おたまじゃくしは基本的に雑食で、色々な物をたくさん食べてくれます。

カエルのたくさんいる田んぼは、かわいらしいおたまじゃくしがせっせと稲に着く害虫や雑草を食べてくれるので、それらの被害が少なくなります。

また、彼らが泳ぎ回って田んぼの水をかき回すことで、稲の成長に良い影響が出るそうです。

そのため、おたまじゃくしは農家の皆さんからは、田んぼの掃除屋と言われているのだそうですよ。

そんな働き者のおたまじゃくしをご家庭で飼育する場合に、与えるエサについてご紹介します。

可能ならば野外のもの(落ち葉など)を与えよう

おたまじゃくしを捕まえた場所から、水の底に沈んでいる落ち葉や小石など、触るとぬるぬるするものが着いている物を持ち帰りましょう。

このぬるぬるする物の正体は水中に住む藻やバクテリアなどの微生物です。

野生のおたまじゃくしは、これらの微生物や動物の死骸などをエサとしています。

田んぼに住むおたまじゃくしは稲の根本に首を突っ込んで、稲に付着しているもの有機物をなんでも食べます。

飼育されているおたまじゃくしでも、こういった野生のおたまじゃくしが食べているのと同じエサを与えられたおたまじゃくしは、そうでないおたまじゃくしよりも成長が良くなります。

おたまじゃくしを飼育する水槽の底に、持ち帰った落ち葉や小石を敷いてあげると、おたまじゃくしはそのぬるぬるする物に口をつけて削るようにして食べてくれますよ。

台所の残飯でも大丈夫

野外の物を手に入れるのが難しい場合には、台所の残飯でも大丈夫です。

例えば、ご飯粒やうどん、おふ、パン、ゆでた野菜、煮干しなどを与えても、おたまじゃくし達は食べてくれます。

おたまじゃくしの飼育の達人の方は、ゆでたほうれん草、焼き魚の骨、鰹節などをすすめています。

ゆでたタンポポの葉もよく食べてくれます。

おたまじゃくしにはそれほどしっかりした歯はなく、エサを削り取るようにして食べます。

そのため、柔らかいものや水にふやけやすいものを好むようです。

また、動物性のエサ(イトミミズ)を与え続けたおたまじゃくしと、植物性のエサ(ほうれん草)を与え続けたおたまじゃくしの成長を比べると、植物性のエサのおたまじゃくしの方が動物性のエサのおたまじゃくしよりも、腸の長さが二倍以上になって体の大きなおたまじゃくしになったという実験結果があります。

おたまじゃくしを大きく育てたいなら、植物性のエサを多く与えた方が良いのかもしれません。

エサに向かない食べ物としては、油っこい物、生の野菜、肉類があります。

これらは水を汚す原因になるので与えないようましょう。

エサを購入するなら、プレコフードがオススメ

野生のおたまじゃくしは水中の藻などの微生物を食べています。

そのため、同じ藻類を食べている魚・プレコのエサ(プレコフード)はおたまじゃくしも好んで食べてくれます。

プレコフードの他にもフレーク状の金魚やメダカのエサなどが使えます。

これらは配合飼料なので、栄養バランスがよく与えるのも簡単です。

エサは少量を1日数回に分けて

おたまじゃくしを飼育する水槽には強力なろ過装置など、着けないのが普通です。

そのため、水質悪化しないように、1回のエサは少な目にして、1日数回に分けて与えるのがポイントです。

食べ残しはなるべく早く取り出すようにしてください。

水替えはそんなに頻繁にする必要はありません。

水が濁ってきたら、水槽の水量の半分くらい(一度に全部は替えないでください)を、一日以上汲み置きした水道水かカルキ抜きした水と交換しましょう。

変態間近(おたまじゃくしに足が生え始める頃)に頻繁に水替えし過ぎると、変態しなくなることあるのでご注意ください。

エサが十分でも共食いします。水槽を分けましょう

水槽の中の飼育密度が高いと、エサを十分に与えていても、おたまじゃくしは共食いをしてしまいます。

これはエサの量や質の問題ではなく、自然淘汰現象なのでどうしようもありません。

おたまじゃくしは共食いをすると、尻尾を残す習性があります。

食べ残された尻尾は水を腐らせる原因になってしまいます。

水槽を分けて少数ずつ、飼育するようにしましょう。

また、変態が近づいてきたら大きめの石などを入れて、変態したおたまじゃくし(カエル)が上陸できる場所を作ってあげましょう。

変態直後のおたまじゃくしが水の中でもたもたしていると、まだ変態していない他のおたまじゃくしのエサになってしまうことがよくあります。

ご注意ください。

変態間近になったら昆虫など動物性のエサを増やしましょう

雑食のおたまじゃくしに対して、カエルは肉食です。

なので、おたまじゃくしに足が生えはじめて変態間近になったら、昆虫など、動物性のエサを増やしてあげましょう。

上陸できる場所の準備も早めにしておいた方がよいです。

前足が出ると半日くらいで上陸してくることがあります。

上陸直後のカエルはまだエサを食べません。

しっぽが短くなってくるまでは、カエルの体が乾燥しすぎないように湿度を高めにしてあげて、そっと見守っていてください。

おたまじゃくしを育てるのは意外と簡単

おたまじゃくしはよっぽどエサを与えなすぎたり、水を汚しすぎる、日向に水槽を置きすぎて茹で上がらせてしまうなど、極端なことをしない限りは、卵からカエルになるまで成長を楽しむことができます。

世話も簡単なのでお子さんと一緒に育てることもできます。

皆さんも是非かわいらしいおたまじゃくしを育ててみてください。