オオサンショウウオはイモリやカエルといった両生類の仲間です。

日本に生息する両生類の中では最大の大きさを持ち、全長50-70cm、最大では1mに達する個体もいます。

オオサンショウウオの生態

オオサンショウウオは日本固有のサンショウオで、主に西日本を中心とした河川の上流域に生息しています。

多くの両生類と同じように夜行性で、日中は岩陰に潜んだりじっとしていることが多いです。

オオサンショウウオの主なエサは幼生期と生体期では異なり、幼生の段階では主にイトミミズやアカムシ、小型の水棲昆虫を好んで食べます。

生体になるとヤマメなどの小魚やサワガニといった甲殻類、カエルなどを主食とします。

基本的には動く生き物に対しては何にでも反応し、共食いをすることも珍しくありません。

また、背中全体に独特の模様があり、1つとして同じ模様の個体はいないと言われています。

サンショウオの飼育方法

オオサンショウウオは国の特別天然記念物に指定されているため、残念ながらペットとして飼育することは違法となります。

過去には無許可で飼育したとして、書類送検された例もありますので、くれぐれも興味本位で飼育することのないように気を付けてください。

オオサンショウウオに限らず日本のサンショウオ種の多くは近年の森林開発などにより個体数が減少傾向にあって、国により保護されていることが多いので、採取や飼育をしようとする場合はきちんとした情報を得てからにしましょう。

ここでは、飼育可能なクロサンショウオの飼育方法について述べていきたいと思います。

クロサンショウオは北海道を除いた中部地方より北部の本州全域に生息する全長13-15cmほどの小型のサンショウオです。

オオサンショウウオは川の主といった風格がありますが、それと比べると見た目はチャーミングで愛嬌のあるかわいらしいサンショウオです。

同じサンショウオでもオオサンショウウオが基本的には成体になってからも水中で生息しているのに対し、クロサンショウオの場合は、成長し一度陸地に上陸すると主に川べりの湿地帯や森林で生息をします。

エサとなる生き物は、ミジンコ、イトミミズ、アカムシといった釣具屋などのお店でも入手しやすいものが実用的でしょう。

小型の昆虫なども食べます。

エサの与え方は、ピンセットなどでエサをつまみながら、サンショウオの目の前で生きているかのように動かしてあげる必要があります。

可能ならば生きている状態のエサを与えてあげると尚良いでしょう。

飼育環境を整えよう

クロサンショウオは幼体期はエラがあり水中で生息します、生体になるとエラがなくなり手足が生え陸上で生活するようになります。

したがって、幼体から飼育する場合は、その時々の生活環境を整えてやる必要があります。

特に注意すべきなのが、水槽内の水温です。

サンショウオは山間部の非常に水温の低い上流域に生息しているので、暑さにはめっぽう弱いです。

水温が25℃以上になると命に関わってくるので、温度の管理に関しては常に注意を払わなければなりません。

入手方法

クロサンショウオの場合、ペットショップなどで一匹2000円前後で売られていることが多いですが、これをビジネスとした乱獲を助長することにも繋がる恐れがあります。

できることなら、自ら山に赴き必要最小限の個体数だけを採取することにしましょう。

採取にあたって必要な道具はタモ網だけで十分です。

山間のキレイな水辺の周辺を地道に探していくことが求められます。

当たり前のことですが、生き物を飼うということは最後まで面倒を見る責任が生じるということを肝に銘じておかなければならないので、安易に飼うことはやめましょう。

寿命

サンショウオの寿命は種類により大きく異なりますが、実際のところよくわかっていないのが現状です。

推測ではありますが、日本最大級のオオサンショウウオの場合、驚くべきことですが、50-60年生きるとも言われています。

クロサンショウオの場合も天敵に襲われなければ15年前後生きるとも言われています。

サンショウオは比較的寿命の長い生物であると言えるでしょう。

天然のオオサンショウウオは絶滅の危機にある

サンショウウオは、美しい山と水に囲まれた日本の風土を象徴するような生き物です。

古来より日本人の生活に身近にいた生き物であり、歴史上の物語や書物、時には信仰の対象にもされてきた経緯があります。

世界的に見てもサンショウウオの生息に適した土地は非常に限られており、その多くは日本に生息しているとも言われています。

しかし残念なことに、現在オオサンショウウオを初めとした多くのサンショウウオは絶滅の危機にあると言われています。

それは同時に、先人たちが守り継いできた、美しい自然が破壊されているということでもあります。

サンショウウオはそうした現代人に警告を鳴らしているのかもしれません。