メキシコサラマンダー、通称ウーパールーパーは、日本ではあどけない表情にゆっくりとした動きで癒やされるため、とても人気があり、ペットショップでもよく見かけます。

しかし、飼育は少し難しく、飼育するためには、前もってウーパールーパーの性質や飼い方を勉強しておく必要があります。

再生能力があるため、欠損したとしてもまた生えてくるのですが、一方で水温や水質、エサの量など環境に左右されやすく、しっかりと環境を整えてあげないと、病気にかかってしまったり、最悪の場合死んでしまうこともあります。

今回は、そんなウーパールーパーの病気についてご紹介します。

ぷかぷか病

ぷかぷか病とは、ウーパールーパーが水面付近でぷかぷかと浮いてしまう病気です。

ただ単に浮いているから病気ではなく、小さな個体や、エサを食べ過ぎや空気を取り込みすぎた時には浮いていることもあるのですが、この場合は一時的なもので、時間が経つとやがて下に降りてきます。

ですが、いつまで経っても水面から降りてこない場合には、この病気の可能性があります。

原因はエサの食べ過ぎによるガスの蓄積で、成体では自分で気泡を出して解決したりするのですが、赤ちゃんであったりすると、うまくガスを排出できないために死んでしまうことがあります。

いつもより長く浮いている、浮いたままあまり反応がない、といった場合には、すぐに動物病院に連れて行き、ガスを出してもらうことが必要です。

腹水症

お腹に水が溜まり、膨れ上がってしまう病気です。

ガスが溜まってお腹が膨れるのとは比べ物にならないくらい、パンパンに腫れ上がるため、すぐに見分けがつきます。

遺伝的な肝臓、心臓、腎臓等の疾患の場合もありますが、最近による感染症の可能性もあります。

発病したら注射器で腹水を抜く処置をしてもらわなければなりませんが、素人には処置ができないので、すぐに病院で診てもらい腹水を抜いてもらいましょう。

きちんと処置をしてもらって原因を調べてもらわないと、再発の可能性があるので、日頃から観察し異変がないか注意することが大切です。

水カビ病

ウーパールーパーの呼吸を行うエラに白い綿のようなものが付着しているなら、水カビ病です。

名前の通りカビが発生していて、免疫力が下がっていたり、体調が悪かったりする場合に感染してしまいます。

原因は主に水槽の水質が悪化していることと、ウーパールーパー自体の体調が優れず免疫力が低下していることです。

早期発見ならばすぐに水を頻繁に交換し、治すことが出来ますが、見つけた時には白いカビが茶色くなっていたりすると、病院で診てもらわないといけません。

水質が悪化していて個体が弱っている場合には薬を使うこともありますが、ウーパールーパー自体薬には弱い生き物ですので、薬を使う前に塩を使った塩浴を試してみると良いでしょう。

塩浴とは、水1lに対して塩を1g入れて塩水にする方法で、濃度を0、1~0.2%に保つと効果を発揮します。

ですが、塩浴も長時間は負担がかかりますので、水カビ病が治ったらすぐに普通の水に戻しましょう。

ウーパールーパーの飼育は水質が大切なので、水質をキレイに保つ為にも小マメな清掃をしてあげることが必要です。

ツボカビ

先ほどの水カビと同じカビという名前が入っていますが、ツボカビの場合は、発症すると1周間足らずで死に至ることがあるため、注意が必要です。

症状として、最初は食欲不振が挙げられます。

症状が進むと、皮膚が剥がれてしまったり、口が開いたままになってしまったりすることもあります。

ツボカビは感染症なので、発症したら必ず病院に行き、複数の個体や生物と一緒に飼育せずに、完治するまで隔離することが必要です。

発症した個体がいた水槽はキレイに洗浄し消毒をし、もしも亡くなってしまった場合には、安易に川の土手や田畑に埋めたりすることはしてはいけません。

ツボカビは両生類特有の感染症ですので、カエルなどにも感染してしまうため、その周囲の生態系のバランスを崩してしまう可能性があります。

もしもツボカビで亡くなってしまった場合には、紙で包みゴミと一緒にしましょう。

可愛がっていたペットを、ゴミ袋に入れるなんてとても心苦しく耐え難いのはわかりますが、他の生物に感染する危険性があるため、きちんと適した方法で弔ってあげましょう。

便秘、下痢

ウーパールーパーはストレスを感じやすく、水質や環境の変化、エサの食べ過ぎなどで便秘になりやすいです。

エサは成体で1周間に1回程度で大丈夫です。

便秘になった場合、お尻のほうが浮いてしまったり、ガスが溜まってお腹が膨れてしまったりすることがあります。

また、水槽がいつもより汚れないといったときも便秘の可能性があります。

便秘になった場合は1度食事を抜いて様子を見たり、虫などのエサを上げてみたりしてバランス良くすると解消されることがあります。

また、エサをあげ過ぎたり冷凍の赤虫をあげすぎたりすると、下痢になりやすいです。

1日に何度も形にならない便をしていると下痢の可能性があります。

そういった場合には、便で水質は確実に悪化しているので、水を交換しエサをあげないで様子を見ましょう。

どの動物でもそうですが、きちんと規定の量、規定の回数を守って食事をあげることが大切です。

日頃の様子を観察してウーパールーパーの変化に敏感になろう

ウーパールーパーは、とても繊細でマメに世話をしてあげないとすぐに病気にかかってしまったり、命を落としてしまったりします。

そうならないためにも、日頃からどのような様子かをきちんと観察することで、小さな変化を見つけることができ、仮に病気にかかってしまっても迅速に対応することが出来ます。

家族として迎え入れる以上、どのような飼育を行う必要があるのかをきちんと知り、責任を持って可愛がってあげ、病気になってしまったら病院に行って、きちんと治療してましょう。