍りつかせたりしないよう注意します。

寒冷地の屋外では越冬できずに枯れてしまうでしょう。

日当たりが良く暖かい室内ならそのまま越冬可能です。

室温が5度以上ある日当たり良い室内で、鉢植えにして越冬させることも可能ようです。

赤玉土など水はけの良い土にホテイアオイを植えたら、受け皿いっぱいになるまで水を与えます。

水の管理だけちゃんとすれば育つようです。

越冬中も肥料はいりません。

屋外でも室内でも、気を付けていたのに急に気温が下がった朝に枯れてしまうアクシデントがないとは言い切れません。

それに越冬させる手間を考えると、来シーズンまた新しい株を購入して育てる方が簡単で得であるともいえます。

ホテイアオイを水槽に入れてみよう

上記のとおりホテイアオイをメダカのいる水槽に入れることには様々なメリットがあります。

比較的簡単に育ち、夏に薄紫の可愛い花を観賞することもできます。

しかし育ち過ぎで邪魔になった時など河川や池に捨てないでください。

繁殖力が強いので本来の生態系を壊しかねません。