世界には、圧倒的な存在感のある体格を持つ、超大型犬が存在します。
犬の大きさの分類には明確な定義はないものの、ボルゾイといえば誰もが認める大型犬です。
しかし、大きいながらも俊敏に動くことのできる身体能力を持ちつつ、とてもフレンドリーな性格で可愛らしさもある犬です。
では、実際に飼うときに気になる、そのサイズや成長過程についてご紹介します。
1.ボルゾイとは
ボルゾイはロシアが原産の大型犬です。
ルーツはヨーロッパのサイトハウンド系の犬と、もともとロシアに土着していた猟犬だといわれています。
その歴史は古く、11世紀くらいから、絵画などでその存在が知られている由緒ある犬です。
大型犬は日本では人気があまり出ませんが、ボルゾイには根強い人気があります。
大型犬でありながら、家の中でおとなしく過ごせる性格や、穏やかな性格を持っているためかもしれません。
散歩や運動ができる時間があれば、マンションなどで飼育することも難しくない犬種です。
ボルゾイは、かつてロシアの貴族に好んで飼われ、非常に可愛がられていたそうです。
そのスタイルの良さや優雅な雰囲気を漂わせる出で立ちをみると、そうした生い立ちも納得できます。
茶目っ気のある活発な性格も、現代でもきっと多くの人を魅了するでしょう。
2.ボルゾイの体の大きさと特徴
ボルゾイはご存知の通り、大人になるとかなり大きな犬に成長します。
一般的には大型犬といわれますが、超大型犬と紹介されることもあるほどです。
人間の腰の高さに顔があるような大きさで、犬の中でもかなり大きな部類に入ります。
大人になったときの体高は、オスの場合には75〜85cmにもなります。
メスはオスよりも若干小さめではありますが、それでも68〜78cmほどです。
また、このサイズに収まらない、さらに大きく成長するボルゾイも珍しくありません。
しかし、そのシュッとしたスタイリッシュな体型が物語るように、体重は高さに比べると少なめです。
だいたい37kgから50kg弱くらいで、他の犬と比べてもかなり軽めだといえるでしょう。
ほっそりとした顔立ちや長く細い足は、まるでスーパーモデルを思わせるようなスタイルです。
3.仔犬から大人になるまで
一般的な犬の場合には、生まれてから1年くらいで大人になります。
体の成長はそのくらいで止まり、それ以降は大きな成長や体格の変化はありません。
しかし、ボルゾイの場合には、2歳ぐらいまで体が成長を続けることが多かったりします。
だいたい生後3ヶ月目くらいまでは、他の犬より少し大きいくらいで、それほど大きな違いはありません。
この時期には非常に食欲が旺盛で、歩いたりすることにようやく慣れてくるころです。
ボルゾイの特徴的な細長いマズルの面影もまだまだ薄く、あどけない顔立ちです。
しかし、ここから生後10ヶ月くらいまでは、みるみる体が大きくなっていきます。
段々と顔立ちもはっきりしてきて、ボルゾイらしさを漂わせる風貌になります。
徐々に成長のペースは穏やかになりますが、しばらくはまだ体が大きくなり続けるでしょう。
4.成犬期以降の変化
2歳くらいになれば、体の大きさもすっかり立派なサイズに成長していることでしょう。
このくらいの時期から、ボルゾイの特徴である長い飾り毛が伸び始めます。
そのため、たっぷりとした飾り毛は、ボルゾイの成熟の証とも言えるかもしれませんね。
ボルゾイのおもしろいところは、年齢を重ねるにつれて、雰囲気が変化してくるところです。
飾り毛も含め、その被毛のボリュームやツヤなど、次第に貫禄を帯びてくるようになります。
こうした変化はどの犬にも共通するものではなく、ボルゾイの魅力の一つになっています。
ボルゾイの平均的な寿命は、だいたい10〜12年程度といわれています。
8歳くらいのころからは、次第に老化が顕著に現れるようになります。
家の中ではおとなしい犬ですが、定期的な健康診断などは怠らないようにしましょう。
5.食事と運動量に気を付けよう
他の大型犬と同様に、ボルゾイはゆっくり成長しますが、老化の進行は早い犬種です。
しっかりと体も性格も成熟して、活動的になる成犬期は比較的短いものです。
そのため、小さなころからの日常的な健康管理には特に注意を払っておきたいものです。
また、ボルゾイは体の大きさのわりに体重が軽い犬です。
同じような体高のセントバーナードなどと比較すると、その体重は半分ほどしかありません。
もともと食が細いので痩せすぎや、逆に太り過ぎないようにも注意しましょう。
ボルゾイはもともと猟犬ですので、飼い主のしつけによって性格も大きく影響を受ける犬種です。
やんちゃな一面も持っているので、しっかりと飼い主の命令を聞くようにしつける必要があります。
成長期には活発に体を動かすのと同時に、しつけにも積極的に取り組みましょう。
ボルゾイの成長について知ろう
ボルゾイの体は細く、重量感はそれほどないものの、やはりその背の高さには驚かされます。
前脚を上げて立ち上がると、大人の男の人と同じくらいになるような子もいたりします。
しかし、大型犬は飼いにくいというイメージに反し、非常に家庭犬に向いた性格を持っている優しい犬でもあります。