人間と同様に猫も年を取り、だんだん弱ってついには最期を迎えます。

しかしペットの猫にはできるだけ長生きしてほしいものですね。

ペットの猫の寿命、野良猫との寿命の違い、どうやって長生きさせるかなどについてご紹介します。

ペットの猫の平均寿命

ペットの猫の平均寿命は、日本ペットフード協会によると、2015年で15.75歳でした。

2010年には14.4歳だったので、この5年間で1歳以上平均寿命が延びています。

背景には猫の医療の発達や、飼い主によるケアが手厚くなったこと、年齢や体調に合ったキャットフードが開発されたことなどがあります。

この中で、完全に家の中で飼っていて外に出ない猫の平均寿命は16.40歳、外に出る猫の平均寿命は14.22歳、というふうに2年以上の差があります。

猫は外に出すと、交通事故にあったり、他の猫とケンカをして負傷したり、感染症をもらってくるので寿命に影響します。

オスの平均寿命は14.3歳、メスは15.2歳で、人間と同様猫もメスが長生きです。

野良猫の平均寿命

野良猫の寿命は飼い猫と比べるとかなり短くて、およそ5年程度、たとえ拾って保護して長生きしたとしても10年くらいまでと言われています。

また生まれた野良猫の子供はほとんど乳児期に死んでしまいます。

大人になるまでに成長するものは、生まれた中で一匹いるかいないかということなので、これも考えに入れるとさらに平均寿命は短くなります。

野良猫はほとんど全部、何らかの感染症や寄生虫を持っていて、病気になっても獣医師の手当てを受けることはできません。

自力で取らない限りエサにありつくことはできず、冬の寒さや雨風に耐えなければなりません。

交通事故や、他の猫や犬とケンカをしてけがをするリスクもあります。

このような厳しい環境にいる野良猫は、なかなか長生きすることができません。

猫と人間の年齢比較

猫の年齢を人間とどうやって比較すれば良いのでしょうか?

大雑把に分けると、猫は6か月までが子猫、2歳までが青年期、6歳までが成年期、10歳までが壮年期、14歳までが中年期、それ以上が老年期になります。

ペットの猫にはできるだけ長生きしてもらいたいものですが、どのようにすれば良いのでしょうか?

猫に長生きしてもらうためには、食事と生活環境と医療の3つが大事です。

これら3つについて具体的な方法を見ていきましょう。

猫を長生きさせる食事

家飼いの猫は運動不足になりがちなので、肥満傾向の猫が多いです。

前足の後ろあたりを触って、肋骨の場所がわからなければ肥満です。

肥満は猫の心臓や腎臓に負担をかけて、寿命に影響するので、もし太りすぎなら飼い主が運動や食事の量を調整して改善しましょう。

高齢の猫は運動量が減って新陳代謝が低下するので、青年期と同じ量の食事を摂ると太ってしまいます。

年齢によって食事の量を調整するようにしましょう。

キャットフードは良質なものを選び、内容が良くわからないものや添加物が多く含まれるものは避けましょう。

また猫の体調によって、腎臓に負担をかけないフード、関節の疾患を改善するフード、老齢猫用の消化の良いフードなどがあります。

獣医師と相談して必要なら取り入れましょう。

高齢の猫は慢性腎不全になりやすいので、水が飲みやすい環境を作ってあげましょう。

猫は冷たい水を嫌うため、のどが渇いていても水を飲まない場合があるので、時々ぬるま湯をあげて、良く飲むようなら定期的にぬるま湯を飲ませましょう。

猫を長生きさせる生活環境

猫は室内で飼うか外に出すかで寿命に大きく差が出ます。

長生きしてもらいたいなら、とにかく室内で飼いましょう。

猫の生活環境から猫に有害なものは極力排除しましょう。

喫煙の煙は確実に猫の健康に悪影響を及ぼすので、猫がいるところでの喫煙は控えましょう。

アロマオイルも、猫が吸うと体内で分解できず、中毒を起こすので危険です。

家の中や庭の植物で、猫にとって毒になるものが無いか調べて、食べさせないようにしましょう。

アジサイ、パンジー、アヤメ、キョウチクトウ、ユリ、タデ、ツツジ、スズラン、アロエ…その他猫にとって有毒な植物は700種もあります。

また猫がストレスをためないように、引っ越しや家の模様替えはなるべくしないに越したことはありません。

猫を長生きさせる医療処置

猫のワクチン接種は義務ではありませんが、長生きのためには1年に1回ワクチン接種をしましょう。

子猫のころ生後8週目に1回目、12週目に2回目、3回目は1年後、その後1年に1回の接種になります。

ワクチンで「猫カリシウイルス」「猫ヘルペス」「猫汎白血球減少症」「猫白血病ウイルス感染症」「猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)」が防げます。

メスの不妊手術、オスの去勢手術も猫を長生きさせます。

メスは出産による体力消耗が防げて、オスは穏やかになってけんかや怪我をすることが少なくなって、どちらも長生きにつながります。

8歳を過ぎると猫も中年期に近く病気になりやすくなるので、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。

猫を長生きさせる病気の早期発見

猫の病気は獣医師が治療しますが、異常を発見して獣医師に連れて行くのは飼い主の役目です。

病気の早期発見のためには、まず猫の排泄物を毎日チェックしましょう。

下痢や便秘をしていないか、おしっこをする回数が多すぎたり少なすぎたり、排泄のときに痛がったりしていないかチェックしましょう。

また食事のときには食欲が落ちていないか、水を大量に飲んだりしないかもチェックしましょう。

毎日猫と触れ合う中で、毛並みや皮膚、目や耳を注意深く見て、異常があったら獣医師に連れて行きましょう。

どんな病気も早期に発見して治療すれば、重症化せず猫は長生きできます。

猫の寿命と長生きさせる方法を知ろう

猫の平均寿命はどんどん延びていますが、それによってペットの猫は生涯の半分をシニアとして生きることになります。

人間同様に認知症になったり、目や耳が不自由になったり、病気で体の動きが不自由になる高齢猫もいます。

日ごろから健康管理をしっかりして、年をとっても元気な猫でいられるように、飼い主はベストを尽くしてあげましょう。