野良猫の多くは警戒心が強いです。
もちろん猫によっては人懐こい子もいますが、だいたいの野良猫は人間を怖がっています。
特に成猫の場合は、困難も伴います。
そこで今回は野良猫を飼う際のポイントをご紹介します。
時間をかけて自分に対する警戒心を解く
まず、猫を懐かせるには餌付けが一番効果的ですが、餌付けするのが難しいほど警戒心が強い野良猫の場合、その猫に自分の存在をアピールして自分に対する警戒心を解きます。
できれば毎日顔を会わせるくらいが良いでしょう。
野良猫に対する全ての所作を「さりげなく、ゆっくり」するようにしてください。
いきなりあからさまに近付いていったり、大声で話しかけたりしてはいけません。
また、猫の目をじっと見てはいけません。
猫がそのような行動を許すのは、本当に信頼できる人間に対してだけです。
猫というのは、目を合わせられると自分に敵意があるとみなします。
あくまでさりげなく、目を合わせないように野良猫の視界に入るようにしてください。
徐々に猫との距離を縮められるように、時間をかけて毎日行ってください。
さりげなくごはんをあげる
野良猫との距離がだんだん縮まり、自分を見ても逃げなくなってきたら餌付けをします。
ごはんを持ってきたからといって、すぐに自分に気を許さない野良猫も多いです。
手から直接食べさせたいところですが、まだ野良猫が自分に対してそこまで気を許してない場合のやり方をご紹介します。
エサ付けの場合も、あからさまに近付いてごはんをあげることをアピールするのではなく、さりげなく行動するのが大切です。
まず、猫から離れていても良いので、猫から見えるところに移動してください。
移動したら、持ってきたごはんをさりげなく猫にアピールするように地面に置きます。
猫が気付いていない場合は、うるさくない音を立てて気を引きます。
猫が地面に置いたごはんに気付き「あれはなんだ?」というような顔をしたら、ごはんを置いた場所からゆっくり遠ざかります。
また、猫の近くにカリカリ(ドライキャットフード)を一粒ずつ投げるというやり方もあります。
カリカリを一粒猫の近くに投げると、猫が気になって近付いて食べると思います。
食べたらまた一粒、と一粒ずつ投げて与えます。
投げる場所をどんどん自分の近くに近付けると、自分の傍まで近づいてきてくれて早く懐いてくれる場合があります。
優しく撫でてあげる
野良猫にごはんをあげ、だんだん自分に気を許してくれるようになったら、今度は優しく撫でてあげましょう。
野良猫の多くは人間の食べ物を盗んで人間に怒られていたり、傷つけられたりしている場合もあります。
ですからそのような野良猫に対して撫でようとして手を出しても、怖がってすぐには撫でさせてもらえない場合もあります。
ここで撫で方のポイントです。
猫を撫でるときには上の方から手を近付けるのではなく、下の方からゆっくり近付けましょう。
また猫の正面からではなく、横のほうから撫でることが大切です。
猫にもよりますが、始めは背中の少し横のあたりを優しく撫でると良いでしょう。
猫が触ることを許してくれていると感じられたら、徐々に顔の方へ手を移動させて喉のあたりや頭を撫でてあげましょう。
病院へ連れて行く
猫とスキンシップをとれるようになり、自分を見ても怖がらずに撫でさせてもらえるようになったら、いよいよ家に迎え入れる準備です。
まず、病院へ連れていきます。
野良猫を病院へ連れて行くと、健康診断をしてもらえます。
野良猫は寄生虫を持っている場合が多いので、薬を処方されるかもしれません。
また、予防接種の相談もすると良いです。
しかし一口に病院へ連れて行くといっても、野良猫の場合は難しいかもしれません。
キャリーケースや適当な箱やネットに入れて連れて行くのが望ましいですが、始めは猫が怖がります。
ですから猫を入れるものを決めたら、その中でごはんをあげるようにしたり撫でてあげるようにしたりして、入れ物に慣れさせることが大切です。
無理やりキャリーケースに押し込むと猫が興奮して暴れたり、嫌われたりして今後は逃げられるようになるかもしれませんので気をつけましょう。
晴れて家に迎え入れる
病院へ連れていったら、いよいよ家に迎え入れます。
できることなら猫専用の部屋を用意して、しばらくの間はそこで生活させるようにします。
部屋を用意できない場合は、ゲージや段ボールの箱などで猫が安心できるスペースを作ってあげます。
また、家に迎え入れてからしばらくは、ごはんをあげるなどの最低限の世話だけにして、なるべく猫を放置するようにしましょう。
猫は慣れない場所でとても興奮すると思いますので、むやみに構うとストレスになります。
ですから家に慣れるまではあまり構わないようにしましょう。
野良猫を上手に慣らしていこう
野良猫を飼うのは難しい場合が多いですが、時間をかけて慎重に行動すれば気を許してくれるようになります。
自分が敵ではない、ということを時間をかけてアピールすることが大切です。
野良猫を晴れて家族の一員として迎え入れてあげて、幸せに長生きしてもらいたいものですね。