犬も暑いときにはそれなりに多くの汗をかきます。

しかし、それでも人間の汗腺ほど効率よく汗をかくことはできず、汗による体温の冷却はあまり効率が良くありません。

暑いときに、犬が口を大きく開けて舌をだらんと出し、よだれをだらだら垂らすのは、

汗だけでは足りない気化熱をよだれの蒸発によって補おうとしているからです。

このように暑さに弱い犬は夏場に熱中症になりやすく、熱中症と脱水症状は関係しています。

脱水症状は暑い時期、特に注意が必要になります。

嘔吐と下痢が犬の脱水症状の主な原因

成犬の体のうち約60%、幼犬では80%が水分でできています。

嘔吐や下痢が続いてしまうと体内の水分と共に、

水分に含まれている電解質も失われてしまい、脱水状態になってしまいます。

症状の軽いうちに、水分と電解質を適切に補給してあげることが、

愛犬の重大な体調悪化を防ぐ一番の対応策になります。

犬が酷い嘔吐や下痢をしているときには、なんらかの感染症、急性胃炎、糖尿病、急性腎不全、

熱中症にかかっていることが多いです。

体温調整の苦手な犬にとって、夏の暑さは熱中症から脱水症状を引き起こしてしまう危険なものです。

飼育環境の温度管理をしっかりしてして熱中症予防をしてあげましょう。

犬の脱水対策には人間の乳幼児用イオン飲料水がオススメ

脱水状態を悪化させないためには、症状が軽度のうちに電解質を含む飲み物を与えることが大切になります。

体液より少し低い浸透圧(200~250mOsm/kg)の飲み物の方が、胃腸からの吸収が良くなります。

また、ブドウ糖が含まれていると、小腸でのナトリウムと水の吸収がさらに良くなります。

犬の脱水対策でオススメの飲み物は、人間の乳幼児用イオン飲料水です。

乳幼児用イオン飲料水は、大人用のスポーツドリンクの2倍の量の電解質を含んでおり、糖質の量は2分の1になっています。

この成分量は大人用スポーツドリンクよりも動物病院で行われる点滴液に近いものです。

乳幼児用イオン飲料水は犬の体液よりも低い浸透圧になっているので、飲ませた後の吸収も良いです。

大人用のスポーツドリンクしか自宅にない場合には、2倍の量の水で薄めてから与えると吸収が良くなります。

また、大人用のスポーツドリンクをそのまま与えてしまうのは、含まれている塩分量が犬には多すぎるので止めましょう。

不安な際には一度かかりつけの動物病院にたずねてみましょう。

犬が酷い嘔吐と下痢をしているときには水をあげてはいけない

ここまで、症状の軽いうちに、水分と電解質を適切に補給してあげることが

愛犬の体調を悪化させないための一番の対応策とご紹介してきました。

しかし、犬が酷い嘔吐や下痢をしているときにこれをしてしまうと、犬の体調を急激に悪化させてしまうことがあります。

酷い嘔吐や下痢を繰り返して弱っている胃腸に大量の水分を与えてしまうと、

胃腸を刺激してしまい、さらに酷い嘔吐や下痢の呼び水になってしまうからです。

嘔吐や下痢は犬の体力を奪い、体温も低下してしまいます。

酷い嘔吐や下痢をしているときには、それらが止まるまで水分も食事も与えないようにしましょう。

そして、湯たんぽなどを使って冷えた犬の体を温めてください。

嘔吐と下痢が治まったら、水分を少量ずつ犬の様子を見ながら与えましょう。

脱水症状が見られれば急いで動物病院に

酷い嘔吐や下痢が続いている場合には、犬が脱水症状を起こしていないかを確認しましょう。

チェック項目
①気力がない
②目が窪んでいる
③呼び掛けに反応しない
④犬の首の後ろの皮膚をつまんで持ち上げ、手を放した時にすぐに皮膚が元に戻らない
⑤犬の歯茎を指で白くなるまで強く押し、指を放した時にすぐにピンク色に戻らない
⑥犬の歯茎が水分不足でネバネバしている

犬の脱水症状は、何かしらの病気の末期症状として現れることの多い症状です。

脱水症状自体も命に関わる危険なものですし、脱水症状の原因になっている病気の中にも深刻な病気もあります。

早期発見、早期治療が回復を支える鍵になります。

これらの項目に当てはまった時には、すぐに動物病院に連れていきましょう。

脱水症状の応急処置としては、病院に向かいながら、先に紹介した乳幼児用イオン飲料水などを、

犬が吐いてしまわないように少量ずつ様子を見ながら与えましょう。

犬が自力で飲めないほど弱っている場合には、シリンジなどで少しずつ口の中にに垂らして与えましょう。

犬が熱中症になっている場合には、体を冷やす事も必要になります。

冷たい水でしぼったバスタオルで体を包んだり、保冷剤をタオルなどでくるんだ物を使います。

病院までの移動中には、犬の四肢を擦るマッサージをしてあげましょう。

体温を下げることができます。

脱水症状にならないための生活改善も大切

ここまで脱水症状の対処法についてご紹介してきました。

対処法と同時に脱水症状を防ぐ方法を知ることも、愛犬の健康を守るためには大切なことです。

脱水症状の原因になる下痢を防ぐために、食物繊維の多いリンゴなどを与えて腸内環境を整えてあげましょう。

また、ドッグフードにスープを加えてあげるなど、普段から水分の多い食事をとらせることも大切です。

感染症予防にはまめに掃除し清潔な生活環境をキープしてあげましょう。

体の小さな犬は嘔吐や下痢だけでも体の水分が不足してしまいます。

様子がおかしいなと感じたら早めに動物病院に連れていってあげてください。