土佐闘犬と土佐犬の違いとは。土佐闘犬は土佐犬ではない

最終更新日:2016年11月7日

土佐犬と聞いてどんな犬が出てきますか?

大型で皮膚がたるんでいる闘犬に使われている屈強な犬を思い浮かべる人がほとんどです。

ですが、その犬は「土佐犬」ではありません。

土佐犬と土佐闘犬の違いは何なのでしょうか?

両者の違いをご紹介します。

1.土佐犬=四国犬?

土佐犬とは、現在「四国犬」と呼ばれている犬のことを言います。

土佐犬(四国犬)は高知県原産の犬種で、もともとは「土佐犬」と呼ばれていました。

しかし、同じく高知県原産の「土佐闘犬」と名前が似ておりまぎらわしいため、「四国犬」という名前に改められた過去があります。

現在では、「土佐犬」といえば主に「土佐闘犬」のことを指します。

土佐犬(四国犬)は、四国山地周辺に現れる鹿や猪の狩りのために生み出された犬種です。

過酷な鹿や猪狩りにも耐えうる体力や持久力を誇り、飼い主に忠実であるため、まさに狩猟犬の鏡と言えるでしょう。


2.土佐犬は中型犬

土佐犬(四国犬)の体重は15kgから23kgくらいで、分類的には中型犬に属します。

同じ日本犬で、なおかつ中型犬に属している柴犬と比べると、少し大柄です。

土佐犬(四国犬)は、現在では絶滅してしまったニホンオオカミと外見が似ていると言われています。

もともと土地にいた犬とニホンオオカミを交配して生み出された犬種との伝承も残っています。

そのため、ニホンオオカミと間違えられることもあり、「ニホンオオカミの目撃情報があり調べてみたら土佐犬(四国犬)だった」ということが多々あります。

なお、土佐犬(四国犬)には、幡多系や本川系、宇和島系などの地域特性がありましたが、現在では混血が進み、地域特性が失われつつあります。

3.土佐闘犬は大型犬

中型犬に分類される土佐犬(四国犬)に対して、土佐闘犬は体重が36kgから61kgであり、大型犬に分類されています。

柴犬や北海道犬などといった他の日本犬とは違い、筋肉質な体つきが特徴です。

他の日本犬が立ち耳なのに対し、土佐闘犬は垂れ耳であるところに違いがあります。

毛色は赤、黒、虎などがあります。

なお、土佐闘犬は気性が荒いため、むやみに近付いたり、からかったりしないように気を付けましょう。

いきなり噛み付いてきたりなどして、最悪の場合、死亡してしまうこともあります。

小さな子どもが身近にいる場合は、特に注意が必要です。


4.土佐犬は天然記念物

土佐犬(四国犬)は、柴犬、北海道犬などといった日本犬と同じく天然記念物で、昭和12年6月15日に文部省(現在の文部科学省)により指定されました。

土佐犬(四国犬)は、CMや映画などで出てくる柴犬や北海道犬、秋田犬などと比べると飼育している人は少なくなっています。

それでも、土佐犬(四国犬)を専門としているブリーダーもおり、純血の四国犬の血を絶やさないように努力しています。

海外でも日本犬の人気は高いですが、中には土佐犬(四国犬)の飼育をしている人もいます。

日本犬の人気が出た背景には、社交的な性格の海外の犬とは違う、独立心が高く飼い主だけに忠義を尽くす性格が、まるで侍を連想させたのもあったからではないかと考えられます。

5.土佐闘犬は闘うために生み出された犬

鹿や猪の狩猟を目的として生み出された土佐犬(四国犬)に対し、土佐闘犬は犬同士を闘わせる闘犬を行わせるために生み出された犬種です。

土佐藩では、藩士の士気を高めるために闘犬が盛んに行われていました。

江戸時代から明治にかけてイングリッシュ・マスティフやグレート・デーンなどと交配を重ね、生み出されました。

柴犬などの他の日本犬と異なり、土佐闘犬の皮膚にはたるみがあります。

これは、相手に噛まれてもダメージを受けないようにするためです。

気性の荒い性格から死傷事故が絶えず、海外でも飼育している人がいますが、イギリスやドイツなどでは危険犬種として指定されています。

そのため、きちんとしつけをするように心がけなければならない犬種です。


6.土佐犬と土佐闘犬のルーツの違い

同じ高知県原産の土佐犬(四国犬)と土佐闘犬ですが、両者のルーツには明確な違いがあります。

まず土佐犬(四国犬)は、もともと土地にいた犬を鹿や猪の狩猟に役立てるために改良を重ね、現在のような姿になりました。

それに対して土佐闘犬は、土佐犬(四国犬)にイングリッシュ・マスティフやグレート・デーンなどといった、海外の大柄な犬や闘犬として使われていた犬を交配させ、より闘犬に向いている犬種へと品種改良がなされてきました。

つまり、土佐犬(四国犬)と土佐闘犬は、使役する目的の違いもありますが、持っているルーツも異なります。

土佐闘犬と土佐犬の違いを知ろう

土佐犬と土佐闘犬の違いをご紹介しました。

「土佐犬」という言葉で連想されるのは闘犬で使われている屈強な犬ですが、それは土佐犬ではなく「土佐闘犬」という犬でした。

そして、「四国犬」と呼ばれている犬が実は「土佐犬」だったということをどれだけの人が知っていたでしょうか。

名前は似ていますが、姿や使役する目的が違う両者ですが、どちらにも魅力があります。

飼育する際には特性をよく調べ、大切にしてあげましょう。

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