ビション・フリーゼは、コロコロとした印象のとても可愛らしい犬ですが、どこか上品な佇まいを感じさせます。
人によく懐き、あまり人見知りをすることがないとても社交的な性格です。
小型犬に見られる怯えや警戒心がほとんど見られません。
日本では他の小型犬の人気に押され気味ではありますが、ペットとして申し分のない素晴らしい性格をしています。
体も大きすぎず、それほど飼育に手間のかかる犬ではないため、とても優れたパートナーといえる犬種です。
今回はそんなビション・フリーゼの体の大きさや、子犬の成長に注目して、詳しく紹介します。
1.ビション・フリーゼの特徴
ビション・フリーゼは、フランスが原産の小型犬です。
まっしろでフワフワとした被毛と、「パウダーパフ」と呼ばれる独特のトリミングをすることが大きな特徴です。
同じく地中海に面したイタリア原産のマルチーズとは、共通点を多く持っている犬でもあります。
ビション・フリーゼのルーツとなっているのは、当時地中海沿岸にいたウォータースパニエルの一種と言われています。
この犬と小型の白い犬との交雑で誕生したとされていますが、ビション・フリーゼの詳しい生い立ちはあまりわかっていません。
しかし、その愛くるしい姿は、中世以降のローマをはじめとして上流貴族の愛玩犬として一世を風靡しました。
フランスやアメリカでは、押しも押されぬ定番犬として定着しています。
日本では同じような小型犬として、マルチーズやチワワなどが圧倒的な人気を誇っています。
しかし、そのショー映えするトリミングや人懐っこい性格から、熱心な愛好家も少なくありません。
2.ビション・フリーゼの成長した犬の大きさ
ビション・フリーゼは、かつて貴族が膝の上に抱いて座らせて可愛がっていたような犬です。
体はコンパクトで、女性や年配の方でも扱いやすいサイズだといえるでしょう。
似た犬種としてよく比較されるマルチーズよりは、少し体は大きく成長する傾向があります。
成長したビション・フリーゼの体高は、だいたい30cmくらいです。
JKCで定めている理想の体高は、25〜29cmだとされています。
体高よりも体長がやや長くなりますが、全体的にはバランスのとれたプロポーションをしています。
体重に関しては、だいた5〜6kgにおさまることが多くなります。
小型犬のわりに運動量は多く、積極的に走ったり遊びたがるような性格の犬です。
そのため、一見頼りなさげに見えたりしますが、そうした運動を支えるだけの筋肉を備えています。
3.ビション・フリーゼが子犬から成犬になるまで
ビション・フリーゼの子犬が大人の犬に成長するのに必要な期間は、だいたい1年くらいです。
3ヶ月くらいの子犬では、まだ体重は1〜1.5kgほどしかありません。
しかし、ドライフードを食べ始めるようになると、体の成長が一気に目に見えるようになります。
生後3ヶ月から半年くらいにかけては、まさに「日に日に」体が大きくなっていくように感じられます。
わずか3ヶ月で体重は4kgくらいにまで成長して、とても活発に動くようになります。
生後半年くらいまでは底なしの食欲を見せますが、それ以降は体重の増加も徐々にペースが緩やかになってくるでしょう。
生後1年で約5kgくらいになりますが、この時期の体重が生涯の体重の目安になります。
活発な性格からもわかるように、食べ物にも非常に強い興味を示します。
ドッグフードを美味しそうに食べる姿を見ると、ついつい与えたくなってしまいますが、大人になってからは肥満に注意が必要になります。
4.成犬になってからの変化
ビション・フリーゼの子犬の目に見える体の成長は、生後1年くらいで止まるようになります。
しかし、ユニークなトリミングを施すための被毛は、まだまだ長さが足りない状態です。
1歳から1歳半くらいになると、ビション・フリーゼらしいたっぷりの被毛がそろうようになります。
また、子犬の頃には、被毛にベージュやシルバーのような淡い色が入っていることがあります。
大人になった頃から、だんだんとこうした色は抜けるような感じで、純白に近づいてきます。
一人前のビション・フリーゼになるまでには、こうした段階があったりします。
ビション・フリーゼにはあまり遺伝などによる疾患などは多くなく、比較的健康で長生きする犬として知られています。
平均的な寿命は12〜15年だと言われていますが、20年近く生きることも珍しくありません。
シニア期になると尿結石を起こしやすいので、排尿の様子などには注意するようにしましょう。
5.飼育と成長で気を付けるポイント
ビション・フリーゼといえば、まっしろい被毛を思い浮かべる人も多いでしょう。
ですので、涙やけやよだれによる被毛の着色に注意が必要です。
涙があまりにも多かったりする場合には、目の病気なども考えられるため獣医さんに相談しましょう。
また、マルチーズと異なる点として、ダブルコードで被毛の量が多いことが挙げられます。
だからこそ、独特のトリミングが施せるという個性があるのですが、裏を返せば換毛期の抜け毛も多くなります。
皮膚病の原因になることもあるので、お手入れはこまめに行うように心がけましょう。
また、豊富な被毛の影響というのは、体温調節に関しても留意しておきたい点があります。
高温多湿の暑い環境というのは、ビション・フリーゼにとって負担となることが多いです。
そのため、夏場のお留守番などのときには、部屋の中が熱くなりすぎないように配慮してあげる必要があります。
ビション・フリーゼの成長を知ろう
かつては貴族の膝の上に乗っていたり、トリミングやショーの花形と聞けば、ビション・フリーゼの持つ華やかなオーラにも納得してしまいます。
忙しないくらいの活発さを持ちながら、うるさく吠えたりしないという性格も、とても魅力的に思えますよね。
小型犬のため成長のスピードは早いのですが、「パウダーパフ」ができるようになるには、ちょっと時間がかかるようです。
ですが、そんな時間すら楽しみに思えるような、素晴らしい愛嬌を持った犬ではないかと思います。