爪切りは、文鳥にとっても飼い主にとっても緊張するもの。
しかし爪切りをしなければ、止まり木をうまく握れなくなってしまったり、衣類や巣に引っかかりケガをすることもあります。
伸びすぎてしまうと指の変形が起こる可能性も。
動物病院に連れて行き獣医師に切ってもらうという手もありますが、外出はリスクもありストレスにもなりえます。
文鳥の負担を考えれば、信頼できる飼い主がお家で手早く済ませてしまうに越したことはありません。
そこで今回は文鳥の爪切りのコツをご紹介します。
飼い主が怖がっていると、文鳥も怖がる
「かまれるのが怖い」「文鳥に嫌われたらどうしよう」「深爪してケガさせてしまったら…」
そんな風に考えてびくびくしてしまっていませんか。
何年も文鳥と暮らしている、いわばベテラン飼い主でも爪切りを苦手とする人は多く、文鳥を飼育する上での試練といっても過言ではありません。
とはいえ、一緒に暮らしていればきっとよくわかると思うのですが、文鳥はとても賢く、察しの良い鳥ですから、飼い主の様子をよく見ています。
飼い主がいつもと違う様子でいると、文鳥も「何かいつもと違う、何だろう…」と不安になってしまうのです。
まず飼い主であるあなたがリラックスして、文鳥の気持ちも和らげましょう。
保定をしながら、爪を切りながら、「大丈夫だよ」など声をかけてあげることも大事です。
保定のコツは、首をしっかり、お腹はふわっと
まずは、保定をしっかりできるように練習しましょう。
爪切りに限らず、もし文鳥が病気になり投薬が必要な時なども考えると、保定はできた方が安心です。
利き手で爪切りをするので、保定は利き手ではない方の手で行いましょう。
まず文鳥を上からそっと掴みます。
この時絶対に強く握らないでください。
手の中で文鳥の位置を優しく調整して、首は横部分を人差し指と中指でしっかり挟み、お腹は親指・薬指・小指でふんわり包むように持ちます。
お腹を握ってはいけません。
あくまでも3本の指を添える程度にしましょう。
首を固定している人差し指と中指を少し上げ、文鳥の首を少し反らすようにすると、指をかまれにくくなります。
文鳥の性格にもよりますが、保定されて喜ぶ子はいないと思ってください。
きっと脚をバタバタさせて必死にもがくと思いますが、飼い主が動じてはいけません。
飼い主が動揺してしまうと、お腹を強く握ってしまうなどの危険があり、文鳥がさらに怖い思いをすることになります。
いざ本番。少しずつ切ると失敗しにくい
保定を安定してできるようになったら、いよいよ爪切り本番です。
まず保定をして文鳥のお腹を包んでいる親指と薬指で、切る爪の付け根を持ちます。
切る前に爪をよく見て、血管がどこまで通っているかを確認しましょう。
血管を傷つけることのないよう、血管から少し離れた位置に爪切りを当てて切ります。
慣れないうちは爪の先から1ミリずつなど少しずつ切っていくと、失敗もしにくく安心と言えるでしょう。
爪の先のとがった部分を切るだけでも、衣類への引っ掛かりは軽減できます。
文鳥の様子を見ながら、すべての爪を切ることができそうならチャレンジしても良いですし、「今日は2か所だけ」と何日かに分けて切っても良いでしょう。
なるべく文鳥の負担を少なくしてあげましょう。
もし失敗してしまったら、早急に止血を
どんなに細心の注意を払って爪切りをしても、思いがけず爪が割れてしまったり、文鳥が突然暴れてしまったりして、深爪になってしまうこともあります。
でも万が一出血してしまっても、大量に出血していたりずっと出血が止まらないということでなければ、大丈夫です。
慌てず、確実に止血しましょう。
止血の仕方ですが、お線香の火のついた部分を、深爪で出血している所に一瞬軽く押し当てるという方法があります。
怖く思えますがすぐ出血が止まりますし、傷口の殺菌作用も期待できます。
ただし文鳥が暴れてしまう場合はやけどの危険があります。
お線香の火による止血に自信がなければ、市販の止血剤を用意しておきましょう。
代表的なものに「クイックストップ」というものがあります。
薬剤を傷口にこすり付け、少し押さえるとすぐ出血が止まります。
もしお線香も止血剤もないという場合は、小麦粉などを傷口にこすり付けることでも止血ができます。
ただし上記2つの方法に比べると止血までに時間がかかりますし、うまく止血できないこともありますので、やはりあらかじめ止血剤などを準備しておくのが良いでしょう。
「もし出血してしまっても大丈夫」と安心材料になります。
終わったらご褒美をあげよう
いくら安全のためとはいえ、文鳥にとって動きを制限されることはやはりストレスを感じるものでしょう。
爪切りを終えた後は、頑張った文鳥に好物などのご褒美をあげましょう。
「がんばったね」など声もかけてあげると、文鳥もより安心します。
中には、飼い主に対して警戒してしまいそっけなくなってしまう文鳥もいるかもしれません。
そういう時はあまり構わず、そっとしておいてあげましょう。
しばらく時間が経てば、また元のように飼い主に接してくれるようになる場合がほとんどです。
文鳥の爪切りをマスターしよう
保定も爪切りも、最初から上手にこなせる飼い主はそうそういません。
何度もチャレンジして、慣れることがとても重要です。
爪を切ったら、止まり木を自然木のものに変えてみるなど、普段の生活の中で爪が伸びにくくなる工夫もしてみましょう。