魚の体表にできる病気は非常に多くありますが、その中でも注意したい病気の一つに白雲病があります。
読んで名のごとく、体の表面に白い靄のような膜が張ってしまうような状態になります。
意外と危険な白雲病の原因や治療についてまとめてみましたので、参考にしてみてください。
白雲病とは
白雲病にかかってしまうと、魚の体表や鱗に白くモヤっとした斑点ができるようになります。
斑点ができるのは初期症状で、次第に膜のように体を覆うようになってしまいます。
白雲病はとても進行が早く、放置すると一週間から二週間ほどで死んでしまうことが多い病気です。
そのため、早期の発見と、症状が軽いうちに治療を始めることが大切です。
白雲病にかかると、魚の元気がなくなり、食欲も落ちてきます。
次第に動きが鈍くなり、水の中や水槽の底でじっとしていることが多くなります。
病気が進んでしまい全身を覆うような状態になれば、衰弱死や窒息死してしまいます。
また免疫が低下してしまい、他の病気にかかりやすくなったりすることも考えられます。
白雲病の原因
白雲病の原因はコスティアやキロドネラといった細菌の寄生によるものです。
体の表面に現れる白いもやもやとした箇所は、金魚の粘液です。
寄生した細菌が攻撃したりすることで、こうした症状が見られるようになります。
この粘液をエサとして、爆発的に細菌が急増してしまい、一気に悪化してしまいます。
しかし、ハウン病は健康な金魚や通常の飼育環境でかかることは多くありません。
原因として多いのは、水槽の水質の変化や悪化によるものがほとんどです。
また寒暖の差が大きかったりして、水温が急激に変化するときにもこうした悪さをする細菌が繁殖しやすくなります。
他にも、水槽に入れたばかりの魚は、体が弱っていたりして発症しやすい傾向にあります。
食塩浴や薬浴が効く
体の表面に、白雲病のような白い斑点ができ始めたら、まず速やかに他の金魚から隔離することが第一です。
別の容器や水槽に移してあげて薬浴して治療を試みます。
他の金魚への感染を防ぐためにも、治療は早いに越したことはありません。
家庭でできる治療として食塩浴や薬浴があります。
症状が軽いときには食塩浴でもじゅうぶんに効果がありますが、重症化している場合は薬浴がオススメです。
どちらも濃度が濃すぎると、逆に魚の体力を奪うので食塩や薬剤の量には注意しましょう。
食塩浴の場合は、濃度は0.5%くらいを目安にします。
これ以上濃度の濃い食塩水は、魚の粘膜や体表にダメージを与えてしまいます。
また薬浴や食塩浴も少しずつ濃度を上げていき、急激な水質の変化を避けるようにしてください。
悪化や感染を広げないために
先ほども触れたように、白雲病の原因として考えられるものは水質の悪化がほとんどです。
いま一度、水槽の環境や水温について見直してみましょう。
まずは一度、水槽や砂利を含めてしっかりと掃除をして、水替えを実施しましょう。
そのままで放置してしまうと、他の魚にも白雲病が起きたり、他の病気にかかる可能性が高いです。
よくこうした細菌による病気の治療として、水温を高めることがあります。
しかし、細菌は40℃以上にならないと退治できず、逆に魚の体力を奪うだけということが多いのが事実です。
結果として、水槽内の他の魚が弱ったり、細菌の活動が活発になってしまうという逆の作用が起きてしまいます。
水温はなるべく25℃以下にキープできるようにしたほうが良いので、むやみに水温を上げるようなことは避けましょう。
予防するためには
白雲病はかかってしまうと進行が早く、そのままにすれば数週間で死に至ってしまいます。
紹介した食塩浴や薬浴、水槽の掃除などの手間を考えても、白雲病にはかからないほうがもちろん良いでしょう。
そのため、かかってからの治療よりも予防を心がけるようにしたいものです。
いちばん大きな要素である水質の管理については、水温や掃除以外にも気をつけるべきポイントがあります。
というのも、エサの与えすぎによる水質の悪化は、非常によくあるケースです。
食べなかったエサが水槽の底に放置されたり、油分の多いエサは与える量に気をつけてください。
また、魚を新しく水槽に入れるときにも、十分に気を付けたいものです。
いきなり他の魚がいる水槽に入れるのではなく、別の容器で水槽の水を少しずつ加えて慣らさせるようにしましょう。
水質の変化で弱ったり、配送や移動などで弱ったりしている可能性を考慮するのも大切な予防策です。
白雲病以外の病気の予防にも役立つ
鑑賞後を飼育するときには、白雲病のように細菌による病気は多く存在します。
水カビ病や泥かぶり病といった白雲病に似た症状が出る病気も多くあります。
また、尾腐れ病やエロモナス病は、多くの魚に共通する病気でもあります。
こうした病気のほとんどは急激な水質の変化や、水質の悪化が原因と言われています。
そうすると、水質や水温に注意を傾けることは、白雲病以外の病気のリスクを減らすこともできます。
水替えなどはとても手間のかかる作業ではありますが、定期的に行うようにしたいものです。
白雲病は他の病気と違い、かなり進行が早く、手遅れになりやすい病気です。
飼っている人のお手入次第で防げる病気であれば、それをしない手はありませんよね。
白雲病の原因と対処法を知ろう
実際に経験のある人はご存知だと思いますが、白雲病のような細菌による病気はなかなか完治が難しいものです。
手を尽くしたにもかかわらず、大切な魚が死んでしまったという経験もあるのではないでしょうか。
白雲病に関しては、特に早い段階での発見がとても大切になってきます。
症状が軽い段階であれば、2、3日の食塩浴でもしっかりと回復に向かうので試してみてください。
繰り返しになりますが、普段から水槽の水質管理やエサのあげ過ぎにはじゅうぶん注意しましょう。