可愛い愛犬の子孫を残したいと思われる方は、多いと思います。

初めての出産を迎える時は、犬も飼い主さんも緊張の連続です。

子犬を産ませたいと思ったら、あらかじめ出産に必要な事を知っておくことは、とても大切です。

安心して、妊娠~出産を迎えられるように、犬の出産の基礎知識を紹介します。

犬の発情と生理

犬は、生後7か月を過ぎると発情を迎えます。

その後、半年ごとに発情を繰り返し、交配できる状態になります。

雌犬の体を考えると、2回目以降の発情以降(生後1年以降)が望ましいです。

また、出産は5~6歳ぐらいまでが理想です。

発情中は、食欲が増し、排尿回数が増え、生理などが起こります。

犬の交配

発情期を迎え、子犬を産ませようと考えたら、パートナーを探さなくてはいけません。

基本、交配は、雄犬から雌犬に申し込みます。

より、純血種を作りたい場合は、相手の血統も重要な参考になります。

パートナー探しは、犬を購入した、ペットショップやブリーダーに相談し、仲介してもらうのもよいでしょう。

犬の妊娠の兆候

交配が成功すると、約1か月ほどで妊娠の兆候が表れます。

犬それぞれに違いはありますが、あまり動かなくなったり、今までの食事を受け付けなくなったり、好みが変わったり、量が変わったりします。

雌犬は、交配後2週間目位から乳腺が発達し、乳首の周りの毛が薄くなってきます。

そして、1か月ほどでお腹のふくらみが分かるようになってきます。

この頃になる、食欲も回復してきます。

妊娠の兆候が表れたら、超音波検査を受けましょう。

病院で、子犬の頭数や、異常が無いかをあらかじめ調べてもらうと安心です。

50日目頃からは、外陰部のふくらみが現れ、おりもののような粘液が出ます。

また、犬のお腹を触ると、胎児が分かり、動くようになってきます。

犬の妊娠期間と出産に向けて準備するもの

犬の妊娠期間は、約2か月です。

自宅で出産を迎える場合、飼い主さんは、この間にあらゆる準備をしておく必要があります。

まず、出産する場所を決め、産箱を作ります。

犬が落ち着ける静かな場所を選びます。

いつものお気に入りの場所で良いでしょう。

下に毛布やタオルなど柔らかいものをひきます。

出産時に汚れてしまう為、替えのタオルや敷物もあらかじめ用意しておきましょう。

早めに産箱を用意することで、犬に慣れさせることも大事です。

出産後は、産箱の中で子犬に授乳を行うので、ゆったりとくつろげる大きさが必要です。

冬場は、防寒対策も必要です。

また、子犬の体温も考えて、産箱内の温度も気を付けます。

その他、脱脂綿・消毒用アルコール・ハサミ・糸・はかり・体温計・子犬の目印になるリボンなど、へその緒の処理や、子犬の体重測定に必要な道具も準備しておく必要があります。

犬の出産

交配から約63日で、犬は出産を迎えます。

犬は出産が近づくと、落ち着きがなくなり、トイレ以外で排尿するなど、普段とは違う様子を見せます。

また、前足でカーペットや布を引っ掻くなどの巣作り行動を見せたりと、ソワソワします。

食欲がなくなり、頻繁にトイレに行き、何度も排便をし、下痢をする場合もあります。

普段の犬の体温は38.3度程ですが、この頃には、犬の体温は37度以下に下がり、約10時間後位から陣痛が始まります。

いよいよ出産が始まると、犬は力みだします。

そして、半透明の袋に包まれた子犬が、一匹ずつ誕生します。

自分で半透明の袋を破り、へその緒まで処理する犬もいますが、出来ない場合は飼い主さんが手助けしてあげます。

袋を丁寧に破り、子犬を取り出したら、子犬のお腹から1センチほどの所を糸で結び、ハサミで切ってあげます。

切り口は、消毒を忘れないように行います。

その後、子犬の呼吸を確認し、タオルで濡れた子犬の体を優しく拭いてやります。

生まれてすぐに鳴かない子犬も、タオルでしっかりマッサージしてやることで、鳴きはじめます。

生まれてくる子犬は、見分けがつかなくなるので、色の違うリボンなどを使い、目印を付けます。

色ごとに、出産時間・性別・体重を記録しておきましょう。

キレイに体液を拭き取った後、母犬に子犬を戻してあげます。

母犬は、子犬の世話と同時に、お腹に残っている胎児の出産を行います。

母犬が、間違って生まれたばかりの子犬を踏んづけたり、体を傷つけたりしない以外は、むやみに触らず、見守ってあげます。

無事にすべての子犬が出てきたら、出産は終わりです。

ただし、逆子や破水してもなかなか胎児が出てこなかった場合は、母子共に危険な状態です。

一刻も早く病院に連絡し、連れていく必要があります。

犬の出産についての基礎知識を身につけよう

新しい命を迎える事は、大切な思い出になる事でしょう。

初めての経験なら、なおさら忘れられないものです。

ただし、子犬を産ませるにあたって覚えておかなくてはいけないことがあります。

単にかわいい子犬が欲しいだけで、むやみに交配を行うことは大変危険です。

出産は、犬にも負担が掛かります。

また純血種は、遺伝性の疾病を抱える可能性も大きいものです。

繁殖は、母犬の体は勿論、後に続くその子犬達の事も考えて慎重に行うことが望ましいです。