オタマジャクシといえば、カエルの子(幼生)として知られており、水田や池など身近な場所で出会える水生生物の仲間です。
オタマジャクシは丸い胴体に尻尾が生えた音符のような形をしており、魚のように鰓で呼吸をします。
この身近で不思議なオタマジャクシの飼育方法とポイントをご紹介します。
オタマジャクシの捕まえ方
日本には、アマガエルやツチガエル、ウシガエルなどたくさんのカエルが生息しており、オタマジャクシも同じだけ存在しています。
オタマジャクシといってもアマガエルとウシガエルなどでは大きさや形が違ったりするので自分で育てたいと思うオタマジャクシを良く選んで捕まえましょう。
オタマジャクシは、春から初夏にかけて水田や池、用水路などで群れを作って生活しています。
彼らは魚と違い動きがあまり早くないので手で掬って捕まえることも出来ますが、傷つけてしまうことがあるので観賞魚用のアミを使い、水の中に落ちないよう十分注意して捕まえましょう。
連れてかえる際は、バケツなどに捕まえた場所の水とオタマジャクシを入れてください。
必要な設備
オタマジャクシは大きな設備や道具を必要としないため飼育しやすい生き物です。
飼育する際には下記の設備を用意してあげましょう。
・オタマジャクシを入れる容器
捕まえてきたオタマジャクシの数にもよりますが、昆虫などを飼育するプラスチックケースやガラス水槽が観察しやすいためオススメですが、バケツなどでも飼育は可能です。
・フィルターやエアーポンプ
オタマジャクシは水流に弱く、水流が強いと弱って死んでしまうため定期的に水換えをしてあげられるのであれば用意しなくても問題ありません。
飼育数が多かったり、定期的に水換えが出来ない場合にはスポンジフィルターや投げ込みフィルターを使用すると良いでしょう。
・その他必要なもの
オタマジャクシが落ち着いた環境で生活させてあげられるように水草や砂利を用意してあげると良いでしょう。
彼らは成長に伴い足が生え、呼吸も鰓呼吸から肺呼吸に変わるので溺れてしまわないように流木や石で陸地を作ってあげましょう。
足が生えると壁を這い上がってくるため、容器の蓋も用意したほうが安心です。
水の作り方
オタマジャクシを飼育するのに一番大事な物は「水」です。
自然界では、バクテリアにより彼らの住みやすい水が作られているためすくすくと成長しますが、悪い水で育てると食欲不振や病気でバタバタ死んでしまいます。
一般的にオタマジャクシを飼育する際には、水道水を使うことになることになると思いますが、その際はバケツに水道水を入れ一日外で放置するか薬剤を使いカルキ抜きをしてください。
フィルターや水草、砂利などを入れるのであればオタマジャクシを移す前に行いましょう。
オタマジャクシを移動させる際は、少しずつ水合わせをしてから行ってください。
急に移動させてしまうとショックを起こしてしまい死んでしまう場合があるので注意しましょう。
日常の世話
オタマジャクシは自然界では何でも食べる雑食性の生き物で、池や水田の底に沈んでいる落ち葉などについているバクテリアや、ミジンコやゾウリムシのような微生物を食べています。
これらのエサを用意するのは難しいので、ゆでたまごやご飯粒、パンや煮干など人間の食べ物を与えるのも面白いですが、水を汚しやすいのでメダカや金魚のエサなどを与えるのが良いでしょう。
水換えの頻度は、小さい容器であれば2日1回、3分の1程度を交換してあげてください。
フィルターを付けている水槽であれば1週間に1回、3分の1程度で大丈夫です。
屋内で飼育する場合には大丈夫だと思いますが、水温が30℃を超えると溶存酸素量が少なくなってしまい酸欠で死んでしまうことがあります。
屋外で飼育する場合には直射日光を避け、すだれなどで日陰を作ってあげてください。
一緒に飼える生き物・飼えない生き物
カワニナやタニシなどの貝類やオタマジャクシよりも小さい魚であれば一緒に飼育することが出来ます。
ただあまり小さい魚だとオタマジャクシのエサになってしまう可能性があるため、貝類以外とは一緒にしないほうが無難です。
オタマジャクシと一緒に飼えない生き物とは、イコール彼らを食べてしまう生き物を指します。
ヤゴやタガメ、ゲンゴロウなどの水生昆虫、ザリガニやスジエビ、手長エビなどの甲殻類、オタマジャクシよりも大きな魚はただのエサとなってしまいます。
また同じ種類のオタマジャクシでも成長の違いで共食いなどが発生してしまうため、サイズに違いのあるオタマジャクシは別々に育てるほうがよいでしょう。
オタマジャクシを飼うためのコツを知ろう
オタマジャクシは、子供でも毎日世話がちゃんと出来れば立派なカエルに成長させることが出来るとても簡単に飼育できる生き物です。
オタマジャクシからカエルに成長する過程は、とても不思議で神秘的なことなので子供達も日々の成長に驚き、感動することでしょう。
このような身近な生き物であるオタマジャクシが生活できる環境を、これからも守ってあげることが大切なことです。